底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

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第四十九話 初めての海外旅行

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「海外旅行と言えば、パスポートが必要です」

「そ、そうだった。俺は持っていない。と、いうことはあずさも当然もっていないよな」

「はい」

「うふふ、私は忘れないように二つ持ってきました」

 坂本さんが、巨大な旅行カバンを持って来て、それを運びながら言った。

「二人分?」

「ああ、いいえ。一人分です。言い間違えました」

 そんなこと言い間違えるかなーー。

「あなた達はそろいもそろって、ばかなのーー!!」

「はーーっ」

 俺たち三人は納得出来なくて、ミサの顔を見た。

「今のこの世界で、パスポートなんかいるもんですかー!」

「そ、そうか。政府が無いのだから、いらないのか。便利になったもんだ」

 俺は今回の、移動用にミスリルでUFO型の乗り物を作った。
 これなら誰かに見られてもUFOと錯覚してもらえるだろう。
 出入り口の中には、二人掛けの椅子を三列、六人乗りにした。
 メンバーは、俺とあずさ、シュラとミサ、坂本さんの五人だ。

 座席以外には、キッチンと冷蔵庫、バス、トイレも付いている。
 冷蔵庫は当然ミスリル製で、魔法で冷やす。
 キッチンも同じで、水魔法と火魔法を使う。
 飛行の原理は、空飛ぶホウキと同じ原理で飛ぶ。

「忘れ物が無いようなら出発します」

「はい」

 全員の返事がそろったところで飛行を開始した。
 操縦も、もちろん不要だ。
 UFO自体がゴーレムなので、勝手に飛んでくれる。
 命令は、ただ東へ真っ直ぐだ。
 時間は十二時間ぐらいを予定している。

「坂本さーーん!」

 一時間ぐらい飛行したくらいで、どこからか坂本さんを呼ぶ声がする。
 俺は全員の顔を素早くチェックした。
 だれも口が動いていない。
 俺は空耳だろうと聞こえないふりをした。

「坂本さーーん!」

 やっぱり声がする。
 コワイ、コワイ。
 ミサのお母さんの話では霊はいると言うことだ。

「怖いわね、何か声がするわ」

 ミサが言う。
 俺の気のせいではなさそうだ。

「あっ、忘れてた」

 坂本さんが、カバンに駆け寄った。

「忘れてた、じゃ無いです!」

「申し訳ありません。愛美様」

 カバンから愛美ちゃんが出て来た。

「うふふ、あずさちゃん! 来ちゃった!」

 来ちゃったじゃ無いですよ。
 やれやれ、困ったもんです。
 来てしまったものはしょうがありません。
 いまさら追い返すことも出来ませんしね。
 あずさも嬉しそうなのでまあしょうが無いのかな。

 二人でキッチンに行き、機内食を作り出したようだ。
 しばらくして、紅茶の良い匂いがしてきた。

「とうさん、どうぞ」

 あずさが、紅茶と軽食を持って来てくれた。
 それを食べながら、景色を見るとまわりが全部青い。
 海外旅行など初めてだが、飛行機というのは、景色を楽しむ事は出来ないようだ。
 水平線まで全て海、何も無い。全然楽しく無い。

 軽食から六時間ほどたったら、あずさが機内食を用意してくれた。

「今日は特別です」

 そう言って、うな重を出してくれた。
 俺以外は、全員お替わりをしている。

「来て良かった!!」

 愛美ちゃんはこれだけでも大満足している様だ。

 そして、やっと陸地が見えてきた。
 俺世代は、たぶん聞いた事があるのでは無いだろうか。
 やっぱりアメリカと言えばこれを言っておかないとね。

「ニューヨークへ行きたいかーーー!!」

「えっ!?」

 全員、目が点になっている。
 知らないのかな。

「まあ、ニューヨークには行きませんけどね」

「なんじゃそりゃーー!!」

 そして、今度は景色が陸地ばかりになりました。
 数時間飛ぶと、眼下は畑ばかりになります。

「ぎゃーーーーー!!!!」

 坂本さんと愛美ちゃんが悲鳴を上げた。
 声の方を見ると、セクシーな女性がUFOの外に張り付いている。

「あっ、アメリカンレディー」

「ほんと、バカなの! ウルトラウーマンでしょ。全然かすりもしないじゃない。どんな間違え方よ!」

「その声は、ミサミサ」

「はい。久しぶりウルトラウーマン!」

「ねえミサミサ、このまま下に降りてくれない。私は地球上では、体力の消耗が激しくて、変身を維持できないの。下に降りたら変身を解除するから、ゆっくりお話しましょう」

 俺たちは、ウルトラウーマンの言う通り垂直に地面に降りた。
 地面に降りると、ウルトラウーマンは変身を解除した。
 眩しいフラッシュの中から、金髪碧眼の幼女が現れた。
 どう見ても十歳位にしか見えない。

「ちょっと、聞いて良いか?」

「どうじょ」

「アメリカンレディー、アンタは二十歳以上なのか? それだけ教えてくれ。何百歳とか言われると、なんか安っぽいファンタジーのようになるから、本当の歳は言わなくていい」

「あのねー、ウルトラウーマンよ。また、間違えているわ」

「あ、そうか」

「ミサミサ、どっちでもいいでしゅ。私の本当の名前はアメリでしゅから。歳は二十歳以上でしゅ」

「来たー、合法ロリだー。しかも舌ったらずで話し方も声も超可愛いー。着ている服もロリロリだーー」

 俺は、はしゃいでしまった。

「……」

 あーっ、全員の目が光を失い、死んだ魚の目になっている。
 仕方がないだろー。おっさんなんてこんなもんだーー。
 ですよねー。

「ま、まさか、あなたは、アンナメーダーマンでしゅか?」

「そうです。私がアンナメーダーマンです」

「会いたかったでしゅ」

 金髪ロリ子が抱きついて来た。

 ピーーーッ

 あっ、鼻から凄い勢いで空気が抜けて、大きな音が出てしまった。
 しかし、この子、変身するとダイナマイトボディー、解除後はロリ美少女って、一粒で二度美味しいじゃねえかーー。

「あの、この方は?」

 坂本さんがミサに聞いている。
 ミサは胸の谷間から、例の写真を出した。
 31ヒーローズ、そこの中の一人を指さした。

「じゃあ、この方も隕石にいたのですね。すごい」

 愛美ちゃんがロリ子を見つめている。

「ここで待っていれば誰かが来ると思っていましたが、アンナメーダーマンが来てくれたのですね。さすがです」

「ここで待っていればと言うことは、ここで畑の面倒を見ていたのか」

「はいそうでしゅ。誰かがきっと必要になって取りに来ると思っていました」

「アメリ、ここの小麦を分けてもらいたいのだが、いいか?」

「いいでしゅ。もうこの国で必要な人はいないでしゅから」

「アメリ、この国はどうなっているのか、教えてくれないか?」

「うふふ、いいでしゅよ」

 アメリは、この後この国の現状を説明してくれた。
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