底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

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第百四十六話 SRG48

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「ゲン聞いてくれ。いや、ゲンだけじゃねえ、全員聞いてくれ」

「……」

 全員がなにを言うのかと注目してくれた。
 ここに、各地の重鎮の顔がすべてある。
 ならば、木田家の評定を済ませてしまおうと思う。

「木田家は、衣食住のうち、食のめどがつきつつある。住は最初から充分ある。これから圧倒的に足りなくなるのが衣だ。農業の方は引き続き奨励するとして、衣の方を何とかしたい。尾張は幸い毛織物の世界三大産地だ。三河は綿織物の産地、米沢と甲斐は絹織物の産地だ。これらの復活を、目指して欲しい」

「はっ!!」

「内政はそれで行くとして、外に対してだが、まあ、使者を出して友好的にいきたい。無理なら、力を見せてなるべく死者の出ないようにしてもらいたい。つまり不殺の基本はそのままだ。ゲンと伊達家共同で、蝦夷地、北海道の調査をしてもらいたい。これから冬を迎える、使者を出して、もし兵を進めるのなら春からとしてほしい」

「わかった」

「真田、今の最新の状況を教えてくれ」

「はっ! その前に大殿に紹介したい者がおります。戸田殿、こちらへ」

「お、大殿。戸田にございます」

「こちらは?」

「はっ! 松本城の城主戸田殿です」

「おお、信州の松本」

 俺は地図に視線を移した。
 真田が、位置を示してくれた。

「真田、北条連合軍は、上田、佐久を木田家の傘下とし、長野の海津城に使者を送っています」

「上田と佐久。海津城……」

 俺が地図上をまごまごしていると、真田がさっさと、指を動かしてくれた。
 上田、佐久と言えば俺でも知っている。
 真田ゆかりの地だ。
 だが、この真田は、あの真田とは縁もゆかりも無いので、ゆかりの地ではない。

「これで、我が真田家も本当の故郷に帰った気がします」

 そ、そうなのか。

「よ、よかったな」

「はっ! ですが喜んでばかりもいられません。海津の城主が越後に援軍を依頼した為に、上杉軍が善光寺に出て来ました。使者の返事待ちですが、恐らく戦になるかと」

「な、なにーー!! う、上杉だと」

「はっ! 越中、越後を支配する上杉家です。当主は上杉謙信を名乗っています」

「な、なにーーっ」

 名乗るのは自由だが、恐れ多くねえのかよー。

「よろしいですか」

 藤吉が、ここで真田との会話に入ってきた。

「その上杉軍ですが、我が松本軍と魚沼にて交戦状態です」

 藤吉は地図に指をさしてくれた。
 魚沼と言えば、魚沼産コシヒカリが有名だ。
 山に囲まれた、小さな平地の町だった。

「松本……?」

「ポンさんです」

「あーーそうか。松田がダーで松本がポンだったな。めんどうくせーから、ポン軍と言ってくれ」

「はっ! わかりました」

「うむ。……俺達の前に、軍神上杉謙信が立ち塞がってきたという訳か」

「はっ!! ただ、大殿に先日機動偵察陸鎧を千体増援していただきましたので、兵を失うこと無く、順調に進軍出来ています」

「わかった。ポン軍は順調なのだな。真田軍は、川中島の戦いかー」

 まさか、俺が伝説の川中島の戦いを再現するのか。
 武田軍では無く木田軍が、上杉軍と……。
 しかも、別人だとは思うが、あの上杉謙信と。
 俺は川中島の戦いは、聞いた事はあったがどこかは知らない。

 目でどのあたりかなーと、探していると。
 真田が指で示してくれた。
 長野市南部で千曲川沿いだ。
 真田軍と戸田軍が約二千で上田に駐留中で、すでに上杉軍は善光寺にいるということだ。

「ちなみに戦力は分かっているのか?」

「はっ! 上杉軍約五千。海津城に約千」

「六千対二千の戦いかー。わかった。次に、尾張大田家の状況を教えてくれ」

「はっ!」

 ここには、名古屋の加藤が来ている。

「尾張の軍は、榎本率いる美濃衆が大垣城まで進出しました。いっぽう伊勢攻めの、尾野上隊が、一号線を進軍し、桑名まで進みました。特に大きな勢力も無く、賊退治をしながらの進軍という形です」

「うむ。緊急をようするのは、真田の信濃か……。よし、俺も行こう」

「本当ですか」

 真田と戸田の顔が明るくなった。

「よし、今から行こう」

「ちょ、ちょっとまったーーー」

 すごい声が聞こえた。
 あずさ達だった。

「んっ……?」

「今から行こうじゃ無いですよ。私達のコンサートは見てくれないのですか?」

「あっ、当たり前だろ。俺はコンサート会場なんて眩しい場所は、最初から行く気は無いぞ」

「えーーーーーーっ!!!」

 すごい、でかい「えーっ」だった。
 それもそのはず、あずさやヒマリだけで無く、忍者のおねーさんや今川まで驚いている。

「なんで、忍者隊の皆さんまで驚いているのですか?」

「私達は、SRG48というアイドルもやっていますから」

 な、なにーーっ!
 SRGって、SURUGAってことか。
 どっかのアイドルのパクりじゃねえのか。
 まあ、良いのか、あのアイドルもとっくに全部死んじまってるだろうしな。

「たっ、大変です」

 美術館の玄関から、伊達家の兵士が飛び込んできた。

「ひ、控えろ!! 大殿の御前だーー!!」

 独眼竜が、怒りをあらわにした。

「はっ!!」

 兵士はヒザをつき頭を下げた。
 だが、少しもひるむことはなかった。
 それだけ重要な事なのだろう。

「何事だ!」

「申し上げます。ポンさんと上杉謙信様がお越しになりました」

 はぁーーーっ!!
 なんだってーー。
 いったい何事なんだー?
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