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第481章『種馬』
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第481章『種馬』
「ボスにも誰にも言ってなかったんですが……私、実は黒川総監とお付き合いしていたんです。ボスの御命令で大和を離れる時に、任務なんだと自分に言い聞かせて彼の傍を離れましたが、やっぱり忘れられないんです。ボス、私……大和に、帰りたいです」
ウォルコットの執務室で話を聞かされ、派遣については決定だが個人的な事と養子の件についてはよく考えろ、そう言われて国防総省を出て、ウォルコットの部屋付き士官に送られて事務所へと帰って来た。それを出迎えてくれたのはマクギャレット、その彼女の告白にタカコは何の反応も出来ず、それを不審に思ったマクギャレットが数度呼び掛けた後に
「ああ……分かった。そう、か……タツさんとお前が……うん、分かった。少し、考えさせてくれるか」
と、焦点の定まらない目付きでそう呟き、ヤスコとトルゴに纏わりつかれながら自室へと上がって行く。
「お前……マジで言ったのか?」
「言ったけど。何か問題が?」
「いや……ボス、何か魂抜けてたぞ」
「おい、それってもしかしてツルガもクロカワさんもどっちもって思ってたって事か」
「心二つか……あの人、そんな器用な人だっけ」
タカコとウォルコットとの間でどんな話が為されたのかは知らない部下達、帰って来た時点で既に彼女の脳の処理能力は限界に近かったという事が分かる筈も無い。黒川の方はともかくとしてもタカコの方には彼に対しての特別な感情は無いという事も確信は出来ず、事務所で様子を窺っていた面々がぞろぞろと廊下へと出て来て、タカコが昇って行った階段を見た後に周囲と顔を見合わせて頷き合い、普段はあまり立ち入る事の無い三階へと向かい、静かに階段を昇り始めた。
タカコの方はと言えば部下達がついて来ている事にも気付かず、自室へと入り制服を脱ぎそれをネクタイと共にハンガーへと掛けると、シャツのボタンを一つ二つ外しながらベッドへと寝転がる。それと同時に覆い被さり顔をべろべろと舐めてくるヤスコとトルゴの鬱陶しさも今は意識の外で、今日一日の出来事を脳内で反芻する。
一人で決断するにはあまりにも大きく重く厄介な事、それを外堀が完全に埋められてから投げて寄越され判断しろと言われ、精神的に疲れ果てて帰宅した。少し横になって休み起きてから考え決断しようと思っていたのに、そんなところに可愛い有能な部下が大和人に想いを寄せしかもそれが通じ合っていたらしいと聞かされれば、意識が何処かへと飛んで行くのも無理は無いだろう。
「で……どうするんだ、私は」
派遣は既に決定事項だと、ウォルコットはそう言っていた、それを一司令官に過ぎない自分が今更覆す事は不可能だろう。だとすれば内心はどうであれ命令に従い赴任するしか無いが、合同教導団のアドバイザーというポストであれば、大和側の団長が誰になるかは知らないが、順当にいけば黒川か副長、その辺りになる筈だが、その彼等と顔を合わせないでいられる筈が無い。旧教導隊をそのまま新体制へと移行するのであれば、メンバーとして選抜されていた敦賀とも顔を合わせる事になるだろう。
副長の心の内は手紙で十二分に伝わったし、それであれば大和へと戻る事に何の障害も無いと言って良いのだろうが、それでも、『平凡な幸せ』というものを自分が敦賀に与えられないという事実に変わりは無く、それを一番に望んでいた副長の親心を考えれば素直にそれに乗る事も出来ない。何より、自分自身がその事に関して敦賀に対しての負い目を感じているという事実が、タカコの心に重く圧し掛かっていた。
それだけでも意識に過度の負担が掛かり全てを投げ捨ててしまいたくなると言うのに、それに加えてマクギャレットと黒川とは、と、思わず何とも表現のし様の無い呻き声を上げながらもぞもぞと動き、穿いていたストッキングを脱ぎくしゃくしゃと丸めて床へと放り投げる。自分の事であれば赴任自体を適当且つ尤もらしい理由を作り出して逃げようかとも思っていたが、普段は命令に忠実であまり内心を吐き出す事も無い彼女が、黒川の傍にいたいから大和に戻りたいと言い出すのであれば、流石にそれを無視してワシントンへと留まる事に躊躇してしまう。
赴任は既に発令されたも同じ、部下は恋人をあの国へと残して来て、そして恋人の傍に戻る事を無望んでいる。上官として友人として、任務や命令がそれに沿う事が出来ないのならともかくとして、個人的感情だけでその想いを無碍にして良い理由は無いだろう。
そう考えれば、本意不本意に関わらず、答えはもう決まっている様なものだった。
「でもちょっと待って、タツさんと私が関係を終わらせたのが四月位だったでしょ、で、五月の末には離脱してたんだから、正味一ヶ月ちょい?え?その短い間にあの二人くっついてアレやコレや有ったって事?幾ら何でもそれは無いよね、クソ忙しかったし。リーサが私に嘘吐く筈が無いし、だとしたら、まさか……私と同時進行でリーサと付き合ってたって事?」
と、そこでタカコの意識は思わぬ方向へと転がり始める。黒川の事を信用していないわけではないが、付き合いが深く長いマクギャレットよりも信用しているという事は無い。彼女が黒川と付き合っていたと言うのだから、その事に間違いは無いのだろう。そう考えれば思い当たる節が有るぞ、と、何とも不穏当な気配を纏いながらタカコはむくりと起き上がりベッドの上で胡坐を掻き、物騒な空気を察知したヤスコとトルゴはベッドから降りて床へと伏せ、主の様子を窺っている。
「そうだよ……退院してからずっと、あの種馬はリーサに身の回りの世話をやらせてたんだよそういや……着替えも面倒見させてたって言ってたし、何、そうするとシャツとかジャケットのボタン留めるのは当然として、靴下履かせたり……まさか……下着も……もしかして風呂も……」
こうなれば妄想は留まる事を知らず、そんな流れから得意の寝技に持ち込んで等という、あらぬ方向へと話は転がり始める。そして、そのぶつぶつという不気味な独り言は、完全には閉められていなかった扉の隙間から漏れ出て、廊下で扉付近へと張り付いていた部下達へも凡その内容は伝わった。
「……おい、何か妙な方向に話が転がり始めたぞ」
「アリサよぉ……どうすんだ、これ」
「殺しそうになったら止めれば良いんじゃない?私が制止してお願いすれば、ボスは矛先収めるしか無くなるでしょ」
「何処から出て来るんだその自信は……」
「まぁこいつ可愛がられてるから、実際そうなんだろうけどさ。しかし、これ、大和に行ったら下手したら出会い頭で死人が出るんじゃないのか」
と、そんな遣り取りを小声で交わしていた部下達の眼前でタカコの部屋の扉が勢い良く開け放たれたのはその直後。びくりと身体を震わせる彼等の前には怒りのオーラを纏ったタカコが仁王立ちになり、ぎろり、と部下達を一睨みした彼女は、
「議長からの発令だ!Providence、大和へと再度赴任するぞ!!詳しい内容や人員の選抜は追って通達する!心の準備だけは今からしておけ!!」
と、空気が震える程に声を張り上げた。
切っ掛けはともかくとしても状況は動き始めた、その事に内心拳を握り締めつつ部下達は立ち上がり、
「了解!」
「了解です、ボス!」
そう言いながら挙手敬礼をする。その彼等を鋭い眼差しで見据えながらタカコが口にした
「あの種馬野郎……私の部下を弄びやがって……殺す」
という言葉は、万が一そんな状況になれば全力で止めるしか無いな、と、部下達にはそんな思いを抱かせた。
「あの……ボス、下半身下着だけなのはどうかと……部屋着、着てもらえませんか」
「ボスにも誰にも言ってなかったんですが……私、実は黒川総監とお付き合いしていたんです。ボスの御命令で大和を離れる時に、任務なんだと自分に言い聞かせて彼の傍を離れましたが、やっぱり忘れられないんです。ボス、私……大和に、帰りたいです」
ウォルコットの執務室で話を聞かされ、派遣については決定だが個人的な事と養子の件についてはよく考えろ、そう言われて国防総省を出て、ウォルコットの部屋付き士官に送られて事務所へと帰って来た。それを出迎えてくれたのはマクギャレット、その彼女の告白にタカコは何の反応も出来ず、それを不審に思ったマクギャレットが数度呼び掛けた後に
「ああ……分かった。そう、か……タツさんとお前が……うん、分かった。少し、考えさせてくれるか」
と、焦点の定まらない目付きでそう呟き、ヤスコとトルゴに纏わりつかれながら自室へと上がって行く。
「お前……マジで言ったのか?」
「言ったけど。何か問題が?」
「いや……ボス、何か魂抜けてたぞ」
「おい、それってもしかしてツルガもクロカワさんもどっちもって思ってたって事か」
「心二つか……あの人、そんな器用な人だっけ」
タカコとウォルコットとの間でどんな話が為されたのかは知らない部下達、帰って来た時点で既に彼女の脳の処理能力は限界に近かったという事が分かる筈も無い。黒川の方はともかくとしてもタカコの方には彼に対しての特別な感情は無いという事も確信は出来ず、事務所で様子を窺っていた面々がぞろぞろと廊下へと出て来て、タカコが昇って行った階段を見た後に周囲と顔を見合わせて頷き合い、普段はあまり立ち入る事の無い三階へと向かい、静かに階段を昇り始めた。
タカコの方はと言えば部下達がついて来ている事にも気付かず、自室へと入り制服を脱ぎそれをネクタイと共にハンガーへと掛けると、シャツのボタンを一つ二つ外しながらベッドへと寝転がる。それと同時に覆い被さり顔をべろべろと舐めてくるヤスコとトルゴの鬱陶しさも今は意識の外で、今日一日の出来事を脳内で反芻する。
一人で決断するにはあまりにも大きく重く厄介な事、それを外堀が完全に埋められてから投げて寄越され判断しろと言われ、精神的に疲れ果てて帰宅した。少し横になって休み起きてから考え決断しようと思っていたのに、そんなところに可愛い有能な部下が大和人に想いを寄せしかもそれが通じ合っていたらしいと聞かされれば、意識が何処かへと飛んで行くのも無理は無いだろう。
「で……どうするんだ、私は」
派遣は既に決定事項だと、ウォルコットはそう言っていた、それを一司令官に過ぎない自分が今更覆す事は不可能だろう。だとすれば内心はどうであれ命令に従い赴任するしか無いが、合同教導団のアドバイザーというポストであれば、大和側の団長が誰になるかは知らないが、順当にいけば黒川か副長、その辺りになる筈だが、その彼等と顔を合わせないでいられる筈が無い。旧教導隊をそのまま新体制へと移行するのであれば、メンバーとして選抜されていた敦賀とも顔を合わせる事になるだろう。
副長の心の内は手紙で十二分に伝わったし、それであれば大和へと戻る事に何の障害も無いと言って良いのだろうが、それでも、『平凡な幸せ』というものを自分が敦賀に与えられないという事実に変わりは無く、それを一番に望んでいた副長の親心を考えれば素直にそれに乗る事も出来ない。何より、自分自身がその事に関して敦賀に対しての負い目を感じているという事実が、タカコの心に重く圧し掛かっていた。
それだけでも意識に過度の負担が掛かり全てを投げ捨ててしまいたくなると言うのに、それに加えてマクギャレットと黒川とは、と、思わず何とも表現のし様の無い呻き声を上げながらもぞもぞと動き、穿いていたストッキングを脱ぎくしゃくしゃと丸めて床へと放り投げる。自分の事であれば赴任自体を適当且つ尤もらしい理由を作り出して逃げようかとも思っていたが、普段は命令に忠実であまり内心を吐き出す事も無い彼女が、黒川の傍にいたいから大和に戻りたいと言い出すのであれば、流石にそれを無視してワシントンへと留まる事に躊躇してしまう。
赴任は既に発令されたも同じ、部下は恋人をあの国へと残して来て、そして恋人の傍に戻る事を無望んでいる。上官として友人として、任務や命令がそれに沿う事が出来ないのならともかくとして、個人的感情だけでその想いを無碍にして良い理由は無いだろう。
そう考えれば、本意不本意に関わらず、答えはもう決まっている様なものだった。
「でもちょっと待って、タツさんと私が関係を終わらせたのが四月位だったでしょ、で、五月の末には離脱してたんだから、正味一ヶ月ちょい?え?その短い間にあの二人くっついてアレやコレや有ったって事?幾ら何でもそれは無いよね、クソ忙しかったし。リーサが私に嘘吐く筈が無いし、だとしたら、まさか……私と同時進行でリーサと付き合ってたって事?」
と、そこでタカコの意識は思わぬ方向へと転がり始める。黒川の事を信用していないわけではないが、付き合いが深く長いマクギャレットよりも信用しているという事は無い。彼女が黒川と付き合っていたと言うのだから、その事に間違いは無いのだろう。そう考えれば思い当たる節が有るぞ、と、何とも不穏当な気配を纏いながらタカコはむくりと起き上がりベッドの上で胡坐を掻き、物騒な空気を察知したヤスコとトルゴはベッドから降りて床へと伏せ、主の様子を窺っている。
「そうだよ……退院してからずっと、あの種馬はリーサに身の回りの世話をやらせてたんだよそういや……着替えも面倒見させてたって言ってたし、何、そうするとシャツとかジャケットのボタン留めるのは当然として、靴下履かせたり……まさか……下着も……もしかして風呂も……」
こうなれば妄想は留まる事を知らず、そんな流れから得意の寝技に持ち込んで等という、あらぬ方向へと話は転がり始める。そして、そのぶつぶつという不気味な独り言は、完全には閉められていなかった扉の隙間から漏れ出て、廊下で扉付近へと張り付いていた部下達へも凡その内容は伝わった。
「……おい、何か妙な方向に話が転がり始めたぞ」
「アリサよぉ……どうすんだ、これ」
「殺しそうになったら止めれば良いんじゃない?私が制止してお願いすれば、ボスは矛先収めるしか無くなるでしょ」
「何処から出て来るんだその自信は……」
「まぁこいつ可愛がられてるから、実際そうなんだろうけどさ。しかし、これ、大和に行ったら下手したら出会い頭で死人が出るんじゃないのか」
と、そんな遣り取りを小声で交わしていた部下達の眼前でタカコの部屋の扉が勢い良く開け放たれたのはその直後。びくりと身体を震わせる彼等の前には怒りのオーラを纏ったタカコが仁王立ちになり、ぎろり、と部下達を一睨みした彼女は、
「議長からの発令だ!Providence、大和へと再度赴任するぞ!!詳しい内容や人員の選抜は追って通達する!心の準備だけは今からしておけ!!」
と、空気が震える程に声を張り上げた。
切っ掛けはともかくとしても状況は動き始めた、その事に内心拳を握り締めつつ部下達は立ち上がり、
「了解!」
「了解です、ボス!」
そう言いながら挙手敬礼をする。その彼等を鋭い眼差しで見据えながらタカコが口にした
「あの種馬野郎……私の部下を弄びやがって……殺す」
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