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第8話 深紅の剣
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「畜生! 魔女だ。魔女の方を狙え!」
魔術師の一人がそう叫び、攻撃対象をセフィーネに変えて火球を放つ。
しかし、火球は彼女の身体に届く前に皆弾けて、消滅する。
「魔女を侮ってもらっては困るわね。私の能力は戦い向きではないけれど、自分の身を守るくらいはできるわ」
「こ、この……」
魔術師達は完全に戦意を喪失したようだ。自分たちの無力さを思い知らされたのだろう。
しかし、また新しい魔術師が一人、空から来訪する。仮面もフードも赤く、明らかに他の魔術師と違った。
「まったく、抜け駆けはよくないねぇ。帝国の魔女を見つけたんなら、俺に報告しなよ」
「……バシュル。あんたが一人で殺しを楽しみたいっていうから……」
「あいつら、俺達の攻撃が効かねえんだ。あんた、倒してくれよ」
「ああ、あんたならやれる……」
「頼むよ、バシュル」
その赤い仮面の男はバシュルと呼ばれ、どうやら魔術師たちの中でも格上の存在らしい。
「情けないねぇ。せっかく俺がフェルザーに頼んで、君たちにも力を分けてやったっていうのに…… やっぱ適合力が低い奴らはダメだね」
バシュルは嘲笑うと、アルベクの方を見据える。
「なるほど、新式の鎧殻装ね。さて、どれ程のものか」
そういうと、バシュルの胸が黒く輝き、次の瞬間には黒い炎が全身を覆し、彼もまた「変貌」した。
顔は人間の髑髏のような外殻で覆われていたが、他の魔術師と違い、全身にも白い外殻を鎧のように纏っていた。
そして、肩や背中からは、無数の白い棘が伸びており、両の手には鋭い爪が生えている。
変貌を遂げたバシュルは首を左右に振ると、他の魔術師の方に視線を移す。
「まずはこいつらで新型の力を試させてもらうよ」
そう言ったバシュルの爪の隙間から、無数の細く黒い触手が伸びる。その先端部分は鋭く尖っていた。
「バシュル、な、なにを」
「せめて、俺の役にたってきてくれ」
徐々に長さを増していく黒い触手は、一斉に魔術師達の身体に突き刺ささる。
「やめろ、やめてくれ!!」
「た、助け!!」
あたりから絶叫が聞こえたが、しばらくするとその声も納まり、低い唸り声に変わる。
まるで、本当の怪物になってしまったかのようだった。
「おまえ、何をした!」
「俺の力をさらに分けてやったんだ。これでだいぶ強くなったはずだぜ。まあ、理性も知性も吹っ飛ぶがな」
アルベクの問いに、バシュルは笑いながら答える。
「そうね、もうああなってしまっては彼らは助からない。良かったじゃない、これで殺すのを悩む必要がなくなった」
「何言ってんだセフィーネ……」
「むしろ殺すことが彼らにとっての救済よ。楽にしてあげたら?」
魔術師の一人が唸り声をあげてアルベクに飛び掛かる。
「やめろ!!」
アルベクは反射的に拳を突き出す。軽く撃ったつもりだったが、怪物と化した魔術師は数メートル吹っ飛ぶ。その衝撃で、臓器も露出していた。一撃で、息絶えたのがわかる。
(力があふれてコントロールが効かない……)
アルベクは装甲が自身の筋力を大幅に強化しているのを感じた。感覚も鋭敏になり、反射神経も大幅に向上しているようだ。
初めての殺人はあまりにあっけないものだった。
「思った以上にやるなぁ」
仲間の死を見てもバシュルは余裕な態度を崩さず、他の魔術師達も次々アルベクへ襲い掛かってきた。
「こ、この」
(こいつらは敵だ。やってやる!)
アルベクは自分を奮い立たせ、次から次へと襲い来る敵の急所を確実に潰していく。彼が習った素手での格闘術には当身の技が多数含まれており、それは敵の弱点を的確に突き、息の根を止める技法だった。実際に人間相手に技を振るうのは、これが初めてだったが。
敵を殺す感覚、それは気持ちのいいものではなかったが、出来る限り意識せず無我夢中で攻撃を繰り出すようにした。 あっという間にあたりには潰れた死体の山が積み重なる。
気がつけば、バシュル以外の魔術師をすべて葬っていた。
「あーあ、みんな殺されちゃったね。使えない奴らだ」
バシュルは吐き捨てる。
「しょうがないねぇ、俺が直々に戦ってやるよ」
バシュルは両手を広げ、腰を低くした構えをとる。
アルベクも左拳を前、右拳を引いた格闘術の構えをする。
お互い構えの姿勢をとったまま、じりじりと間合いを詰める。
そうしてしばらく時がたつと、いきなりバシュルはもの凄いスピードでアルベクの右脚に飛びつき、そのまま押し倒そうとする。
だが、左足を後方に伸ばし、強固なバランスを取っていたアルベクは、その程度の攻撃では微動だにしなかった。レスリングが得意な格闘家とも何度もスパーした経験があったので、片足タックルの攻撃には慣れていた。
そして、自分の右足に取りついたバシュルの脳天めがけて、冷静に鉄拳を振り下ろす。
「ぐあ!!」
たまらずバシュルは脚から手を放し、後方に飛び去る。自分の腕力と脚力に自信をもっていたバシュルにとって、攻撃が通用しないのは予想外だったようだ。あまつさえ、反撃を受けるとは思ってもなかったのだろう。
「やるねぇ……体幹が強いなぁ」
頭を摩りながらも、バシュルはそれでもまだ余裕そうであった。
「素手では勝てそうにないね。しかし、俺にはこんな武器がある。装甲だってぺちゃんこに出来る武器がね」
そう言うと、バシュルの右手が発光し、武器が顕現する。棒のように長い柄を持ち、先端には人の頭ほどの大きさの丸い重りが付いていた。さらに、重りには無数の鋭い棘が生えているのが見える。まるで、巨大な戦棍《メイス》のようだった。色は彼の頭部の外殻と同じであり、同一の物質から出来ているのだろうか?
彼は重量のありそうな武器を振り上げると、アルベクめがけて、力強く振り下ろした。さすがに直撃はまずいと思い、躱す。
昔の戦争で使われていた板金鎧などはメイスなどの攻撃に対しても、かなりの防御力を発揮すると聞く。多少装甲がへこむ場合はあっても生身まで衝ダメージを受けるの事は稀だとか……
ただし、あれだけの大きさと、怪物化したバシュルの腕力が加われることを考えると、念のため避けざるを得ない。
敵の武器の威力も、この装甲の防御力も、まだまだ未知数だ。
バシュルは次から次へと攻撃を繰り出す。それに対して、アルベクは避けるので精いっぱいであった。なんとか隙を作って武器を奪うなりしようと試みたが、上手くはいかない。
「おいおい、どうした。逃げているだけじゃ勝てないよ」
「あなたにも武器があるはずよ! それを使いなさい!」
大きな声でセフィーネがそう伝えてきた。
(……武器。武器か……それなら)
大学の剣術クラブの訓練場には、かつて戦場で使われたという剣が飾ってあった。重ねが厚く、その長さは地面からアルベクの肩に届くほどの長剣だった。
武器なら、ああいう剣がいい。アルベクがそう思った瞬間、アルベクの右手が光り、装甲と同じ深紅の剣が姿を現す。
それは、屋敷にあった長剣とほぼ同じ長さ、形状で、黒の十字鍔《クロスガード》までついていた。
後方に飛びのき、バシュルとの間合いを取ると、諸手で剣を構える。
「ちっ、やっぱり君も武器を使えるのか。まあ、関係ない。叩き潰してやるよ!」
鬱陶しそうにバシュルは武器を振り下ろす。
しかし、アルベクはその攻撃を剣で巧みに受け流す。メイスの先端はアルベクの身体を逸れて地面に向かっていく。
「何っ!?」
バシュルの体勢が崩れた隙をアルベクは見逃さず、そのまま右肩から斜めに袈裟斬りにする。刃が肉体を切り裂く感触が腕に伝わると同時に、鮮血が溢れる。
「ぬぅ……畜生!」
斬撃を受けたバシュルがよろめく。だが、斬撃が思ったより浅かったのと、外殻の堅さゆえか、バシュルはなんとか倒れず踏みとどまった。
「まだだぁ。まだぁ!」
傷口を左手で叩き、気合を入れ、バシュルは武器を横に薙ぎ攻撃してきた。
(シェバーク式剣術……火槌《ひづち》!)
アルベクは剣を頭上に掲げると、迫ってくるメイスの先端が身体に届く前に柄の部分めがけて、力いっぱい刀を振り下ろす。その衝撃が柄を伝ってバシュルの腕まで響き、彼は思わずメイスを地面にとり落とす。
その瞬間をアルベクは見逃さず、胸めがけて剣を一閃させる。
「ば、馬鹿な……」
先ほどとは比較にならない大量の血が噴き出し、バシュルの身体が大きくよろめく。そして、力なく地面に仰向けに倒れ伏す。
「この俺が……こんなところで……」
仰向けになったままバシュルは悔しそうに呟く。その声は弱々しかった。
「だがまだ……フェルザーが……いる。あいつには……君も勝てないよ……ははっ……それまで、精々余生を楽しみな……」
そう言い残して、バシュルは事切れた。
魔術師の一人がそう叫び、攻撃対象をセフィーネに変えて火球を放つ。
しかし、火球は彼女の身体に届く前に皆弾けて、消滅する。
「魔女を侮ってもらっては困るわね。私の能力は戦い向きではないけれど、自分の身を守るくらいはできるわ」
「こ、この……」
魔術師達は完全に戦意を喪失したようだ。自分たちの無力さを思い知らされたのだろう。
しかし、また新しい魔術師が一人、空から来訪する。仮面もフードも赤く、明らかに他の魔術師と違った。
「まったく、抜け駆けはよくないねぇ。帝国の魔女を見つけたんなら、俺に報告しなよ」
「……バシュル。あんたが一人で殺しを楽しみたいっていうから……」
「あいつら、俺達の攻撃が効かねえんだ。あんた、倒してくれよ」
「ああ、あんたならやれる……」
「頼むよ、バシュル」
その赤い仮面の男はバシュルと呼ばれ、どうやら魔術師たちの中でも格上の存在らしい。
「情けないねぇ。せっかく俺がフェルザーに頼んで、君たちにも力を分けてやったっていうのに…… やっぱ適合力が低い奴らはダメだね」
バシュルは嘲笑うと、アルベクの方を見据える。
「なるほど、新式の鎧殻装ね。さて、どれ程のものか」
そういうと、バシュルの胸が黒く輝き、次の瞬間には黒い炎が全身を覆し、彼もまた「変貌」した。
顔は人間の髑髏のような外殻で覆われていたが、他の魔術師と違い、全身にも白い外殻を鎧のように纏っていた。
そして、肩や背中からは、無数の白い棘が伸びており、両の手には鋭い爪が生えている。
変貌を遂げたバシュルは首を左右に振ると、他の魔術師の方に視線を移す。
「まずはこいつらで新型の力を試させてもらうよ」
そう言ったバシュルの爪の隙間から、無数の細く黒い触手が伸びる。その先端部分は鋭く尖っていた。
「バシュル、な、なにを」
「せめて、俺の役にたってきてくれ」
徐々に長さを増していく黒い触手は、一斉に魔術師達の身体に突き刺ささる。
「やめろ、やめてくれ!!」
「た、助け!!」
あたりから絶叫が聞こえたが、しばらくするとその声も納まり、低い唸り声に変わる。
まるで、本当の怪物になってしまったかのようだった。
「おまえ、何をした!」
「俺の力をさらに分けてやったんだ。これでだいぶ強くなったはずだぜ。まあ、理性も知性も吹っ飛ぶがな」
アルベクの問いに、バシュルは笑いながら答える。
「そうね、もうああなってしまっては彼らは助からない。良かったじゃない、これで殺すのを悩む必要がなくなった」
「何言ってんだセフィーネ……」
「むしろ殺すことが彼らにとっての救済よ。楽にしてあげたら?」
魔術師の一人が唸り声をあげてアルベクに飛び掛かる。
「やめろ!!」
アルベクは反射的に拳を突き出す。軽く撃ったつもりだったが、怪物と化した魔術師は数メートル吹っ飛ぶ。その衝撃で、臓器も露出していた。一撃で、息絶えたのがわかる。
(力があふれてコントロールが効かない……)
アルベクは装甲が自身の筋力を大幅に強化しているのを感じた。感覚も鋭敏になり、反射神経も大幅に向上しているようだ。
初めての殺人はあまりにあっけないものだった。
「思った以上にやるなぁ」
仲間の死を見てもバシュルは余裕な態度を崩さず、他の魔術師達も次々アルベクへ襲い掛かってきた。
「こ、この」
(こいつらは敵だ。やってやる!)
アルベクは自分を奮い立たせ、次から次へと襲い来る敵の急所を確実に潰していく。彼が習った素手での格闘術には当身の技が多数含まれており、それは敵の弱点を的確に突き、息の根を止める技法だった。実際に人間相手に技を振るうのは、これが初めてだったが。
敵を殺す感覚、それは気持ちのいいものではなかったが、出来る限り意識せず無我夢中で攻撃を繰り出すようにした。 あっという間にあたりには潰れた死体の山が積み重なる。
気がつけば、バシュル以外の魔術師をすべて葬っていた。
「あーあ、みんな殺されちゃったね。使えない奴らだ」
バシュルは吐き捨てる。
「しょうがないねぇ、俺が直々に戦ってやるよ」
バシュルは両手を広げ、腰を低くした構えをとる。
アルベクも左拳を前、右拳を引いた格闘術の構えをする。
お互い構えの姿勢をとったまま、じりじりと間合いを詰める。
そうしてしばらく時がたつと、いきなりバシュルはもの凄いスピードでアルベクの右脚に飛びつき、そのまま押し倒そうとする。
だが、左足を後方に伸ばし、強固なバランスを取っていたアルベクは、その程度の攻撃では微動だにしなかった。レスリングが得意な格闘家とも何度もスパーした経験があったので、片足タックルの攻撃には慣れていた。
そして、自分の右足に取りついたバシュルの脳天めがけて、冷静に鉄拳を振り下ろす。
「ぐあ!!」
たまらずバシュルは脚から手を放し、後方に飛び去る。自分の腕力と脚力に自信をもっていたバシュルにとって、攻撃が通用しないのは予想外だったようだ。あまつさえ、反撃を受けるとは思ってもなかったのだろう。
「やるねぇ……体幹が強いなぁ」
頭を摩りながらも、バシュルはそれでもまだ余裕そうであった。
「素手では勝てそうにないね。しかし、俺にはこんな武器がある。装甲だってぺちゃんこに出来る武器がね」
そう言うと、バシュルの右手が発光し、武器が顕現する。棒のように長い柄を持ち、先端には人の頭ほどの大きさの丸い重りが付いていた。さらに、重りには無数の鋭い棘が生えているのが見える。まるで、巨大な戦棍《メイス》のようだった。色は彼の頭部の外殻と同じであり、同一の物質から出来ているのだろうか?
彼は重量のありそうな武器を振り上げると、アルベクめがけて、力強く振り下ろした。さすがに直撃はまずいと思い、躱す。
昔の戦争で使われていた板金鎧などはメイスなどの攻撃に対しても、かなりの防御力を発揮すると聞く。多少装甲がへこむ場合はあっても生身まで衝ダメージを受けるの事は稀だとか……
ただし、あれだけの大きさと、怪物化したバシュルの腕力が加われることを考えると、念のため避けざるを得ない。
敵の武器の威力も、この装甲の防御力も、まだまだ未知数だ。
バシュルは次から次へと攻撃を繰り出す。それに対して、アルベクは避けるので精いっぱいであった。なんとか隙を作って武器を奪うなりしようと試みたが、上手くはいかない。
「おいおい、どうした。逃げているだけじゃ勝てないよ」
「あなたにも武器があるはずよ! それを使いなさい!」
大きな声でセフィーネがそう伝えてきた。
(……武器。武器か……それなら)
大学の剣術クラブの訓練場には、かつて戦場で使われたという剣が飾ってあった。重ねが厚く、その長さは地面からアルベクの肩に届くほどの長剣だった。
武器なら、ああいう剣がいい。アルベクがそう思った瞬間、アルベクの右手が光り、装甲と同じ深紅の剣が姿を現す。
それは、屋敷にあった長剣とほぼ同じ長さ、形状で、黒の十字鍔《クロスガード》までついていた。
後方に飛びのき、バシュルとの間合いを取ると、諸手で剣を構える。
「ちっ、やっぱり君も武器を使えるのか。まあ、関係ない。叩き潰してやるよ!」
鬱陶しそうにバシュルは武器を振り下ろす。
しかし、アルベクはその攻撃を剣で巧みに受け流す。メイスの先端はアルベクの身体を逸れて地面に向かっていく。
「何っ!?」
バシュルの体勢が崩れた隙をアルベクは見逃さず、そのまま右肩から斜めに袈裟斬りにする。刃が肉体を切り裂く感触が腕に伝わると同時に、鮮血が溢れる。
「ぬぅ……畜生!」
斬撃を受けたバシュルがよろめく。だが、斬撃が思ったより浅かったのと、外殻の堅さゆえか、バシュルはなんとか倒れず踏みとどまった。
「まだだぁ。まだぁ!」
傷口を左手で叩き、気合を入れ、バシュルは武器を横に薙ぎ攻撃してきた。
(シェバーク式剣術……火槌《ひづち》!)
アルベクは剣を頭上に掲げると、迫ってくるメイスの先端が身体に届く前に柄の部分めがけて、力いっぱい刀を振り下ろす。その衝撃が柄を伝ってバシュルの腕まで響き、彼は思わずメイスを地面にとり落とす。
その瞬間をアルベクは見逃さず、胸めがけて剣を一閃させる。
「ば、馬鹿な……」
先ほどとは比較にならない大量の血が噴き出し、バシュルの身体が大きくよろめく。そして、力なく地面に仰向けに倒れ伏す。
「この俺が……こんなところで……」
仰向けになったままバシュルは悔しそうに呟く。その声は弱々しかった。
「だがまだ……フェルザーが……いる。あいつには……君も勝てないよ……ははっ……それまで、精々余生を楽しみな……」
そう言い残して、バシュルは事切れた。
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