ひらひらのあつまり

獅子倉 八鹿

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初めて

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 このドキドキをどう伝えたら良いだろうか。

 初めてのデート。遊園地で待ち合わせだ。私は約束の時間より随分前に目的地に到着していた。

 あれでもないこれでもないと考え、やっと決めた服。彼は気に入ってくれるだろうか。雑誌を見て研究したデートプラン。彼は気に入ってくれるだろうか。
 彼はどんな服装で来るだろうか。いつも制服で会うから想像がつかない。


 彼は。彼は。彼は。


 入り口まで聞こえる賑やかな音楽など関係ない。彼のことしか頭にない。
 彼の事しか考えられない。脳内が彼で埋まっていく。


 彼は、彼は、彼は。


「お待たせ」
 ついに幻聴まで聞こえてきたのだろうか。そう疑ってしまったが違った。彼が、私の目の前に立っていた。
 カジュアルな服だ。明るい雰囲気の彼によく似合う。

「待った?」
「大丈夫、そんなに待っていない」
 実は20分前から待っていました、なんて言葉が言える訳がない。

「じゃあ行こうか」
 そう言って手を差し伸べる君。これは、もしかして、手を繋ごうという誘いなのだろうか。いや待つんだ自分。急いては事を仕損じる。ここは様子を見よう。

「あっ、ごめん!急すぎたよね……」
 彼は苦笑している。なんてことだ、逆に仕損じた! 私は慌てて首を横に振る。
「謝らなくていい、ただ、意図が分からなくて……」
 素直にそたい言うと、彼は笑った。
 その笑顔が見れただけで、私は幸せだ。幸せ者だ。
「手、繋ごうか」
 しかし、彼からの提案は予想外だ。本当ならば、デートの中盤頃に私から提案しようとしていたのに。少し予定が狂う。しかし、それすらも愛おしい。
「なるほど、喜んで」
 私はそう言うと、手を差し伸べた。

 これから、どんな楽しいことがあるのだろうか。
 これから、どれくらいの幸せを感じられるのだろうか。
 これから、どれくらい彼の笑顔が見れるだろうか。

 私達は、ゆっくりと入場門に向かった。

--------キリトリ線--------
次のお話とペアになっています。
よければ次のお話も読んで頂ければ幸いです。
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