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2ー3:ユニゾンハートは止まらない
◇76 凶悪過ぎるスキル
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「なるほどな。それがお前のもう一つのスキルか」
「うん、あんなスキルだったなんて、知らなかったよ」
ベンチに座り、アキラは溜息を付いた。
【ユニゾンハート】というスキル。初めて使ったのだが、あそこまで強いとは思わなかった。
むしろ、如何強いのかは傍から見ても分からない。
それでも、アキラ自身は分かっていた。
「ねぇねぇ、どんなスキルなのー?」
「えっとね、確か……あれ?」
私はスキルを改めて確認しようとした。
Nightとフェルノにも見せてあげようと思ったんだ。
だけど、私がメニューを開き、ステータスを開いた。
そこでスキル欄を確認しようとするも、何故か、【ユニゾンハート】だけが再び読めない。
固有スキル:【ユニゾンハート】
条件:unknown
説明:unknown
「読めなくなってる……」
「「はい!?」」
私にだけ伝わって、二人には決して伝わらない。
そのせいか、説明のしようもない。
一体全体どうなってるの? 私は首を捻るが、Nightは気を取り直す。
「あー、こほん。よく分かった。お前の二つ目のスキル、それは極めて厳しい条件付きスキルってことだ」
「条件付きスキル?」
「そうだ。スキルの中には、“条件”が含まれている。その中でも、特に記載の無い、プレイヤー自身で見つけなければ仕様すらできない、条件付きスキルが存在している。お前の二つ目の固有スキルは、まさにそれに該当するな」
「へ、へー」
Nightに淡々説明されてしまったとは言え、納得はできない。いや、したくない。
肝心の条件もあやふやで、私は茫然とする。
それでも、必死に思い返してみると、私はポツリ呟いた。
「もしかして、意識を失ったから?」
「やっぱりお前、あの瞬間……」
「意識なかったの!? ヤバいじゃんかー」
「う、うん。でも大丈夫だったよ?」
私は意識を失いかけていた。
深層心理の世界に意識が消えると、スキルが答えてくれた。
モノクロちゃんの言葉が過ったけど、多分それがトリガーじゃない。
問題は、スキルがどんな条件で使えたのかじゃなくて、スキルがどうしてあれだけ危険なのかだ。
「今考えるべきは、スキルがどうしてあんなに強力だったのかだよ」
「協力というより、凶悪だな」
「ううっ……それは言わないでよ」
確かに強力を通り越して、凶悪そのものだった。
私のことを見ていた人達が《合成獣》とか言って、恐れ戦いていた。
完全に化物扱いで、私はそれなりに傷付いた。
「どうして、どうしてみんな……」
「アキラ、お前共鳴体質じゃないのか?」
「な、なにそれ?」
Nightは思い付いた言葉を呟く。
もちろん私に分かる筈もない。
ポケーッと聞いていると、Nightは簡単に説明する。
「驚いたな、まさか本当にいるなんて」
「ん?」
「共鳴現象は、百万人に一人の割合と言われる、特異的な体質だ。先天的なもので、他者とやAIとの共鳴を可能にする。これが使える人間は、それだけ精神・身体能力が直接に伝わり、より高い効果を発揮する。それも相まって、普段なら滅多に起こらない、メンタルブレイクまで起きたんだろうな」
「メンタルブレイクって?」
もう一つ新しい言葉が出て来る。
一体なんのことかな? 私はポカンとすると、Nightはマジかな顔になる。
「お前、HPの下のバー、なんだと思っていたんだ?」
「えっ、MPでしょ? マジックポイント」
「この世界に、マジックポイントは存在しない。アレは、メンタルポイント。つまり、精神指数を表すものだ」
「め、メンタルポイント?」
今まで全然気にも留めて来なかった。
確かに、MPが消費されることは全然無かった。
なのに、リボルグさん達はHPよりもMPの方が先に減っていた。
しかも私の攻撃の直後で、魔法なんて使う素振りも無かった。
「メンタルポイントは、その人間の精神を数字化したものだ。基本的に、MPは例外成長しない。それに加えて、MPは恐怖を感じたり・強い精神エネルギー・共鳴者による精神攻撃を受けることで減少する」
「共鳴者って、私のこと?」
「そうだ。プレイヤー・NPCにのみ適応されるもので、モンスターには存在しない。完全にPvP用の項目だが、この数字が〇になることでメンタルブレイクと呼ばれる状態になる」
「メンタルブレイク……なんだか嫌な響きだね」
「まあな。メンタルブレイクされた相手は、精神を粉々に破壊される」
「ん?」
「粉々に破壊され、精神が砕け散る。すると簡単に言えば、心に隙間を感じたり、うつ状態、最悪の場合廃人になる例もある。それだけ今のVRゲームは肉体や精神に影響を及ぼす証拠だ」
サラッとヤバいことを口にしていた。
それじゃあ私のせいで、リボルグさん達は……考えれば考える程、顔色が悪くなる。
青から紫になると、次第に白っぽくなった気持ちだ。
「それじゃあ私のせいで……」
「お前のせいじゃない。共鳴者は既に認知されていて、論文上でも法律上でも罪には問われない。それは個人の特有の個性だ。むしろ、メンタル部励起されることによって生じるものは、悪いものだけじゃない。直接相手の精神を叩くんだ。真逆の状態、ローでは無くハイにすることも可能。どう転ぶかは、共鳴者とメンタルブレイクされた個人の問題だ。お前が気にすることじゃない」
「で、でも……」
そうは言っても、もし私のせいでリボルグさん達になにかあったらと思うと、気が気じゃない。
人差し指を付けたり離したりするも、フェルノは私の手を掴む。
キラキラした瞳で私のことを見つめると、腕をブンブン振り回す。
「凄いね、アキラ! やっぱりアキラって強いよ」
「フェルノ」
「ずーッと言ってたでしょ? アキラってさ、強いし凄いって。だって、自分よりも体の大きな人でもKOしちゃうくらいだもんねー」
「それ、ゲームの話か?」
「ううん、現実!」
「フェルノ、それは言わないでよ。私だって、悪気があった訳じゃないんだから……」
あー、思いだしたくもない私の黒歴史を晒さないでよ。
私は恥ずかしさのあまり小さくなるも、まるで気にしないフェルノに救われる。
ニコッとした笑みもあるが、何よりも手が温かい。
「それより私が気になるのは、どうしてNightのスキルが使えたのかだよ!」
「そうだな。私もそれが気になる」
「えっ、ちょ、そんないっぺんに言わないでよ」
「どうして私の「Nightのスキルが使えたの?」たんだ!」
私は一つ山と谷を超えたのに、もう一つに差し掛かる。
このままじゃ質問攻めだ。
何も答えを持っていない私はてんでさっぱりな中、二人に問われた。
「うん、あんなスキルだったなんて、知らなかったよ」
ベンチに座り、アキラは溜息を付いた。
【ユニゾンハート】というスキル。初めて使ったのだが、あそこまで強いとは思わなかった。
むしろ、如何強いのかは傍から見ても分からない。
それでも、アキラ自身は分かっていた。
「ねぇねぇ、どんなスキルなのー?」
「えっとね、確か……あれ?」
私はスキルを改めて確認しようとした。
Nightとフェルノにも見せてあげようと思ったんだ。
だけど、私がメニューを開き、ステータスを開いた。
そこでスキル欄を確認しようとするも、何故か、【ユニゾンハート】だけが再び読めない。
固有スキル:【ユニゾンハート】
条件:unknown
説明:unknown
「読めなくなってる……」
「「はい!?」」
私にだけ伝わって、二人には決して伝わらない。
そのせいか、説明のしようもない。
一体全体どうなってるの? 私は首を捻るが、Nightは気を取り直す。
「あー、こほん。よく分かった。お前の二つ目のスキル、それは極めて厳しい条件付きスキルってことだ」
「条件付きスキル?」
「そうだ。スキルの中には、“条件”が含まれている。その中でも、特に記載の無い、プレイヤー自身で見つけなければ仕様すらできない、条件付きスキルが存在している。お前の二つ目の固有スキルは、まさにそれに該当するな」
「へ、へー」
Nightに淡々説明されてしまったとは言え、納得はできない。いや、したくない。
肝心の条件もあやふやで、私は茫然とする。
それでも、必死に思い返してみると、私はポツリ呟いた。
「もしかして、意識を失ったから?」
「やっぱりお前、あの瞬間……」
「意識なかったの!? ヤバいじゃんかー」
「う、うん。でも大丈夫だったよ?」
私は意識を失いかけていた。
深層心理の世界に意識が消えると、スキルが答えてくれた。
モノクロちゃんの言葉が過ったけど、多分それがトリガーじゃない。
問題は、スキルがどんな条件で使えたのかじゃなくて、スキルがどうしてあれだけ危険なのかだ。
「今考えるべきは、スキルがどうしてあんなに強力だったのかだよ」
「協力というより、凶悪だな」
「ううっ……それは言わないでよ」
確かに強力を通り越して、凶悪そのものだった。
私のことを見ていた人達が《合成獣》とか言って、恐れ戦いていた。
完全に化物扱いで、私はそれなりに傷付いた。
「どうして、どうしてみんな……」
「アキラ、お前共鳴体質じゃないのか?」
「な、なにそれ?」
Nightは思い付いた言葉を呟く。
もちろん私に分かる筈もない。
ポケーッと聞いていると、Nightは簡単に説明する。
「驚いたな、まさか本当にいるなんて」
「ん?」
「共鳴現象は、百万人に一人の割合と言われる、特異的な体質だ。先天的なもので、他者とやAIとの共鳴を可能にする。これが使える人間は、それだけ精神・身体能力が直接に伝わり、より高い効果を発揮する。それも相まって、普段なら滅多に起こらない、メンタルブレイクまで起きたんだろうな」
「メンタルブレイクって?」
もう一つ新しい言葉が出て来る。
一体なんのことかな? 私はポカンとすると、Nightはマジかな顔になる。
「お前、HPの下のバー、なんだと思っていたんだ?」
「えっ、MPでしょ? マジックポイント」
「この世界に、マジックポイントは存在しない。アレは、メンタルポイント。つまり、精神指数を表すものだ」
「め、メンタルポイント?」
今まで全然気にも留めて来なかった。
確かに、MPが消費されることは全然無かった。
なのに、リボルグさん達はHPよりもMPの方が先に減っていた。
しかも私の攻撃の直後で、魔法なんて使う素振りも無かった。
「メンタルポイントは、その人間の精神を数字化したものだ。基本的に、MPは例外成長しない。それに加えて、MPは恐怖を感じたり・強い精神エネルギー・共鳴者による精神攻撃を受けることで減少する」
「共鳴者って、私のこと?」
「そうだ。プレイヤー・NPCにのみ適応されるもので、モンスターには存在しない。完全にPvP用の項目だが、この数字が〇になることでメンタルブレイクと呼ばれる状態になる」
「メンタルブレイク……なんだか嫌な響きだね」
「まあな。メンタルブレイクされた相手は、精神を粉々に破壊される」
「ん?」
「粉々に破壊され、精神が砕け散る。すると簡単に言えば、心に隙間を感じたり、うつ状態、最悪の場合廃人になる例もある。それだけ今のVRゲームは肉体や精神に影響を及ぼす証拠だ」
サラッとヤバいことを口にしていた。
それじゃあ私のせいで、リボルグさん達は……考えれば考える程、顔色が悪くなる。
青から紫になると、次第に白っぽくなった気持ちだ。
「それじゃあ私のせいで……」
「お前のせいじゃない。共鳴者は既に認知されていて、論文上でも法律上でも罪には問われない。それは個人の特有の個性だ。むしろ、メンタル部励起されることによって生じるものは、悪いものだけじゃない。直接相手の精神を叩くんだ。真逆の状態、ローでは無くハイにすることも可能。どう転ぶかは、共鳴者とメンタルブレイクされた個人の問題だ。お前が気にすることじゃない」
「で、でも……」
そうは言っても、もし私のせいでリボルグさん達になにかあったらと思うと、気が気じゃない。
人差し指を付けたり離したりするも、フェルノは私の手を掴む。
キラキラした瞳で私のことを見つめると、腕をブンブン振り回す。
「凄いね、アキラ! やっぱりアキラって強いよ」
「フェルノ」
「ずーッと言ってたでしょ? アキラってさ、強いし凄いって。だって、自分よりも体の大きな人でもKOしちゃうくらいだもんねー」
「それ、ゲームの話か?」
「ううん、現実!」
「フェルノ、それは言わないでよ。私だって、悪気があった訳じゃないんだから……」
あー、思いだしたくもない私の黒歴史を晒さないでよ。
私は恥ずかしさのあまり小さくなるも、まるで気にしないフェルノに救われる。
ニコッとした笑みもあるが、何よりも手が温かい。
「それより私が気になるのは、どうしてNightのスキルが使えたのかだよ!」
「そうだな。私もそれが気になる」
「えっ、ちょ、そんないっぺんに言わないでよ」
「どうして私の「Nightのスキルが使えたの?」たんだ!」
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