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45話 ホップイヤー
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そこにいたのは、小さな少女。
赤みがかったピンク色の髪に、大きな瞳。頭には、小さな羽のようなものが生えていた。
僕はそれを見て、昔ホズキ師匠に見せてもらった、図鑑を思い出す。
そこにはさまざまなモンスターや、種族が載っていて、僕はそれが珍しい種族だと知っていた。
「と言うわけで改めて、ボクはミル。ミル・ホップ・シュナッタだよ。一応伯爵の爵位を持っているけど、気にしなくていいから、気軽にミルさんでいいよ」
「じゃあミルさん。僕は天月です。天月……」
「オボロナ」
「えっ!?」
あまりに早すぎて、目を丸くする。
それだけに留まらず、ミルさんはリーファを見ると、
「君はリーファ・リンドルムだよね。全部覚えてるから、心配しなくていいよ」
「す、凄いですね。よく、僕たちの名前」
「だって暇なんだもん。それに聞こえてるからかなー」
ミルさんは、手足を伸ばして子供みたいだった。
ピクピクと頭の羽が動く。
白と黒の縞模様。ウサギのようだけど、鳥のようでもあった。
自然とそれに視線が奪われてしまい、気になった僕は、ミルさんに声をかけられてしまった。
「これ気になる?」
「えっ!? は、はい。綺麗は羽だなって。もしかして、耳の一部ですか?」
ふと気になって、口から出てしまっていた。
するとミルさんは、
「凄いね。まさかボクの種族とか知ってる?」
「は、はい。その耳みたいな羽が、特徴的な種族は、ホップイヤーですよね?」
「ホップイヤー? 飛びウサギ族の、ホップイヤーですか?」
「うん。あの耳みたいな羽が、何よりも証拠だよ。いや、羽みたいな耳なのかな?」
正直、ウサギかと言われれば審議が入る。
それこそ、ミルさんには人間の耳みたいなものが、ちゃんと生えていたんだ。
「まあそうだね。ボクは君たちの言う通り、ホップイヤーだよ」
「やっぱり」
「では、その頭の羽は?」
「それは退化して残っちゃった感覚器官かな。これを使えば、虫の羽みたいに、細かい振動を起こして、触覚の役割を果たして、周囲の音をキャッチできるんだよ。超音波とかね」
ミルさんは楽しそうだった。
子供みたいな愉快な話し方をするのに、その態度もそうだ。だけど、少し大人びたところが、何とも感慨深い。
別に変な目では見ていないんだけど、絶賛した僕に対して、リーファさんの目が辛辣だったのが気になる。
「あ、あのリーファさん?」
「なんですか?」
「目、怖いんだけど」
「気のせいです。それにエルフだって、負けていませんよ。私は弓は得意ではありませんが、剣の腕では、負ける気はありません」
「そ、そっか。あはは」
僕は圧力に負けてしまった。
冷や汗がこめかみから、ポタポタと零れ落ちるのを見て、ミルさんは愉快な様子で口元を覆う。
「あ、あのミルさん。そろそろ本題に入ってもらえますか? 僕たちをここに呼んだの、単に顔を見たいからじゃないですよね」
「う、うん。君は勘がいいね」
「ありがとうございます」
褒められた? 素直にそうとっていいのかな。
正直半信半疑だったが、ミルさんは雰囲気を改めて、張り詰めた空気を出しながら、僕たちに一枚の紙を提示した。
「これを君たちには見てもらいたいんだよ」
「これは……」
「依頼書ですね」
リーファさんの言う通り。これは、依頼書。
だけど妙なのは、指定されていた名前。
それは、僕とリーファさんの名前だった。
赤みがかったピンク色の髪に、大きな瞳。頭には、小さな羽のようなものが生えていた。
僕はそれを見て、昔ホズキ師匠に見せてもらった、図鑑を思い出す。
そこにはさまざまなモンスターや、種族が載っていて、僕はそれが珍しい種族だと知っていた。
「と言うわけで改めて、ボクはミル。ミル・ホップ・シュナッタだよ。一応伯爵の爵位を持っているけど、気にしなくていいから、気軽にミルさんでいいよ」
「じゃあミルさん。僕は天月です。天月……」
「オボロナ」
「えっ!?」
あまりに早すぎて、目を丸くする。
それだけに留まらず、ミルさんはリーファを見ると、
「君はリーファ・リンドルムだよね。全部覚えてるから、心配しなくていいよ」
「す、凄いですね。よく、僕たちの名前」
「だって暇なんだもん。それに聞こえてるからかなー」
ミルさんは、手足を伸ばして子供みたいだった。
ピクピクと頭の羽が動く。
白と黒の縞模様。ウサギのようだけど、鳥のようでもあった。
自然とそれに視線が奪われてしまい、気になった僕は、ミルさんに声をかけられてしまった。
「これ気になる?」
「えっ!? は、はい。綺麗は羽だなって。もしかして、耳の一部ですか?」
ふと気になって、口から出てしまっていた。
するとミルさんは、
「凄いね。まさかボクの種族とか知ってる?」
「は、はい。その耳みたいな羽が、特徴的な種族は、ホップイヤーですよね?」
「ホップイヤー? 飛びウサギ族の、ホップイヤーですか?」
「うん。あの耳みたいな羽が、何よりも証拠だよ。いや、羽みたいな耳なのかな?」
正直、ウサギかと言われれば審議が入る。
それこそ、ミルさんには人間の耳みたいなものが、ちゃんと生えていたんだ。
「まあそうだね。ボクは君たちの言う通り、ホップイヤーだよ」
「やっぱり」
「では、その頭の羽は?」
「それは退化して残っちゃった感覚器官かな。これを使えば、虫の羽みたいに、細かい振動を起こして、触覚の役割を果たして、周囲の音をキャッチできるんだよ。超音波とかね」
ミルさんは楽しそうだった。
子供みたいな愉快な話し方をするのに、その態度もそうだ。だけど、少し大人びたところが、何とも感慨深い。
別に変な目では見ていないんだけど、絶賛した僕に対して、リーファさんの目が辛辣だったのが気になる。
「あ、あのリーファさん?」
「なんですか?」
「目、怖いんだけど」
「気のせいです。それにエルフだって、負けていませんよ。私は弓は得意ではありませんが、剣の腕では、負ける気はありません」
「そ、そっか。あはは」
僕は圧力に負けてしまった。
冷や汗がこめかみから、ポタポタと零れ落ちるのを見て、ミルさんは愉快な様子で口元を覆う。
「あ、あのミルさん。そろそろ本題に入ってもらえますか? 僕たちをここに呼んだの、単に顔を見たいからじゃないですよね」
「う、うん。君は勘がいいね」
「ありがとうございます」
褒められた? 素直にそうとっていいのかな。
正直半信半疑だったが、ミルさんは雰囲気を改めて、張り詰めた空気を出しながら、僕たちに一枚の紙を提示した。
「これを君たちには見てもらいたいんだよ」
「これは……」
「依頼書ですね」
リーファさんの言う通り。これは、依頼書。
だけど妙なのは、指定されていた名前。
それは、僕とリーファさんの名前だった。
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