生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう

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46話 初めての指名依頼①

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 僕とリーファさんの二人は、ソファーに座り、目の前の背の低いテーブルの上に置かれた白い紙を見て、瞬きを繰り返す。
 そこには僕たちそれぞれの名前が記され、依頼内容は、指名依頼だった。

「これって指名依頼ですか?」
「そうみたい、ですね。私、初めて見ました」
「僕もだよ。Cランク僕たちに、こんなものが来るなんて。何かの間違いなんじゃないのかな?」

 指名依頼。
 それは、冒険者の間では上位のランクの冒険者によく来る特別なものだ。

 普通冒険者、冒険者ギルドに届いた無数の依頼書の中から、自分のランクに見合うクエストを選んで、それを引き受ける。

 つまり低いランクの冒険者は、それだけ人気も知名度もなく、実力も低いままなんだ。

 そこで危険を冒してまで、難しい危険なクエストに挑むことはなく、指名依頼が来るなんてことは、そうそうない。

 しかし実力がついてくると、その信頼を聞きつけた貴族や遠くの町の人たちから、依頼がくることもある。

 それが指名依頼で、なんとなんと指名依頼は、普通のクエストに比べて、依頼料が段違いで高いんだ。

 それはつまるところ、人気が出た。信頼性が増したから。
 しかし僕たちはまだCランク。
 Cランクでも、一番下のFランクよりかは十分高い。でも、所詮は中級。極めて普通だった。

 だからこんなものが来るなんて、僕たちには信じられなかった。

「で、でもどうして!」
「依頼人の名前。聞いたことないかな?」
「依頼人ですか?」

 僕は依頼人の名前を確認した。
 聞いたことのある名前が書いてある。しかも、この間偶然知り合って、この町を支える有名な実業家だった。

「ヴェルティアさんから!?」
「もしかしてですが、ヴェルティアさんが私たちに依頼を……」
「まあそう言うことになるね。こんなこと、今までそんなになかったし、こんな多額の寄付金が送られるなんてね」

 レイダー商会お墨付き。
 どうやら僕たちの株が上がったのはそのためで、この間の騒動を見て、僕たちのことを強く信頼してくれているみたいだった。

 嬉しい。
 人に認められて、こうやって信頼してくれるのは、ありがたい話だ。

 僕みたいな、のことをそんな目で見てくれる人がいるだけで、今生きている自分が素晴らしいと思える。

「リーファさん、どうしよう?」
「私は引き受けても構いませんよ。この間は、私は何も出来ませんでしたから」

 そんなことはないんだけど。
 リーファさんは確かに、治療の腕や護衛の役目は果たしてくれた。
 しかし剣はまだ抜いたところを見たことがない。

 そこで今度こそ、剣を使うのが見られるのでは? と期待しつつ、僕たちは依頼内容には目もくれず、依頼を引き受けることにするのだった。

「そっかそっか。じゃあ期待してるよ」
「「はい」」
「いい返事だね。それじゃあ、気になる依頼のことは、直接本人から聞いてきてね」
「「えっ!?」」

 僕たちは思いもよらないことになった。
 一応依頼書を受け取りじっくり読むことにしたが、あまりに詳しくて目を回しそうになる。

 だけどせっかく書いてもらったので、読むことにすると、内容は簡略化すると、討伐依頼みたいだった。
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