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44話 ギルドマスター
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目の前の部屋には、ギルドマスター室と書かれた、プレートが貼り出されていた。
しかも彫り込まれていて、読みやすかった。
「ギルドマスター室? ってことは、ギルドマスターさんがいるんですか?」
「はい。今回はギルドマスターの独断の偏見と趣味の塊で、お二人をご案内したんです」
「な、なんだか変な話ですね」
「はい、全く変な話です」
エレナさんは呆れていた。
しかもかなり大きな声で、下手をしたら部屋の中の人に聞こえかねない。
だけどそんなこと、全く関係なしってことで、部屋の中からは、
「ねぇねぇ聞こえてるよ」
「あっ、聞こえたましたか?」
「うんうん。ボクの悪口だったね。でも、面白いからオッケー!」
オッケーなんだ。
一体どんな人が、ギルドマスターをしているんだろう。興味がある。
こんな機会は滅多にない。
それもそのはずで、〈マルシア〉の町のギルドはこの国随一の冒険者が集う町で、それを統べるギルドマスターは、全ての責任を負いかねない。
だけどそれすらものともせずに、それこそ我が物顔で、図々しくその場に居座るだけの精神。
それを誰もが認めるほどのカリスマ性。
さらには相手の心を見抜く洞察力に、全てをねじ込む力を体現した、大男。そんな噂が流れていた。
僕は冷や汗をかきそうになるものの、エレナさんは溜息混じり。
それを聞いて怪しく思うものの、エレナさんに、
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。ギルドマスターは、いい人ですから」
「そ、そうなんですか?」
「はい。では入りますよ。失礼します」
「うん、入って入って」
可愛らしくて、華奢な声が聞こえてきた。
さっきと同じ声だ。もしかして、地声なのかな?
僕とリーファさんも、エレナさんの後に続き、部屋の中に通してもらう。
するとそこにいたのは、ソファーに腰を据える少女だった。
「え、えっと」
「うん? どうしたのー? もしかして、ボクがギルドマスターで驚いた? 驚いたでしょ」
「は、はい」
「まさか、こんな小さな子がギルドマスターでしたとは、恐れ入りました」
僕とリーファさんは、驚いてその場で立ち尽くしてしまっていた。
何せそこにいたのは、僕っ子の女の子。しかも断然歳下みたいな子だったからだ。
しかし、
「あはは。そりゃそうだよね。でもボク、こう見えて百歳超えてるんだよ? そりゃあ、エルフの君よりかは歳下かもだけどね」
「そ、そうなんですか?」
僕も呆れて物も消えない。
本当に、人族以外は見た目と年齢が釣り合っていないから面白いと、深く思った。
「まあとりあえず腰でもかけてよ。でも言ってとくね、ボクがこのギルドのマスター、Sランク冒険者の、ミル・ホップ・シュナッタだよ。よろしくね」
笑顔で返す少女。
しかしその笑顔からは、考えられないほどに強烈な悪びれない威圧感と、数々の修羅場をくぐってきた証みたいなものが、見え隠れしていたのは、僕だけでなく気づいていた。
しかし何かを言えるわけもなく、僕とリーファさんは、言われるままにソファーに座ると、その威圧感はより一層強まるが、何をきっかけにか、急に解けていた。
しかも彫り込まれていて、読みやすかった。
「ギルドマスター室? ってことは、ギルドマスターさんがいるんですか?」
「はい。今回はギルドマスターの独断の偏見と趣味の塊で、お二人をご案内したんです」
「な、なんだか変な話ですね」
「はい、全く変な話です」
エレナさんは呆れていた。
しかもかなり大きな声で、下手をしたら部屋の中の人に聞こえかねない。
だけどそんなこと、全く関係なしってことで、部屋の中からは、
「ねぇねぇ聞こえてるよ」
「あっ、聞こえたましたか?」
「うんうん。ボクの悪口だったね。でも、面白いからオッケー!」
オッケーなんだ。
一体どんな人が、ギルドマスターをしているんだろう。興味がある。
こんな機会は滅多にない。
それもそのはずで、〈マルシア〉の町のギルドはこの国随一の冒険者が集う町で、それを統べるギルドマスターは、全ての責任を負いかねない。
だけどそれすらものともせずに、それこそ我が物顔で、図々しくその場に居座るだけの精神。
それを誰もが認めるほどのカリスマ性。
さらには相手の心を見抜く洞察力に、全てをねじ込む力を体現した、大男。そんな噂が流れていた。
僕は冷や汗をかきそうになるものの、エレナさんは溜息混じり。
それを聞いて怪しく思うものの、エレナさんに、
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。ギルドマスターは、いい人ですから」
「そ、そうなんですか?」
「はい。では入りますよ。失礼します」
「うん、入って入って」
可愛らしくて、華奢な声が聞こえてきた。
さっきと同じ声だ。もしかして、地声なのかな?
僕とリーファさんも、エレナさんの後に続き、部屋の中に通してもらう。
するとそこにいたのは、ソファーに腰を据える少女だった。
「え、えっと」
「うん? どうしたのー? もしかして、ボクがギルドマスターで驚いた? 驚いたでしょ」
「は、はい」
「まさか、こんな小さな子がギルドマスターでしたとは、恐れ入りました」
僕とリーファさんは、驚いてその場で立ち尽くしてしまっていた。
何せそこにいたのは、僕っ子の女の子。しかも断然歳下みたいな子だったからだ。
しかし、
「あはは。そりゃそうだよね。でもボク、こう見えて百歳超えてるんだよ? そりゃあ、エルフの君よりかは歳下かもだけどね」
「そ、そうなんですか?」
僕も呆れて物も消えない。
本当に、人族以外は見た目と年齢が釣り合っていないから面白いと、深く思った。
「まあとりあえず腰でもかけてよ。でも言ってとくね、ボクがこのギルドのマスター、Sランク冒険者の、ミル・ホップ・シュナッタだよ。よろしくね」
笑顔で返す少女。
しかしその笑顔からは、考えられないほどに強烈な悪びれない威圧感と、数々の修羅場をくぐってきた証みたいなものが、見え隠れしていたのは、僕だけでなく気づいていた。
しかし何かを言えるわけもなく、僕とリーファさんは、言われるままにソファーに座ると、その威圧感はより一層強まるが、何をきっかけにか、急に解けていた。
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