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◇48 作戦遂行(オロチコンダは倒す)
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炎が揺らめいていた。
フェルノがオロチコンダを相手取っているが、終始余裕そうで、避けてヒットアンドアウェイを続けていた。
その間で、アキラたちは工作をしていた。
「とりあえず、これを撒け」
「これって? ポリタンク?」
「いや、違うな。しかしタンクなのは間違いない。中身は、燃焼性の高い液体だ」
「それってヤバいんじゃないのかな?」
「現実ならな。こっちでも引っかかり案件だが、あの蛇を倒すにはこれしかない。とっととやるぞ」
「わ、わかった。でも、あの勢いだとフェルノ時間さえかければ一人で倒しちゃうかもしれないよ?」
「それならそれでいい。とにかく、急ぐぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
アキラとNightは時間稼ぎをしてもらっている間に、タンクの中の液体を撒いた。
上手く回り込んで、死角に入り込むと、液体を円を描くみたいにして、巻き続ける。
しかしまるで誘導するみたいに、一か所だけ、ナイフの手前だけは開けておいた。
「これを如何するの?」
「後はこの糸を引くだけだ」
「そう言えばその糸って、最初からあったけど、如何するの?」
「それは巾着とセットで使うんだ。とにかく、後はやることは決まっているな。フェルノ!」
Nightは叫んだ。
するとフェルノは余裕な声音で、戦いながら反応する。
耳を傾け、Nightは答えた。
「今から最後の証明に入る。一瞬でいい。オロチコンダの目を暗転させろ!」
「目を? 視力を奪うってことだね。了解!」
フェルノはオロチコンダの目に拳を叩きつけた。
皮を焼いて、溶かすと視力を完全に奪い去る。
これで右目は完全に潰れた。しかし左目は、掠った程度で、ほんの一瞬しか持たない。
「よし、逃げながら点火だ」
「点火? まあいいや。よっと、熱い!」
炎が上がった。
壁を築きながら、オロチコンダだけを囲い込んだ。
視力が戻った時、オロチコンダの視界は完全に炎の壁の中にある。
シュウッ —— シュゥァァァ! ——
オロチコンダは炎の中に捉われる。
熱源に囲まれ、視力も奪われ、もはや見えているのはオレンジ色の炎で作られた狭い世界だった。
しかしそれだけではない。
オロチコンダは、体を燃やしている。
「ど、如何して燃えてるの!」
「ぬめりを失ったからだ」
「ぬめり? 粘液だよね、でも如何して?」
「フェルノが焼いたからだ」
「私が? 確かにダメージは通るようになったけど」
本人が一番わかっていなかった。
しかしNightは簡単に話をする。
「いいか、あのぬめりは自分の毒素とは異なっている。この洞窟内部のものともだ。そもそもあれは、自分に対するダメージを軽減するためのもので、長いこと炎に炙られたことで、その炎が、飛ばされたんだ」
「そんなことできるの?」
「実際に証明されただろ」
「でも、それでダメージにはなるかもしれないけど、決め手には繋がらないような気がするよー?」
「だからこれだ。そりゃぁ!」
Nightは糸を引っ張った。
すると通路のようになった炎の無い部分から、ザバァーン! と音がした。
最初にガタガタと揺れる音と、一気に解き放たれた音。耳を塞いだ。
「うわぁ、オロチコンダが!」
「溶けてる。溶けてるよ! あれって水かな? なんか、最低なことしてないのかな?」
「洞窟の中に流れる毒素の水だ。あの原液を受けてみろ、オロチコンダは耐えられない。当然私たちもな」
ここで全て証明された。
しかしその結論を納得するのは、オロチコンダが息絶えて、光の粒子になってからだった。
フェルノがオロチコンダを相手取っているが、終始余裕そうで、避けてヒットアンドアウェイを続けていた。
その間で、アキラたちは工作をしていた。
「とりあえず、これを撒け」
「これって? ポリタンク?」
「いや、違うな。しかしタンクなのは間違いない。中身は、燃焼性の高い液体だ」
「それってヤバいんじゃないのかな?」
「現実ならな。こっちでも引っかかり案件だが、あの蛇を倒すにはこれしかない。とっととやるぞ」
「わ、わかった。でも、あの勢いだとフェルノ時間さえかければ一人で倒しちゃうかもしれないよ?」
「それならそれでいい。とにかく、急ぐぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
アキラとNightは時間稼ぎをしてもらっている間に、タンクの中の液体を撒いた。
上手く回り込んで、死角に入り込むと、液体を円を描くみたいにして、巻き続ける。
しかしまるで誘導するみたいに、一か所だけ、ナイフの手前だけは開けておいた。
「これを如何するの?」
「後はこの糸を引くだけだ」
「そう言えばその糸って、最初からあったけど、如何するの?」
「それは巾着とセットで使うんだ。とにかく、後はやることは決まっているな。フェルノ!」
Nightは叫んだ。
するとフェルノは余裕な声音で、戦いながら反応する。
耳を傾け、Nightは答えた。
「今から最後の証明に入る。一瞬でいい。オロチコンダの目を暗転させろ!」
「目を? 視力を奪うってことだね。了解!」
フェルノはオロチコンダの目に拳を叩きつけた。
皮を焼いて、溶かすと視力を完全に奪い去る。
これで右目は完全に潰れた。しかし左目は、掠った程度で、ほんの一瞬しか持たない。
「よし、逃げながら点火だ」
「点火? まあいいや。よっと、熱い!」
炎が上がった。
壁を築きながら、オロチコンダだけを囲い込んだ。
視力が戻った時、オロチコンダの視界は完全に炎の壁の中にある。
シュウッ —— シュゥァァァ! ——
オロチコンダは炎の中に捉われる。
熱源に囲まれ、視力も奪われ、もはや見えているのはオレンジ色の炎で作られた狭い世界だった。
しかしそれだけではない。
オロチコンダは、体を燃やしている。
「ど、如何して燃えてるの!」
「ぬめりを失ったからだ」
「ぬめり? 粘液だよね、でも如何して?」
「フェルノが焼いたからだ」
「私が? 確かにダメージは通るようになったけど」
本人が一番わかっていなかった。
しかしNightは簡単に話をする。
「いいか、あのぬめりは自分の毒素とは異なっている。この洞窟内部のものともだ。そもそもあれは、自分に対するダメージを軽減するためのもので、長いこと炎に炙られたことで、その炎が、飛ばされたんだ」
「そんなことできるの?」
「実際に証明されただろ」
「でも、それでダメージにはなるかもしれないけど、決め手には繋がらないような気がするよー?」
「だからこれだ。そりゃぁ!」
Nightは糸を引っ張った。
すると通路のようになった炎の無い部分から、ザバァーン! と音がした。
最初にガタガタと揺れる音と、一気に解き放たれた音。耳を塞いだ。
「うわぁ、オロチコンダが!」
「溶けてる。溶けてるよ! あれって水かな? なんか、最低なことしてないのかな?」
「洞窟の中に流れる毒素の水だ。あの原液を受けてみろ、オロチコンダは耐えられない。当然私たちもな」
ここで全て証明された。
しかしその結論を納得するのは、オロチコンダが息絶えて、光の粒子になってからだった。
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