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◇111 海に行こう!(ゲームの中ですが何か?)
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夏休みも終盤。
あと1,2週間となりました。
そんな中、明輝のスマホに蒼伊からメッセージが入る。
「蒼伊から? 何だろ」
スマホを開き、メッセージを読んでみるとそこには蒼伊からの意外な提案でした。
「『海に行くぞ。明日、ギルドホームに集合だ』えっ?」
珍しい。明輝は口を開けっ放しにした。
まさかこのタイミングで要望が叶うなんて。明輝や烈火は、ずっと何処かに遊びに行きたいと思っていた。
雷斬とベルは何処に住んでいるのかわからないので、誘うに誘えないのだが蒼伊の家は知っている。郊外の大きなお屋敷だ。ここからだと結構遠い。
「でもどうしてゲームの中なのかな? 絶対裏があるよね」
蒼伊の性格的に、裏があるのは確実だ。
きっと明輝の想像とは全くの逆。実際問題、蒼伊に行ってもインドアなせいで遊んでくれるかわからない。
そこで首を捻るが、とりあえず楽しみにはしておく。
ここ最近はバトルバトルで疲れちゃったからね、と明輝は笑って疲れを誤魔化した。
アキラたちは集まっていた。
ギルドホームを飛び出して向かった先は、白い砂浜で覆われた青い海だった。
もちろん島とは違う。ここはれっきとした『Creature Union』の世界だ。
「凄い、綺麗な海に砂浜だね」
「うん。現実じゃないけどね」
「あはは、それ言ったらお終いだよ」
アキラとフェルノは少しだけ残念だった。
一方のNightは至って変わらない表情だが、素肌を見せたくないのかいつもよりもマントを深く羽織っている。もう簀巻きだよ。アキラは格好を見て思った。
「確かに綺麗な場所だけど、どうして人が誰もいないのかしらね」
「確かにそうですね。この場所は近づいてはいけない場所なのでしょうか?」
「それってこの間のキングヤドカリーの時みたいだよ」
あの時は散々な目に遭った。
終わった後は笑い話だったが、フェルノとNightは汗を掻いていた。
だけどここは違うと信じたい。信じたいのはやまやまなのだが、アキラは唇を歪めた。
「Night、ここにはモンスターがいないんだよね。安全なんだよね」
「はぁ?」
Nightは武装していた。もちろんアキラたちも武装している。
格好には似合わないが、いつでも戦えるように準備していた。
この格好を指定したのはNightで、最初から嫌な予感がしていた。
「馬鹿か。ここはモンスターがいる海域だ」
「で、ですよねー」
大体予想通りだった。
しかしいつも以上にあっさりとしていて、しかもNightは何か怒っているようだ。
試しに地雷だと思うも聞いてみた。
「ねえNight。何かあったの?」
「何もない。何もなければよかったのだが……」
「どっちなのさー」
フェルノは関係なく煽った。
するとNightは溜息を吐きつつも、リアルの話を持ち出した。
「この間の旅行の時のことだ。まさかチケットを落とすなんて……」
「落としたの! Nightが……」
「私じゃない、姉さんだ。海外暮らしが長いしでチケット有無を忘れ、テンションが高いせいで私は置いてけぼりになった。兄さんと同じだ」
何だか大変そうだ。
アキラもフェルノも兄弟がいないので話には少しだけ付いて行けなかったが、大変そうなのは本当に伝わった。
何の気の迷いか、アキラに写真を送った。しかし、表情がくたびれていた。
「あはは、散々でしたね」
「全くだ。だから今日は全力で狩るぞ」
つまりイライラの発散に付き合わされていることになる。
なるほど今回アキラたちはおまけなんだと理解した。
それにしては黒いマントの下に隠してあるもの。アキラと雷斬は気が付いていた。
(はしゃいでるね)
(なるほど、どうやら人混みが苦手なだけですね)
マントの下に隠してあったのは浮き輪だった。
背中に回しているので完全に見えないけれど、Nightは楽しみにしていることは明らかになった。
あと1,2週間となりました。
そんな中、明輝のスマホに蒼伊からメッセージが入る。
「蒼伊から? 何だろ」
スマホを開き、メッセージを読んでみるとそこには蒼伊からの意外な提案でした。
「『海に行くぞ。明日、ギルドホームに集合だ』えっ?」
珍しい。明輝は口を開けっ放しにした。
まさかこのタイミングで要望が叶うなんて。明輝や烈火は、ずっと何処かに遊びに行きたいと思っていた。
雷斬とベルは何処に住んでいるのかわからないので、誘うに誘えないのだが蒼伊の家は知っている。郊外の大きなお屋敷だ。ここからだと結構遠い。
「でもどうしてゲームの中なのかな? 絶対裏があるよね」
蒼伊の性格的に、裏があるのは確実だ。
きっと明輝の想像とは全くの逆。実際問題、蒼伊に行ってもインドアなせいで遊んでくれるかわからない。
そこで首を捻るが、とりあえず楽しみにはしておく。
ここ最近はバトルバトルで疲れちゃったからね、と明輝は笑って疲れを誤魔化した。
アキラたちは集まっていた。
ギルドホームを飛び出して向かった先は、白い砂浜で覆われた青い海だった。
もちろん島とは違う。ここはれっきとした『Creature Union』の世界だ。
「凄い、綺麗な海に砂浜だね」
「うん。現実じゃないけどね」
「あはは、それ言ったらお終いだよ」
アキラとフェルノは少しだけ残念だった。
一方のNightは至って変わらない表情だが、素肌を見せたくないのかいつもよりもマントを深く羽織っている。もう簀巻きだよ。アキラは格好を見て思った。
「確かに綺麗な場所だけど、どうして人が誰もいないのかしらね」
「確かにそうですね。この場所は近づいてはいけない場所なのでしょうか?」
「それってこの間のキングヤドカリーの時みたいだよ」
あの時は散々な目に遭った。
終わった後は笑い話だったが、フェルノとNightは汗を掻いていた。
だけどここは違うと信じたい。信じたいのはやまやまなのだが、アキラは唇を歪めた。
「Night、ここにはモンスターがいないんだよね。安全なんだよね」
「はぁ?」
Nightは武装していた。もちろんアキラたちも武装している。
格好には似合わないが、いつでも戦えるように準備していた。
この格好を指定したのはNightで、最初から嫌な予感がしていた。
「馬鹿か。ここはモンスターがいる海域だ」
「で、ですよねー」
大体予想通りだった。
しかしいつも以上にあっさりとしていて、しかもNightは何か怒っているようだ。
試しに地雷だと思うも聞いてみた。
「ねえNight。何かあったの?」
「何もない。何もなければよかったのだが……」
「どっちなのさー」
フェルノは関係なく煽った。
するとNightは溜息を吐きつつも、リアルの話を持ち出した。
「この間の旅行の時のことだ。まさかチケットを落とすなんて……」
「落としたの! Nightが……」
「私じゃない、姉さんだ。海外暮らしが長いしでチケット有無を忘れ、テンションが高いせいで私は置いてけぼりになった。兄さんと同じだ」
何だか大変そうだ。
アキラもフェルノも兄弟がいないので話には少しだけ付いて行けなかったが、大変そうなのは本当に伝わった。
何の気の迷いか、アキラに写真を送った。しかし、表情がくたびれていた。
「あはは、散々でしたね」
「全くだ。だから今日は全力で狩るぞ」
つまりイライラの発散に付き合わされていることになる。
なるほど今回アキラたちはおまけなんだと理解した。
それにしては黒いマントの下に隠してあるもの。アキラと雷斬は気が付いていた。
(はしゃいでるね)
(なるほど、どうやら人混みが苦手なだけですね)
マントの下に隠してあったのは浮き輪だった。
背中に回しているので完全に見えないけれど、Nightは楽しみにしていることは明らかになった。
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