VRMMOのキメラさん〜雑魚種族を選んだ私だけど、固有スキルが「倒したモンスターの能力を奪う」だったのでいつの間にか最強に!?

水定ゆう

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◇110 ソウラの仲間たち3

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 アキラはソウラのお店にやって来ていた。
 今日も1人で、アキラは約束通り捕まえてきた虫を差し出す。
 虫かごの中でのそのそ動いていた。

「本当に捕まえてきてくれたのね!」
「あはは、何とか」

 アキラは苦笑いをしていた。
 かなり捕まえるのは苦労した。かなり雑だ。
 それにしても思うところもある。
 あれだけ破壊力を持っていたにもかかわらず、虫かごは未だに壊れていない。

「でもよかったぁー。マンティが探していた虫が見つかって」
「マンティ?」
「私たちのギルドメンバーなのよ。昆虫好きで……ちょっと待ってね」

 ソウラはお店の奥に消えてしまった。
 この奥にはピーコの工房がある。意味のわからないものがたくさん保管してあるが面白い。
 ソウラにピーコ。それからまだ会ったことがない、ケミーとマンティ。
 大学生は凄いな。色んな人がいる。

「それにしても、お店の中が狭くなってない?」
「そうだよ! 店の中は毎日毎日物が増えて大変なことになっているんだー!」
「そうなんだー……えっ!?」

 アキラはすぐさま振り返った。
 そこにいたのは、見慣れない女の子。
 アキラよりもずっと背が低く、にこにこしている。何だか楽しそうだ。

「えーっと、お客様?」
「ううん、違うよ」
「じゃあ……誰?」
「それはこっちのセリフだよ。君は誰?」

 君……その言い方だと年上だろうか?
 アキラは返す言葉に困ってしまったが、少女がNPCではなくプレイヤーであり頭から日本の触角が生えていた。
 カチューシャのようになってはいるが、明らかに昆虫系だ。

「もしかして……ここの」
「あっ、マンティ! やっとログインしたのね」

 お店の奥から声が聞こえて来た。
 そこにいたのはソウラで手には何かはこのようなものを持っている。
 とても大事な箱なようで、両手でしっかりと角を押さえていた。

「あっ! ソウラ、それ私のだよ」
「そうよマンティ。ちょっとアキラに見せてあげようと思って」
「アキラ? もしかしてヒューマンの凄腕プレイヤーのアキラ!」
「凄くはないんですけど……えーっと、マンティさん?」

 ピクピクと触覚が動いていた。
 アキラに視線を向けると、ニカッと笑って腕をクワガタのハサミのようにする。
 急なことに驚くこともできず、ブレード状の刃が襲ってきた。

「うわぁ!」

 シュン!

 アキラは唐突な攻撃にも対応し、何とかバックステップで無事にかわす。
 するとマンティは意外そうな表情を浮かべ、初めて見るアキラの動きにソウラも固まる。
 けれど一番不思議なのは、急な攻撃思想だ。

「何で急に攻撃されるんですか!」
「……驚いちゃった。まさか、こんなに素早いなんて」
「もしかして、アキラは敏捷が高いの?」
「急に素に戻らないでくださいよ。それに敏捷はそこまで高くないです。レベルも40台で敏捷は一番低いんです」

アキラは自分のステータスを軽くだが伝えた。
 すると2人は意外そうな顔をしながら、アキラに詰め寄る。
 このゲームに目立ったバグはない。もちろんプレイヤーが改竄かいざんすることなんて不可能だ。
 ファイアウォールが凄すぎてどんなハッカーでも突破できず、逆に個人情報が明るみに出てしまうらしい。いわゆる衛星特定技術だ。

「噂は本当みたいだね」
「だから噂ってなんですか!」
「ちょっとしたものよ。単なる都市伝説で、難関モンスターを討伐しまくるヒューマン一行の話」
「それって私達のことじゃないですよね?」
「そこまではわからないけど、統一感のないメンバーで変わり者揃いで近寄り難いっていう噂があるみたいね」
「変わったって……うちじゃないですか」

 何だか言い方に棘があった。特にヒューマン一行の響きが辛い。
 確かに、ギルド会館に行っても誰からも話しかけられない。
 だけどソウラ曰く「あくまでも噂」と言うことでそこまで有名でもないらしい。
 ずっとそのままでいいと思いつつ、アキラは色々聞きたいことがあったのだが置き去りになったままの日を過ごした。

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