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◇143 空気の音
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広い空間が広がっていた。
アキラは乾いた部屋の中を見て不思議に思う。
この部屋はどこかおかしい。ニオイが違うんだ。
「この部屋の中乾いているね」
「フェルノも気が付いた? 変だよね。外から密閉されていたはずなのに」
「確かにな。だが証拠はあるぞ……」
Nightは壁の壁面を触った。
壁は白い。だけど少し濁っている。真珠のような不自然な色合いを出していた。
やはりこの壁面は普通の大理石とは明らかに違う。
「この大理石みたいな壁面が気になるの?」
「これは大理石じゃない。この壁面を出せる企業はこの世に1つしかない」
Nightは訝しんだ。どうやらゲーム性に企業PRが混ざっていたからだ、
けれどそれもよくある話だ。
だけどその企業って……
「そう言えば絶対にカビが生えない乾いた石を作った企業様がありましたね。マルチに幅を広め、その結果アジア圏では知らぬものがいない。と聞いたことがあります」
「そうなの? 私知らないなー」
「何を言っているんだ。このゲームを作った会社だぞ。おまけに世界一安全なこのVRドライブもだ」
「それって……えっ!?」
このゲームを作った会社って今更だけどそんなに大きかったんだ。知らなかった。
少し前に調べた時は流し読みみたいな感覚で詳しくは調べていない。
だけどいざ思えば所狭しと広告等が立っている。
今更にはなるが本当に凄い会社なんだ。
「凄いですね。まさか企業にPRを限定的に公開するなんて」
ベルが乾いた声で思ったことを吐いた。
だけどアキラにもその気持ちはわかる。どうしてそんなものをひけらかすのか。
「まあ、ここはゲームだ。あくまでリアリティを追求するとは言え、見えているオブジェクトもその人の脳波によって常に変化する。私がそう思い込んでいるだけだろう」
「擦り込まれたものってこと?」
「そうなるな。まあそんな釈稼ぎは置いておくとして、少し考えがまとまった」
「釈稼ぎだったの!」
「もちろんだ。私は考え事があったから適当な話で流していただけに凄ない。どうせお前たちは訳がわからないからと、無暗に色々なものを触るだろ。それを止めたんだ」
色々と腑に落ちないことはあるが、納得ができることでもあった。
急に話が方向転換してどうでもいい話に舵を取ったり、それ以降Nightの口調が覇気が無くなっていた。
考え事をしている合図か何かのようで、アキラには察してやれた。
それに話の筋もおかしいと今考えてみればわかるのだが。何がわかったんだろう。
ただその前に言いたいのは、ちっちゃい子扱いはしないで欲しいとアキラはムスッとした。
「何だその面白くない顔は」
「うわぁ! めちゃくちゃ酷いこと言ったね。気にはしないけど」
「そこは気にしろ。見た目を嫌悪していじられるのは立派なハラスメントだぞ。……まあいい、とにかく考えはまとまった。この空間にはまだ先がある。しかも考古学的にな」
はい、また意味がわかりません。お手上げです。フェルノは手のひらを天井に掲げた。
完全にポイしたのが目に見え、雷斬やベルも付いていけない。
だけど何故かアキラだけは話に乗っかった。
「考古学的? もしかして壁が空洞なの?」
「よくわかったな。そうだ、叩いてみろ」
アキラはNightに言われるがまま壁をコンコンと叩いた。
すると抜けていくような軽い音が返って来る。中に何も詰まっていない証拠だ。
確かに壁としては脆い。だけど反響がないわけでもなく、何処となく仕掛けがされている節もある。
壁には気が付かないが、フェルノも何か発見した。
「ねえみんな見てよアレ!」
「どうしたのフェルノ? 明らかにアレが仕掛けだね」
フェルノは天井を見上げていた。クリスタルのようなものが天井から吊るされている。
明らかに意味ありげな雰囲気が出ており、Nightも緊張感が出てきた。
だけどまだまだ謎は深まる。深まってしまったのは、天井に方位が描かれていた。
アキラは乾いた部屋の中を見て不思議に思う。
この部屋はどこかおかしい。ニオイが違うんだ。
「この部屋の中乾いているね」
「フェルノも気が付いた? 変だよね。外から密閉されていたはずなのに」
「確かにな。だが証拠はあるぞ……」
Nightは壁の壁面を触った。
壁は白い。だけど少し濁っている。真珠のような不自然な色合いを出していた。
やはりこの壁面は普通の大理石とは明らかに違う。
「この大理石みたいな壁面が気になるの?」
「これは大理石じゃない。この壁面を出せる企業はこの世に1つしかない」
Nightは訝しんだ。どうやらゲーム性に企業PRが混ざっていたからだ、
けれどそれもよくある話だ。
だけどその企業って……
「そう言えば絶対にカビが生えない乾いた石を作った企業様がありましたね。マルチに幅を広め、その結果アジア圏では知らぬものがいない。と聞いたことがあります」
「そうなの? 私知らないなー」
「何を言っているんだ。このゲームを作った会社だぞ。おまけに世界一安全なこのVRドライブもだ」
「それって……えっ!?」
このゲームを作った会社って今更だけどそんなに大きかったんだ。知らなかった。
少し前に調べた時は流し読みみたいな感覚で詳しくは調べていない。
だけどいざ思えば所狭しと広告等が立っている。
今更にはなるが本当に凄い会社なんだ。
「凄いですね。まさか企業にPRを限定的に公開するなんて」
ベルが乾いた声で思ったことを吐いた。
だけどアキラにもその気持ちはわかる。どうしてそんなものをひけらかすのか。
「まあ、ここはゲームだ。あくまでリアリティを追求するとは言え、見えているオブジェクトもその人の脳波によって常に変化する。私がそう思い込んでいるだけだろう」
「擦り込まれたものってこと?」
「そうなるな。まあそんな釈稼ぎは置いておくとして、少し考えがまとまった」
「釈稼ぎだったの!」
「もちろんだ。私は考え事があったから適当な話で流していただけに凄ない。どうせお前たちは訳がわからないからと、無暗に色々なものを触るだろ。それを止めたんだ」
色々と腑に落ちないことはあるが、納得ができることでもあった。
急に話が方向転換してどうでもいい話に舵を取ったり、それ以降Nightの口調が覇気が無くなっていた。
考え事をしている合図か何かのようで、アキラには察してやれた。
それに話の筋もおかしいと今考えてみればわかるのだが。何がわかったんだろう。
ただその前に言いたいのは、ちっちゃい子扱いはしないで欲しいとアキラはムスッとした。
「何だその面白くない顔は」
「うわぁ! めちゃくちゃ酷いこと言ったね。気にはしないけど」
「そこは気にしろ。見た目を嫌悪していじられるのは立派なハラスメントだぞ。……まあいい、とにかく考えはまとまった。この空間にはまだ先がある。しかも考古学的にな」
はい、また意味がわかりません。お手上げです。フェルノは手のひらを天井に掲げた。
完全にポイしたのが目に見え、雷斬やベルも付いていけない。
だけど何故かアキラだけは話に乗っかった。
「考古学的? もしかして壁が空洞なの?」
「よくわかったな。そうだ、叩いてみろ」
アキラはNightに言われるがまま壁をコンコンと叩いた。
すると抜けていくような軽い音が返って来る。中に何も詰まっていない証拠だ。
確かに壁としては脆い。だけど反響がないわけでもなく、何処となく仕掛けがされている節もある。
壁には気が付かないが、フェルノも何か発見した。
「ねえみんな見てよアレ!」
「どうしたのフェルノ? 明らかにアレが仕掛けだね」
フェルノは天井を見上げていた。クリスタルのようなものが天井から吊るされている。
明らかに意味ありげな雰囲気が出ており、Nightも緊張感が出てきた。
だけどまだまだ謎は深まる。深まってしまったのは、天井に方位が描かれていた。
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