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◇159 ソウラさんの仲間たち4
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「はぅー」
アキラはカウンターに突っ伏してしまった。
全身から力が抜けて、抜け殻のようになっている。
「どうしたの、アキラ?」
アキラは声を掛けられた。それはこのお店の所有ギルドに属しているソウラだった。
いつものことながら、ソウラ以外のメンバーがお店を切り盛りしている姿がない。
自由奔放なマンティと職人気質のピーコでは難しいのだろうか? 後はもう1人……の人は知らない。
「いや、ちょっと上手く行かなくて」
「人生はそう言うものよ。これ、少しだけ人生の先輩からのメッセージ」
「でも、ソウラさん楽しそうですよ」
「マンティとは比べ物にならないわよ」
ソウラは何事もなく微笑んでいた。少しだけ元気が出る。
「それで何があったの?」
「まあ、攻略ですね」
「攻略?」
ソウラはグラスを拭きながら首を捻る。
今攻略中の古代遺跡についてはNight曰く外部に教えないようにしている。
未だに攻略もままならない古代遺跡の情報を教えても何も得策ではない。
ギルドも同じ考えだったので、少しだけ濁す。
「仕掛けってあるじゃないですか。ダンジョンによっては」
「ああ、あるわね。そう言うの、私は得意じゃないんだけど」
「その仕掛けが運営の遊び心満載で、普通にやっても解けないんです」
「どういうこと? ちょっと気になる」
「えーっとですね、例えば……」
アキラは当たり障りなく、仕掛けについて説明した。
するとソウラは首を傾げ、目をビー玉のように輝かせる一方で底がない蓋みたいになっていた。
つまり何も理解できていないのだ。
「幼稚な仕掛けなのね。でも一応ゲーム内のものがヒントになっているんでしょ?」
「そんなことないですよ」
「それは意地悪な仕掛けね。大抵の人は投げ出しちゃうわ」
現代人は苦労したくない。
それでもこのゲームがはまるのはオープンワールドで広大なファンタジー世界を自由に冒険できるからだ。
何も別にモンスターを倒さなくてもいい。友達とのコミュニケーション空間として使うもご飯を食べるも、イベントだけ参加してもいい。
とにかく自由で幅があるのが今の現代人のリラックスしたい精神にヒットし、その結果ドはまりしているわけだ。何よりも面白いのがポイントではある。
そんな世界でここまで難解で幼稚すぎる仕掛けの数々に大抵の人は呆れてしまう。
むしろ流してしまったり仕掛けを破壊してしまうかもしれない。
それは非常に困るので、ある程度の線引きがあるのかもしれない。
「うーん、じゃあ一回離れてみたら?」
「そうしてるんですけどね。ここ一週間ぐらいは各々好きにしてます」
この1週間は完全にわからなくなったので閃きまであの遺跡には近づかないことにしていた。
扉は歯車がないと開きはしない。今はアキラが所持しているので、開けようと思えば開けることはできる。
とは言え、何も思いつかないので行っても煮詰まるだけだ。そこで苦肉の策として忘れることにした。そうすれば何か思いつくと思ったのだが——
「何も思いつかないのね」
「はい……本当どうしたら」
ここまで頭の片隅にこびりついて離れないのはもはや異常だ。
今更投げ出すこともできないのでここ数日はぐったりしていた。
そんなアキラを見かねてか、ソウラは「あっ!」と口にするとポンと手を叩いた。
「そうだアキラ、今依頼とか受けてくれるかな?」
「依頼ですか? いいですよ」
「できれば人手が欲しいんだけどね……どっちがいい?」
「どっちがいい?」
アキラは繰り返し口にした。どっちと言うと選択肢が2つあるらしい。
体を起き上がらせる間に、ソウラはインベントリから紙切れを2枚取り出していた。
カウンターの上に並べ、アキラに見せる。
どちらも採取系だった。しかも難易度や報酬は同じで、場所と採取するものが違うだけみたいだ。
「なになに……砂漠に咲くカラカラ草の採取。それともう一つは湿地帯のドクハナの採取ですか」
「そうなの。どっちも必要な素材で」
「あっ、ソウラさんたちが」
「そうそう。私たちが必要なの」
てっきりギルドかと思ってました。アキラは早とちりしていたらしい。
けれど砂漠は嫌だな。この間のことを思い返すと、何が起きるかわからない。
ハラハラ感は確かに強いが、レベルも高そうで危険だった。その反面もう一つは魅力的だ。
「この湿地帯って何ですか?」
「湿地帯はじめじめしたエリアよ。毒系のモンスターが多くて、あまり気乗りしないかな」「ちなみにこのドクハナって何ですか?」
「それはこのダンジョンの何処かに生息しているモンスターの頭頂部に咲いているっている幻の花よ。入手がとっても難しいの」
「幻の花……なんだかそう言うの多くないですか?」
「そうね。幻とか伝説って多いわね」
よかった。勘違いじゃなくてホッと胸を撫で下ろす。
だけどまだ行ったことのないエリアはやっぱり魅力的だ。
だけど湿地帯に行ってくれそうなのは……フェルノと雷斬とベルだよね。
でも最近は部活が忙しいらしいから……困ったな、アキラは腕組をしていた。
アキラはカウンターに突っ伏してしまった。
全身から力が抜けて、抜け殻のようになっている。
「どうしたの、アキラ?」
アキラは声を掛けられた。それはこのお店の所有ギルドに属しているソウラだった。
いつものことながら、ソウラ以外のメンバーがお店を切り盛りしている姿がない。
自由奔放なマンティと職人気質のピーコでは難しいのだろうか? 後はもう1人……の人は知らない。
「いや、ちょっと上手く行かなくて」
「人生はそう言うものよ。これ、少しだけ人生の先輩からのメッセージ」
「でも、ソウラさん楽しそうですよ」
「マンティとは比べ物にならないわよ」
ソウラは何事もなく微笑んでいた。少しだけ元気が出る。
「それで何があったの?」
「まあ、攻略ですね」
「攻略?」
ソウラはグラスを拭きながら首を捻る。
今攻略中の古代遺跡についてはNight曰く外部に教えないようにしている。
未だに攻略もままならない古代遺跡の情報を教えても何も得策ではない。
ギルドも同じ考えだったので、少しだけ濁す。
「仕掛けってあるじゃないですか。ダンジョンによっては」
「ああ、あるわね。そう言うの、私は得意じゃないんだけど」
「その仕掛けが運営の遊び心満載で、普通にやっても解けないんです」
「どういうこと? ちょっと気になる」
「えーっとですね、例えば……」
アキラは当たり障りなく、仕掛けについて説明した。
するとソウラは首を傾げ、目をビー玉のように輝かせる一方で底がない蓋みたいになっていた。
つまり何も理解できていないのだ。
「幼稚な仕掛けなのね。でも一応ゲーム内のものがヒントになっているんでしょ?」
「そんなことないですよ」
「それは意地悪な仕掛けね。大抵の人は投げ出しちゃうわ」
現代人は苦労したくない。
それでもこのゲームがはまるのはオープンワールドで広大なファンタジー世界を自由に冒険できるからだ。
何も別にモンスターを倒さなくてもいい。友達とのコミュニケーション空間として使うもご飯を食べるも、イベントだけ参加してもいい。
とにかく自由で幅があるのが今の現代人のリラックスしたい精神にヒットし、その結果ドはまりしているわけだ。何よりも面白いのがポイントではある。
そんな世界でここまで難解で幼稚すぎる仕掛けの数々に大抵の人は呆れてしまう。
むしろ流してしまったり仕掛けを破壊してしまうかもしれない。
それは非常に困るので、ある程度の線引きがあるのかもしれない。
「うーん、じゃあ一回離れてみたら?」
「そうしてるんですけどね。ここ一週間ぐらいは各々好きにしてます」
この1週間は完全にわからなくなったので閃きまであの遺跡には近づかないことにしていた。
扉は歯車がないと開きはしない。今はアキラが所持しているので、開けようと思えば開けることはできる。
とは言え、何も思いつかないので行っても煮詰まるだけだ。そこで苦肉の策として忘れることにした。そうすれば何か思いつくと思ったのだが——
「何も思いつかないのね」
「はい……本当どうしたら」
ここまで頭の片隅にこびりついて離れないのはもはや異常だ。
今更投げ出すこともできないのでここ数日はぐったりしていた。
そんなアキラを見かねてか、ソウラは「あっ!」と口にするとポンと手を叩いた。
「そうだアキラ、今依頼とか受けてくれるかな?」
「依頼ですか? いいですよ」
「できれば人手が欲しいんだけどね……どっちがいい?」
「どっちがいい?」
アキラは繰り返し口にした。どっちと言うと選択肢が2つあるらしい。
体を起き上がらせる間に、ソウラはインベントリから紙切れを2枚取り出していた。
カウンターの上に並べ、アキラに見せる。
どちらも採取系だった。しかも難易度や報酬は同じで、場所と採取するものが違うだけみたいだ。
「なになに……砂漠に咲くカラカラ草の採取。それともう一つは湿地帯のドクハナの採取ですか」
「そうなの。どっちも必要な素材で」
「あっ、ソウラさんたちが」
「そうそう。私たちが必要なの」
てっきりギルドかと思ってました。アキラは早とちりしていたらしい。
けれど砂漠は嫌だな。この間のことを思い返すと、何が起きるかわからない。
ハラハラ感は確かに強いが、レベルも高そうで危険だった。その反面もう一つは魅力的だ。
「この湿地帯って何ですか?」
「湿地帯はじめじめしたエリアよ。毒系のモンスターが多くて、あまり気乗りしないかな」「ちなみにこのドクハナって何ですか?」
「それはこのダンジョンの何処かに生息しているモンスターの頭頂部に咲いているっている幻の花よ。入手がとっても難しいの」
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