VRMMOのキメラさん〜雑魚種族を選んだ私だけど、固有スキルが「倒したモンスターの能力を奪う」だったのでいつの間にか最強に!?

水定ゆう

文字の大きさ
335 / 617

◇333 龍の髭ってなに?

しおりを挟む
 雷斬は自分も指定席に座ると、話題を提示してくれた。
 どんな話かなと思いつつ楽しみにしていると、唐突な入りから始まった。

「皆さん、龍の髭ってご存じですか?」
「「龍の髭?」」

 アキラとフェルノは案の定首を捻った。
 ベルは雷斬を睨むような目を向けるものの、Nightだけは「知っている」と答えた。流石は継ぎ接ぎパッチワークの知識担当だ。

「流石はNightさんですね。ご存じでしたか」
「名前だけは知っている。というよりも公式からのアナウンスで唐突に来たイベントからな」
「イベント何だね。全然知らなかったよ」

 ここ数日間、CUに関してアキラは全く調べていなかった。
 だから情報が遅れていたけれど、Nightが居てくれたおかげで話に付いていくことができた。

「Night、龍の髭って言うイベントがあるの?」
「違う。龍の髭と言うアイテムがあって、それを入手できるイベントが来たってだけだ」
「龍の髭の入手イベント? もしかしてドラゴンと戦うの! 流石に勝てないよ!」

 アキラは大きな声を上げた。これまでファンタジーファンタジーしているモンスターとはまともに相手をしたことがなかった。
 そもそも出会うことすらなくて、それなのにいきなりファンタジーの代名詞モンスターと戦うなんて勝てる気がしなかった。
 勝手に落ち込むアキラだったけど、Nightは「そうじゃない」と答えた。

「龍の髭と言うにはあくまでも俗称で実物は私も分からない。だが、単純にドラゴンと考えるのは軽率だとは思うぞ」
「でもドラゴンかもしれないんでしょ? だって龍だよ? 竜かもしれないよ!」
「確かにそうだが……」
「でもさー、ドラゴンだったら面白いよねー」
「そうね。ドラゴンなんてGAMEの中でしか見たことないものね」

 龍の髭=ドラゴンの髭でまとまりつつあった。
 しかし誰も竜の髭の正体が分からないので、もしかしたらもっと地味なものかもしれない。
 その証拠に、イベントの詳細を雷斬は取り出して全員の前に見せた。

「これがイベントの詳細なのですが……」
「えーっと、新年限定イベント開催。期間中、無病息災厄除けのお守りと呼ばれる龍の髭を入手できるかも?」
「できるかもなんだ」

 確実に手に入るわけではないみたいだ。
 それにどんな形なのかも詳細は書かれていない上に、イラストなんかも載っていなかった。
 これじゃあ何を如何したら良いのか分からないけれど、無病息災で厄除けにもなってくれるお守り何て相当強いとアキラは思った。確かにこれは雷斬が食いつきそうだ。

(きっと私たちのことを思ってのこと何だよね)

 アキラは雷斬の考えていることを少し見透かした。
 頬が緩んでいるのに真剣な眼差しを送っていた。
 如何やらよっぽど欲しいみたいで、私たちにも協力して欲しいんだと、アキラは睨んだ。

「如何ですか皆さん?」
「如何ですかと言われてもね。情報無さすぎでしょ?」
「そうだな。情報源ソースはしっかりとしているが、些か親切心が無いな。おまけに期間を見てみろ」

 Nightは一点を指さした。そこには開催期間が丁寧に書かれていた。

 一月四日A.M.0:00~一月七日P.M.23:59

「嘘でしょ!? 期間短すぎるよ」
「しかも条件も書かれている」
「条件? うわぁ、ギルドに所属していることだ。しかもギルド一つに付き一つって……厳しいね。それだけ入手難易度が高く設定されているってことは……」
「そういう事だ。効果は期待できるかもしれないが、入手方法が明確化されていない時点で偶然を掴み取るしかない……お前の出番だ」
「私?」

 Nightの視線がアキラに向いた。
 この中で運のパラメータが一番高いのはアキラだけど、そんなアキラですら厳しいの一言で片付けてしまいそうになった。

「うーん。ちょっと厳しいね。参加しているギルドって多いのかな?」
「如何だろうな?」
「Nightのその反応だと、全然参加ギルドが集まってい無さそうだね」
「何となくで判断しただけだ。それより参加するのかしないのかだ」

 Nightの視線がアキラへ向いた。
 何で私なのかとアキラは思ったけれど、何故か雷斬もウルウルした瞳をアキラへと注いだ。完全に逃げ道を封じられてしまったアキラは選択を余儀なくされ、少しだけ悩んだ。
 だけど意識を超高速で切り替えると、「まあいっか」と答えた。

「とりあえずできる所まではやってみようよ。時間はあるんだし、まずはやってみよ!」

 とりあえず楽しそうになる方に進んだ。
 雷斬は表情がパッと明るくなり「はい!」と答え、Nightは「マジか……」と呟いていた。どっちをとっても悲しまれるのなら、とりあえず結果が面白い方に賭けた。

「とは言っても何処に行けば良いのよ?」
「そ、それは……分かりません」

 ちなみにその先を考えていなかった。ということでNightへと視線を向けると、「結局私か」と答え、知識を総動員した。
 その結果算出されたのは龍の髭が似合いそうな場所の予測だった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。

branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位> <カクヨム週間総合ランキング最高3位> <小説家になろうVRゲーム日間・週間1位> 現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。 目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。 モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。 ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。 テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。 そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が―― 「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!? 癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中! 本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ! ▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。 ▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕! カクヨムで先行配信してます!

【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます

鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。 このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。 それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。 その称号効果はスライム種族特効効果。 そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・ このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。 主人公は経験値でモンスターを殴ります。 ────── 自筆です。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり
ファンタジー
【書籍化!】第17回ファンタジー小説大賞『癒し系ほっこり賞』受賞作です。 (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~』です) ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。 最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。 この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう! ……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは? *** ゲーム生活をのんびり楽しむ話。 バトルもありますが、基本はスローライフ。 主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。 カクヨム様でも公開しております。

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

決戦の夜が明ける ~第3堡塁の側壁~

独立国家の作り方
SF
 ドグミス国連軍陣地に立て籠もり、全滅の危機にある島民と共に戦おうと、再上陸を果たした陸上自衛隊警備中隊は、条約軍との激戦を戦い抜き、遂には玉砕してしまいます。  今より少し先の未来、第3次世界大戦が終戦しても、世界は統一政府を樹立出来ていません。  南太平洋の小国をめぐり、新世界秩序は、新国連軍とS条約同盟軍との拮抗状態により、4度目の世界大戦を待逃れています。  そんな最中、ドグミス島で警備中隊を率いて戦った、旧陸上自衛隊1等陸尉 三枝啓一の弟、三枝龍二は、兄の志を継ぐべく「国防大学校」と名称が変更されたばかりの旧防衛大学校へと進みます。  しかし、その弟で三枝家三男、陸軍工科学校1学年の三枝昭三は、駆け落ち騒動の中で、共に協力してくれた同期生たちと、駐屯地の一部を占拠し、反乱を起こして徹底抗戦を宣言してしまいます。  龍二達防大学生たちは、そんな状況を打破すべく、駆け落ちの相手の父親、東京第1師団長 上条中将との交渉に挑みますが、関係者全員の軍籍剥奪を賭けた、訓練による決戦を申し出られるのです。  力を持たない学生や生徒達が、大人に対し、一歩に引くことなく戦いを挑んで行きますが、彼らの選択は、正しかったと世論が認めるでしょうか?  是非、ご一読ください。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

処理中です...