352 / 617
◇350 【ユニゾンハート】(進化途中1)
しおりを挟む
水蒸気の先に居たのはアキラだった。
しかし全くの無言。おまけに全身を包み込みように靄が包み込んでいた。
「貴女は何者ですかって……あはは、私は私だよ」
アキラの答えは適宜正確だった。
しかしアクアドラゴンは畏怖する。
何てことの無い返事のように見えて、その言葉には重みがあった。想いが込み上げられ、辿り纏わり、一つに結ばれつつあった。
まだ発展途上。そんな生温い問い掛けでは簡単に返り討ちに遭ってしまうだろう。
アクアドラゴンはそう感じ、アキラの息の根を止めるべき再び激流砲を放った。
「消え失せろ!」
アクアドラゴンは激流砲、第四射を撃ち出した。
しかしアキラはまるで逃げる様子もなく、軽く右手を振るう。
するとパシャン! と、子供が水遊びでもするみたいに軽い水飛沫の音が混じり、激流は消え蒸発してしまった。むしろそのエネルギーを逆手に取られ、アキラは目を見開いた。
「ごめんね、その攻撃もう効かないよ」
アクアドラゴンは絶句した。
今の一瞬で全てを察した。
想いの強さが違い過ぎる。
触ってもいないのに、触れてもいないのに分かってしまう。
アクアドラゴンはメンタルを擦り切られた。それだけじゃない。アキラへと加担し始めていた。
「こ、これは一体……しかもその靄は……今の一瞬で変化した?」
「ううん。進化したんだよ。アクアドラゴンの攻撃に適応できるように。勝つための道筋を明確にするためにね!」
アキラの体を纏う靄の形が微かに変化した。
龍の腕、龍の脚、ベースはアキラなのに、その上から鎧の様に纏っている。
しかしながらまだ靄の状態で形にはならない。
それでもアキラの頭の中には、今だけはっきりと聴こえていた。
『勝つための道筋……いいですね』
「本当は勝つ気何て無いんだけどね。でも、ここで発破をかけておくのは」
『そうですね。悪くないです』
アキラっぽくはなかった。しかしアキラらしさも含まれていた。
お互いにメンタルが完全に重なり合っていて、アクアドラゴンはより一層畏怖した。
「龍の力を身に纏い、意思を重ね合わせたことで記憶と力を呼び起こす……そんな真似、そんな小細工に私は負けない!」
アクアドラゴンも本気になる。
龍の髭何て如何でも良い。とにかくアキラを倒す。ただそれだけに執拗になり、背後に渦の塊を生み出す。
「ハイドロブラスター!」
アクアドラゴンは勇ましく雄たけびを上げ、渦を漏斗状に変化させた。
二つも展開されていて、アキラ目掛けて容赦なく放たれる。
しかしアキラはピクリとも動かない。両腕を十字に構えると、ハイドロブラスターを受け止めた。
ギュィィィィィィィィィィィィィィィン!
「この音、鋼鉄の鎧で弾き返すような音……耳障りな!」
「そうかな? ごめんね。それじゃあ!」
アキラは両腕を振り払った。
一瞬にしてハイドロブラスターに適応し、軽く受け流してしまう。
周囲への被害はまるでなく、アクアドラゴンは圧倒された。
「私のハイドロブラスターを……」
「ごめんね。私、倒れたくないんだ」
アクアドラゴンはのけ反った。
けれど素早く意識を持ち直し、いよいよあの技を解放する。
「激流砲もハイドロブラスターも無効化してしまうとは、恐ろしい人間だ」
「恐ろしいはちょっと嫌だな」
「最高の褒め言葉として受け取ってください。なので私はこの技を使います!」
アクアドラゴンの額が光り出す。
宝石が埋め込まれているようで、そこにエネルギーが集まる。
眩い閃光が放たれ、アクアドラゴンの額から青白いエネルギー刃が生み出される。
「今度はなに?」
「コレは私の技の中でも最高クラスの威力を誇る技。私の本気、受けてみなさい!」
「う、受けたくはないよ」
アキラはこの期に及んでだった。
しかしアクアドラゴンはアキラのことを倒すべき相手。
本気を出しても問題ない相手と見込み、大技を繰り出す。
「消え失せなさい! ウォーターブレード!」
アクアドラゴンは全身を使って額に生まれた特大の刃を打ち込んだ。
水流が静止画の様に微動だにせず、細く強靭な刃になってアキラのことを襲う。
「こ、これは……うわぁ!」
アキラは動けなかった。むしろ動かなかった。
膝を落とすわけでもなく、構えを取るわけでもない。
何故かは分からないが、アキラは避けなくても良いと思った。
その判断に、頭の中で龍が語り掛ける。
『動かないんですか?』
「うん。動かないよ。動く必要もないから」
もちろん達観しているわけではなかった。
怖くない訳でもない。
アキラ自身、これは確証があった。スッと両手を前の出すと、寸分違わぬ動きでウォーターブレードを叩き込みアクアドラゴンの姿があり、まさに今この瞬間、アキラのことを真っ二つにしようとしている。
「避けないよ。だって、避けたら……」
ウォーターブレードは目の前。
アキラは両手をスッと出すと、間一髪のところで水流の刃を受け止めるのだった。
しかし全くの無言。おまけに全身を包み込みように靄が包み込んでいた。
「貴女は何者ですかって……あはは、私は私だよ」
アキラの答えは適宜正確だった。
しかしアクアドラゴンは畏怖する。
何てことの無い返事のように見えて、その言葉には重みがあった。想いが込み上げられ、辿り纏わり、一つに結ばれつつあった。
まだ発展途上。そんな生温い問い掛けでは簡単に返り討ちに遭ってしまうだろう。
アクアドラゴンはそう感じ、アキラの息の根を止めるべき再び激流砲を放った。
「消え失せろ!」
アクアドラゴンは激流砲、第四射を撃ち出した。
しかしアキラはまるで逃げる様子もなく、軽く右手を振るう。
するとパシャン! と、子供が水遊びでもするみたいに軽い水飛沫の音が混じり、激流は消え蒸発してしまった。むしろそのエネルギーを逆手に取られ、アキラは目を見開いた。
「ごめんね、その攻撃もう効かないよ」
アクアドラゴンは絶句した。
今の一瞬で全てを察した。
想いの強さが違い過ぎる。
触ってもいないのに、触れてもいないのに分かってしまう。
アクアドラゴンはメンタルを擦り切られた。それだけじゃない。アキラへと加担し始めていた。
「こ、これは一体……しかもその靄は……今の一瞬で変化した?」
「ううん。進化したんだよ。アクアドラゴンの攻撃に適応できるように。勝つための道筋を明確にするためにね!」
アキラの体を纏う靄の形が微かに変化した。
龍の腕、龍の脚、ベースはアキラなのに、その上から鎧の様に纏っている。
しかしながらまだ靄の状態で形にはならない。
それでもアキラの頭の中には、今だけはっきりと聴こえていた。
『勝つための道筋……いいですね』
「本当は勝つ気何て無いんだけどね。でも、ここで発破をかけておくのは」
『そうですね。悪くないです』
アキラっぽくはなかった。しかしアキラらしさも含まれていた。
お互いにメンタルが完全に重なり合っていて、アクアドラゴンはより一層畏怖した。
「龍の力を身に纏い、意思を重ね合わせたことで記憶と力を呼び起こす……そんな真似、そんな小細工に私は負けない!」
アクアドラゴンも本気になる。
龍の髭何て如何でも良い。とにかくアキラを倒す。ただそれだけに執拗になり、背後に渦の塊を生み出す。
「ハイドロブラスター!」
アクアドラゴンは勇ましく雄たけびを上げ、渦を漏斗状に変化させた。
二つも展開されていて、アキラ目掛けて容赦なく放たれる。
しかしアキラはピクリとも動かない。両腕を十字に構えると、ハイドロブラスターを受け止めた。
ギュィィィィィィィィィィィィィィィン!
「この音、鋼鉄の鎧で弾き返すような音……耳障りな!」
「そうかな? ごめんね。それじゃあ!」
アキラは両腕を振り払った。
一瞬にしてハイドロブラスターに適応し、軽く受け流してしまう。
周囲への被害はまるでなく、アクアドラゴンは圧倒された。
「私のハイドロブラスターを……」
「ごめんね。私、倒れたくないんだ」
アクアドラゴンはのけ反った。
けれど素早く意識を持ち直し、いよいよあの技を解放する。
「激流砲もハイドロブラスターも無効化してしまうとは、恐ろしい人間だ」
「恐ろしいはちょっと嫌だな」
「最高の褒め言葉として受け取ってください。なので私はこの技を使います!」
アクアドラゴンの額が光り出す。
宝石が埋め込まれているようで、そこにエネルギーが集まる。
眩い閃光が放たれ、アクアドラゴンの額から青白いエネルギー刃が生み出される。
「今度はなに?」
「コレは私の技の中でも最高クラスの威力を誇る技。私の本気、受けてみなさい!」
「う、受けたくはないよ」
アキラはこの期に及んでだった。
しかしアクアドラゴンはアキラのことを倒すべき相手。
本気を出しても問題ない相手と見込み、大技を繰り出す。
「消え失せなさい! ウォーターブレード!」
アクアドラゴンは全身を使って額に生まれた特大の刃を打ち込んだ。
水流が静止画の様に微動だにせず、細く強靭な刃になってアキラのことを襲う。
「こ、これは……うわぁ!」
アキラは動けなかった。むしろ動かなかった。
膝を落とすわけでもなく、構えを取るわけでもない。
何故かは分からないが、アキラは避けなくても良いと思った。
その判断に、頭の中で龍が語り掛ける。
『動かないんですか?』
「うん。動かないよ。動く必要もないから」
もちろん達観しているわけではなかった。
怖くない訳でもない。
アキラ自身、これは確証があった。スッと両手を前の出すと、寸分違わぬ動きでウォーターブレードを叩き込みアクアドラゴンの姿があり、まさに今この瞬間、アキラのことを真っ二つにしようとしている。
「避けないよ。だって、避けたら……」
ウォーターブレードは目の前。
アキラは両手をスッと出すと、間一髪のところで水流の刃を受け止めるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます
鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。
このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。
それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。
その称号効果はスライム種族特効効果。
そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・
このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。
主人公は経験値でモンスターを殴ります。
──────
自筆です。
もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!
ゆるり
ファンタジー
【書籍化!】第17回ファンタジー小説大賞『癒し系ほっこり賞』受賞作です。
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~』です)
ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。
最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。
この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう!
……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは?
***
ゲーム生活をのんびり楽しむ話。
バトルもありますが、基本はスローライフ。
主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。
カクヨム様でも公開しております。
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー
びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。
理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。
今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。
ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』
計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る!
この物語はフィクションです。
※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる