374 / 617
◇371 モチツキンの弱点は?
しおりを挟む
アキラとフェルノはお互いに身を寄せ合う。
目の前にはモチツキンの姿。
こちらを睨みつけているのか、それとも静観しているのか、杵を持つ手をグニャリとさせながら、アキラたちを待っていた。
「モチツキン、私たちを待っているよ」
「みたいだねー。にしても舐めているよねー」
「そ、そうなのかな? でも、フェルノの攻撃も効かなかったよ? 私たちのこと、舐めている前に眼中に無いのかも」
「それは傷付くなー。絶対一泡吹かせないとねー」
「でも如何やって?」
モチツキン相手に、フェルノのパワーを武器にしても全くダメージが入らなかった。
それだけ強靭な防御力を、モチツキン本体の臼は担っている。
「拳が入らないなんて、アキラの【キメラハント】で突破口を見いだせないのー?」
「ヤ、やってみるよ。【甲蟲】+【灰爪】+【月跳】!」
アキラはいつももセットを発動。
腕と脚を全力で強化すると、モチツキン目掛けて跳び出した。
ズドン!
接近すると同時に、超高速で杵が振り下ろされた。
しかしアキラは全く動じない。
意識を切り替え、素早く空を見上げて跳んだ。
「そりゃぁ!」
高らかに跳び上がる。モチツキンの外した杵を逆手に取り、より高い所から蹴りを入れた。
ズシン! とダメージが入った。
けれどダメージが入ったと勘違いしたのはアキラだけで、傷は全く入らない。
「嘘でしょ!?」
アキラは瞬きを繰り返す。
しかしそんな暇を与えてくれないのがモチツキン。
背後ではフェルノが口に手を当てて叫び出した。
「アキラ、危ない!」
「えっ?」
アキラは振り返った。
フェルノが危険を知らせてくれているようで、何が起きたのかと思った。
すると急に杵が動き出す。ガタガタと地面の中から持ち上がり、勢いよくアキラを空へと吹き飛ばした。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
アキラは絶叫を上げる。
不安定な体勢で空へと打ち上げられた影響か、上手く受け身が取れそうにない。
「くっ。それなら!」
アキラはそれならばと思い、体を捻った。
【灰爪】で武装して、回転しながら飛び込む。
「回転を武器にして、逆に攻撃に転じたのか……だかそれでも」
Nightはチラリと視線をくべる。
しかしアキラの渾身の作戦も、ただの捨て身に終わってしまった。
カキーン!
「う、嘘でしょ!? うわぁ!」
臼に爪が引っかかってしまった。
ただそれだけのことでダメージなどはなく、モチツキンがドスンと一歩足踏みをしただけで、アキラは弾き飛ばされてしまう。
「い、痛い……」
「アキラ大丈夫?」
「大丈夫だけど……モチツキン、強すぎるよ。倒せる気がしない」
フェルノが傍に寄って来てくれて、アキラのことを心配する。
しかしアキラも過ぎに立ち上がると、モチツキンが長い杵を振り回してくるので、慌ててフェルノを押し倒して後ろに下がった。
「危なかった……」
「痛たたぁ。危く死ぬかと思ったねー」
フェルノは翼を使ってクッションにする。
おかげでアキラもフェルノも怪我はしていないし、HPが削られることもない。
だけどそれでは勝てない。このまま一人一人戦っていても、肝心のダメージにはなってくれないとみて、二人は息を合わせる。
「アキラ、私が勢い付けるから、正面突破で殴りつけて!」
「あまりやりたくないけど……分かった」
フェルノはアキラの腰を持った。
右足の裏で地面を蹴り上げると、熱を使って加速する。
雷斬程ではないが、もの凄い熱エネルギーを放ちながら、炎の道を生み出して、モチツキンに叩き込む。
「そりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
お腹から声を出して、正拳突きを突き出す。
ズドン! 確かに拳は入った。
【甲蟲】を使ってガードした腕、しっかりと力は乗っていたにもかかわらず、モチツキンにダメージがない。
「嘘だよね? こんなに全力でやったんだよ?」
「ちょっとくらい傷が入ってても良いよねー? なんで入らないんだろ」
「分からない。分からないから怖いんだよ。もしかして、最初から倒される想定されていない?」
アキラはとっても嫌な予感がした。
予め倒されることを想定されていない、それこそ何発も殴ってポイントを稼ぐみたいな、そんな仕様なのではないかと、アキラは想像した。
しかし背後からパチパチと細かく叩く音がする。
振りむかなくても分かる。
必死の思いが空気を揺らし、そして正解への道を導いた。
「そう言うことか」
「Night!」
アキラは叫んだ。
振り返ってみると、やっぱりNightがキーボードを操作して、ネットの情報を拾ってくれていた。
その顔はあまり清々しくない。
何か面倒なことなのは確定だが、アキラはこの状況を打破する方法だと信じて、Nightに尋ねる。
「何か分かったんだよね!」
「ああ。だが、コレは骨が折れるぞ」
あくまでも比喩表現。そんなことは判っていたが、モチツキン相手には本当に骨を折るのではと想像してしまう。
しかしゴクリと喉を鳴らすと、Nightに促す。
「お願い、教えてNight!」
「言われなくてもそのつもりだ。モチツキンの弱点は……」
Nightが伝えようとした。
その瞬間、ドスンと言う音共に、モチツキンも動き出した。
目の前にはモチツキンの姿。
こちらを睨みつけているのか、それとも静観しているのか、杵を持つ手をグニャリとさせながら、アキラたちを待っていた。
「モチツキン、私たちを待っているよ」
「みたいだねー。にしても舐めているよねー」
「そ、そうなのかな? でも、フェルノの攻撃も効かなかったよ? 私たちのこと、舐めている前に眼中に無いのかも」
「それは傷付くなー。絶対一泡吹かせないとねー」
「でも如何やって?」
モチツキン相手に、フェルノのパワーを武器にしても全くダメージが入らなかった。
それだけ強靭な防御力を、モチツキン本体の臼は担っている。
「拳が入らないなんて、アキラの【キメラハント】で突破口を見いだせないのー?」
「ヤ、やってみるよ。【甲蟲】+【灰爪】+【月跳】!」
アキラはいつももセットを発動。
腕と脚を全力で強化すると、モチツキン目掛けて跳び出した。
ズドン!
接近すると同時に、超高速で杵が振り下ろされた。
しかしアキラは全く動じない。
意識を切り替え、素早く空を見上げて跳んだ。
「そりゃぁ!」
高らかに跳び上がる。モチツキンの外した杵を逆手に取り、より高い所から蹴りを入れた。
ズシン! とダメージが入った。
けれどダメージが入ったと勘違いしたのはアキラだけで、傷は全く入らない。
「嘘でしょ!?」
アキラは瞬きを繰り返す。
しかしそんな暇を与えてくれないのがモチツキン。
背後ではフェルノが口に手を当てて叫び出した。
「アキラ、危ない!」
「えっ?」
アキラは振り返った。
フェルノが危険を知らせてくれているようで、何が起きたのかと思った。
すると急に杵が動き出す。ガタガタと地面の中から持ち上がり、勢いよくアキラを空へと吹き飛ばした。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
アキラは絶叫を上げる。
不安定な体勢で空へと打ち上げられた影響か、上手く受け身が取れそうにない。
「くっ。それなら!」
アキラはそれならばと思い、体を捻った。
【灰爪】で武装して、回転しながら飛び込む。
「回転を武器にして、逆に攻撃に転じたのか……だかそれでも」
Nightはチラリと視線をくべる。
しかしアキラの渾身の作戦も、ただの捨て身に終わってしまった。
カキーン!
「う、嘘でしょ!? うわぁ!」
臼に爪が引っかかってしまった。
ただそれだけのことでダメージなどはなく、モチツキンがドスンと一歩足踏みをしただけで、アキラは弾き飛ばされてしまう。
「い、痛い……」
「アキラ大丈夫?」
「大丈夫だけど……モチツキン、強すぎるよ。倒せる気がしない」
フェルノが傍に寄って来てくれて、アキラのことを心配する。
しかしアキラも過ぎに立ち上がると、モチツキンが長い杵を振り回してくるので、慌ててフェルノを押し倒して後ろに下がった。
「危なかった……」
「痛たたぁ。危く死ぬかと思ったねー」
フェルノは翼を使ってクッションにする。
おかげでアキラもフェルノも怪我はしていないし、HPが削られることもない。
だけどそれでは勝てない。このまま一人一人戦っていても、肝心のダメージにはなってくれないとみて、二人は息を合わせる。
「アキラ、私が勢い付けるから、正面突破で殴りつけて!」
「あまりやりたくないけど……分かった」
フェルノはアキラの腰を持った。
右足の裏で地面を蹴り上げると、熱を使って加速する。
雷斬程ではないが、もの凄い熱エネルギーを放ちながら、炎の道を生み出して、モチツキンに叩き込む。
「そりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
お腹から声を出して、正拳突きを突き出す。
ズドン! 確かに拳は入った。
【甲蟲】を使ってガードした腕、しっかりと力は乗っていたにもかかわらず、モチツキンにダメージがない。
「嘘だよね? こんなに全力でやったんだよ?」
「ちょっとくらい傷が入ってても良いよねー? なんで入らないんだろ」
「分からない。分からないから怖いんだよ。もしかして、最初から倒される想定されていない?」
アキラはとっても嫌な予感がした。
予め倒されることを想定されていない、それこそ何発も殴ってポイントを稼ぐみたいな、そんな仕様なのではないかと、アキラは想像した。
しかし背後からパチパチと細かく叩く音がする。
振りむかなくても分かる。
必死の思いが空気を揺らし、そして正解への道を導いた。
「そう言うことか」
「Night!」
アキラは叫んだ。
振り返ってみると、やっぱりNightがキーボードを操作して、ネットの情報を拾ってくれていた。
その顔はあまり清々しくない。
何か面倒なことなのは確定だが、アキラはこの状況を打破する方法だと信じて、Nightに尋ねる。
「何か分かったんだよね!」
「ああ。だが、コレは骨が折れるぞ」
あくまでも比喩表現。そんなことは判っていたが、モチツキン相手には本当に骨を折るのではと想像してしまう。
しかしゴクリと喉を鳴らすと、Nightに促す。
「お願い、教えてNight!」
「言われなくてもそのつもりだ。モチツキンの弱点は……」
Nightが伝えようとした。
その瞬間、ドスンと言う音共に、モチツキンも動き出した。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます
鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。
このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。
それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。
その称号効果はスライム種族特効効果。
そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・
このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。
主人公は経験値でモンスターを殴ります。
──────
自筆です。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!
ゆるり
ファンタジー
【書籍化!】第17回ファンタジー小説大賞『癒し系ほっこり賞』受賞作です。
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~』です)
ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。
最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。
この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう!
……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは?
***
ゲーム生活をのんびり楽しむ話。
バトルもありますが、基本はスローライフ。
主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。
カクヨム様でも公開しております。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー
びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。
理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。
今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。
ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』
計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る!
この物語はフィクションです。
※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる