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◇601 《激泡》の弱点!?
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現れた継ぎ接ぎの絆の一人、ベル。
ガサガサと地面を踏むと、草を掻き分ける。
Nightの前に立つと、手にしていた弓を薙刀に変え、スイッチをカチッと入れた。
「おいおい、Night。押されてんじゃん」
「薙刀フォームか」
「せ、性格が変わった!?」
「はっ? 性格が変わったんじゃねぇよ。スイッチを切り替えて、演じてんだ。荒々しくお前を八つ裂きにするために、私は仮面を被った。ただそれだけだ!」
ベルは薙刀を突き付けた。
先程までのツンと風は一切無くなり、むしろ好戦的な風が吹く。
ベルの髪を掻き揚げると、スープラッシュは警戒する。
「仮面を被ったって言っても、中身は変わって無いんだよね? それなら問題無いよ。貴女の情報は少ないけど、弓使いが急に薙刀を使うなんて、普通無いよね」
「そうだな。普通は……な」
ベルは薙刀を振り抜き、スープラッシュを襲う。
バシュンと空気を切り刻むと、スープラッシュは咄嗟にメイスを構えた。
一瞬にして距離を詰められた。遠距離だけじゃない。近距離でもベルは強いのだ。
「嘘だよね!? こんな……よっと!」
「そこです」
スープラッシュはメイスを外し、素早く後ろに下がる。
その瞬間を待っていたのか、ベルは再び仮面を付け替えた。
薙刀を弓に切り替え、冷静沈着に静かな風を吹かせると、矢をパシュンと射る。
シュポン!
スープラッシュの体を矢が透過する。
水泡に包まれたスープラッシュの体には、やはり遠距離武器は効かない。
痛感させられると、ベルはいつもの口調に戻る。
「全く。面倒な相手ね」
「全くだな」
「それは私もだよ。コロコロ口調が変わって、付いて行くのが大変」
スープラッシュは水砲から飛び出すと、メイスを構えている。
如何なる状況にも対応できるように、地に足を付けていた。
けれどいつでも後ろに下がれるように爪先に重心を傾けると、Nightはピンと来る。
(なるほど。そう言うことか)
スープラッシュは決して無敵じゃない。
それでも限りなく狭い隙間だ。針の穴を通すような芸当、そう簡単にはできる奴はいない。
しかしチラッと視線を隣へ。ベルのことを見てしまうと、変に勘繰られた。
「なに?」
「別になんでも無いぞ。それよりベル、戻って来たんだな」
「当然よ。一人にして勝てるような相手じゃないでしょ?」
「……」
ベルの言い分は全く以って本当だった。そのせいかNightは強きになれない。
否定する言葉が見つからず、Nightは黙ってベルに足元を掬われる。
「それに二人でも構わないんでしょ? ならいいじゃない」
「うん。二人の方が私にはピッタリだよ」
「随分と余裕な発言ね。気に入らないわ」
「そうかな? でも私に攻撃を喰らわすことはできないよ?」
スープラッシュの言葉は強ち間違いではない。
初見では無敵の狙撃手へ。そうでなくても最強の防御力。
攻防に優れたスープラッシュを相手にするのは一苦労要りそうだ。
「そうみたいね。でもうちのNightは答えが見えてる筈よ。ねっ?」
「そうだな。今見えた」
「今って、ずっと防戦一方だったってこと?」
「黙れ。いいかベル、戻って来たんだ。戦って貰うぞ」
「分かってるわよ。それで、薙刀? それとも弓? どっちよ」
「前者、薙刀だ」
Nightはまずスープラッシュの動きを止めることを優先する。
スープラッシュの反応速度なら、弓を構えただけで【水泡】を使われる。
水の中に溶けられてしまえば一巻の終わり。そうなる前に方を付ける。
「いいか、とにかくアイツを動かすな」
「動かすな? 全く無茶な注文ね」
「お前ならできるだろ。それだけ器用なんだ」
「はぁ。分かったわよ、やればいいんでしょ、やればよ!」
ベルは地面を蹴り上げて、土埃を巻き上げる。
自分自身の姿を一瞬隠し、奇襲を仕掛けた。
「うわぁ、ちょっと早いよ!?」
カキン!
ベルは薙刀フォームに切り替え、スープラッシュにぶつかる。
メイスを使って薙刀を受け止めようとするが、力はベルの方が上。
上から叩き付けるエネルギーが強まると、スープラッシュは目を見開く。
「ちょっと、なに、これ?」
「おらおら、そんなもんかよ!」
ベルは薙刀をクルリと手首で回すと、メイスを下から突き上げる。
アッパーのように払い除けると、スープラッシュはメイスを手放しそうになった。
指先に力が加わると、手汗でメイスが滑ってしまう。
「なんでこんなに強いの!? 演じてるだけなのに?」
「演じるって大変なんだぞ!」
「それはそうだろうけど……」
スープラッシュはベルの気迫に負ける。
気圧されてしまうと、足が竦んでしまった。
いっそのことメイスを手放そう。そう思って指を放した瞬間、薙刀が突き出される。
「武器を放すバカがいるかよ! なっ」
薙刀で切られたスープラッシュはまともなダメージを喰らった。
HPは大きく削れると、防御力は大して高くは無いらしい。
簡単に押し倒してしまうと、スープラッシュは尻餅をつく。
「痛たぁ……こんなに強いなんて」
「はぁ? 当たり前だろ。私を舐めるなっての」
「くぅ……」
スープラッシュは唇を噛んでしまった。
悔しい。さっきまで優勢だったのに、相性が悪い。
ベルは勝ち誇ると薙刀フォームのまま、スープラッシュに薙刀を振りかざした。
もはや逃げることもできず、立ち上がることもままならない。圧倒的な形勢逆転劇にもかかわらず、Nightはスープラッシュを観察し続けていた。
ガサガサと地面を踏むと、草を掻き分ける。
Nightの前に立つと、手にしていた弓を薙刀に変え、スイッチをカチッと入れた。
「おいおい、Night。押されてんじゃん」
「薙刀フォームか」
「せ、性格が変わった!?」
「はっ? 性格が変わったんじゃねぇよ。スイッチを切り替えて、演じてんだ。荒々しくお前を八つ裂きにするために、私は仮面を被った。ただそれだけだ!」
ベルは薙刀を突き付けた。
先程までのツンと風は一切無くなり、むしろ好戦的な風が吹く。
ベルの髪を掻き揚げると、スープラッシュは警戒する。
「仮面を被ったって言っても、中身は変わって無いんだよね? それなら問題無いよ。貴女の情報は少ないけど、弓使いが急に薙刀を使うなんて、普通無いよね」
「そうだな。普通は……な」
ベルは薙刀を振り抜き、スープラッシュを襲う。
バシュンと空気を切り刻むと、スープラッシュは咄嗟にメイスを構えた。
一瞬にして距離を詰められた。遠距離だけじゃない。近距離でもベルは強いのだ。
「嘘だよね!? こんな……よっと!」
「そこです」
スープラッシュはメイスを外し、素早く後ろに下がる。
その瞬間を待っていたのか、ベルは再び仮面を付け替えた。
薙刀を弓に切り替え、冷静沈着に静かな風を吹かせると、矢をパシュンと射る。
シュポン!
スープラッシュの体を矢が透過する。
水泡に包まれたスープラッシュの体には、やはり遠距離武器は効かない。
痛感させられると、ベルはいつもの口調に戻る。
「全く。面倒な相手ね」
「全くだな」
「それは私もだよ。コロコロ口調が変わって、付いて行くのが大変」
スープラッシュは水砲から飛び出すと、メイスを構えている。
如何なる状況にも対応できるように、地に足を付けていた。
けれどいつでも後ろに下がれるように爪先に重心を傾けると、Nightはピンと来る。
(なるほど。そう言うことか)
スープラッシュは決して無敵じゃない。
それでも限りなく狭い隙間だ。針の穴を通すような芸当、そう簡単にはできる奴はいない。
しかしチラッと視線を隣へ。ベルのことを見てしまうと、変に勘繰られた。
「なに?」
「別になんでも無いぞ。それよりベル、戻って来たんだな」
「当然よ。一人にして勝てるような相手じゃないでしょ?」
「……」
ベルの言い分は全く以って本当だった。そのせいかNightは強きになれない。
否定する言葉が見つからず、Nightは黙ってベルに足元を掬われる。
「それに二人でも構わないんでしょ? ならいいじゃない」
「うん。二人の方が私にはピッタリだよ」
「随分と余裕な発言ね。気に入らないわ」
「そうかな? でも私に攻撃を喰らわすことはできないよ?」
スープラッシュの言葉は強ち間違いではない。
初見では無敵の狙撃手へ。そうでなくても最強の防御力。
攻防に優れたスープラッシュを相手にするのは一苦労要りそうだ。
「そうみたいね。でもうちのNightは答えが見えてる筈よ。ねっ?」
「そうだな。今見えた」
「今って、ずっと防戦一方だったってこと?」
「黙れ。いいかベル、戻って来たんだ。戦って貰うぞ」
「分かってるわよ。それで、薙刀? それとも弓? どっちよ」
「前者、薙刀だ」
Nightはまずスープラッシュの動きを止めることを優先する。
スープラッシュの反応速度なら、弓を構えただけで【水泡】を使われる。
水の中に溶けられてしまえば一巻の終わり。そうなる前に方を付ける。
「いいか、とにかくアイツを動かすな」
「動かすな? 全く無茶な注文ね」
「お前ならできるだろ。それだけ器用なんだ」
「はぁ。分かったわよ、やればいいんでしょ、やればよ!」
ベルは地面を蹴り上げて、土埃を巻き上げる。
自分自身の姿を一瞬隠し、奇襲を仕掛けた。
「うわぁ、ちょっと早いよ!?」
カキン!
ベルは薙刀フォームに切り替え、スープラッシュにぶつかる。
メイスを使って薙刀を受け止めようとするが、力はベルの方が上。
上から叩き付けるエネルギーが強まると、スープラッシュは目を見開く。
「ちょっと、なに、これ?」
「おらおら、そんなもんかよ!」
ベルは薙刀をクルリと手首で回すと、メイスを下から突き上げる。
アッパーのように払い除けると、スープラッシュはメイスを手放しそうになった。
指先に力が加わると、手汗でメイスが滑ってしまう。
「なんでこんなに強いの!? 演じてるだけなのに?」
「演じるって大変なんだぞ!」
「それはそうだろうけど……」
スープラッシュはベルの気迫に負ける。
気圧されてしまうと、足が竦んでしまった。
いっそのことメイスを手放そう。そう思って指を放した瞬間、薙刀が突き出される。
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簡単に押し倒してしまうと、スープラッシュは尻餅をつく。
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「はぁ? 当たり前だろ。私を舐めるなっての」
「くぅ……」
スープラッシュは唇を噛んでしまった。
悔しい。さっきまで優勢だったのに、相性が悪い。
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