闇バイト強盗 虐殺館

軽部雄二

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第10章

最終審査脱落メンバー・川島レオ

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三日後。
 いよいよ闇バイト強盗、叩き決行の日にち。都内某ショッピングセンターの駐車場で6人は顔を合わせる事になった。李光人と竜也が駐車場に着くと、三山は既に到着していた。李光人たちは車を降りて三山の元へ。
「おう。来たか。」
 三山も車から降りてくる。連れの男に見覚えがあった。李光人は何処で見たかとジッと男を見ていると、男はいきなり李光人の胸倉を掴んで来た。
「おい、お前。何をジロジロ見てやがるんだ!」
「いや、済みません。どこかでお見かけした様な気がして。」
 李光人はガラの悪い男の剣幕に圧され、謝った。三山は笑いながらその男を窘める。
「おい、レオ。止めろ。ゴメンね、李光人君。こいつ川島レオって言うの。Z-1のオーディションの最終審査で脱落してさ。その縁でこいつを引っ張って来たんだ。」
 それを聞いて思い出す。そのオーデション番組を李光人も見ていた。あの時の人だ。ただ、テレビで見た時と大分印象が違う。テレビでは誠実そうな印象だったが、実際はこんなオラオラ系だったとは・・・・。
「・・・・その番組、俺、見てました。確か、獅子って書いてレオさんって読ませるんでしたよね。」
「そうそう、そのレオ、レオ良かったな。李光人君、お前の事テレビで見てくれていたって。」
 ところが川島獅子はまたもや難癖をつける。
「お前、俺の事を馬鹿にしているんだろう。獅子って書いてレオって読ませたら悪いのか。えっ!」
「別に馬鹿になんて・・・・特徴的な名前だったからテレビで印象に残っただけで。」
 李光人は弁明するが、レオは殴り掛かりそうな剣幕だ。
「おい、凌輝。この男随分喧嘩ぱやいな。こんな奴連れて来て大丈夫なのか?薬物やってるんじゃねえだろうな?」
 それを聞いたレオのターゲットは李光人から竜也に移り変わった。
「なんだ、お前。偉そうに。やんのか、おい。」
 竜也は全くレオを無視してタバコを口にくわえると、火を点ける。
「うるせえよ。分かったから黙ってろ。レオちゃん。」
 その瞬間、レオの掌が竜也のタバコを払った。
「俺の事をちゃん付けで呼べるのはママだけ・・・・ぎゃっ!」
 竜也の右ストレートがレオの顔面に炸裂した。吹っ飛ぶレオ。鼻から鮮血が滴る。
「何がママだ、この野郎。気持ち悪いんだよ。」
「・・・・済みません・・・。」
 レオは怯えた表情で縮こまった。三山は苦笑いしながら頭を掻いた。
「竜也、そう苛めるなよ。こいつだって仲間なんだからよ。」
「本当にこんな奴連れて行って大丈夫なのかよ?」
「こいつは役に立つぜ。俺の言う事なら何でも聞くからな。」
「・・・・・・・。」
 竜也は何も言わずにタバコをふかした。
「それより残りの2人はいつ来るんだ?」
「・・・もう来る頃だが・・・。」
「誰を呼んだんだ?」
「手越だ。あいつが信用できる奴を連れて来る事になっている。」
 その時、丁度黒いバンがこちらに向かって来ながらクラクションを鳴らす。
「来たな。」
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