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幸福
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本当の恋人同士になれた日から数ヶ月。
私達はお互いの家を行ったり来たりしていた。
彼女の家で過ごすことが多くなってくると
二人で出掛ける機会は極端に少なくなって
将来の話しをする事が多くなっていった。
「ねぇ、五十嵐くんは
いつかは一緒に暮らすとか考えない?」
「それって、結婚ってこと?」
「違う違う、そういう意味じゃないけど」
「一緒に暮らすとなると、経験から
いろんな意味で慎重になると思うけど
聖子はどうしたいの?」
「私は五十嵐くんと居てすごく幸せだし
今の生活が合ってると思うから
変えたくないとは思ってるよ」
「僕は聖子が幸せならそれが一番だし
側に居てくれるだけで大丈夫だから」
「そう、でもその"大丈夫"って
たまによく判らないときがある」
この頃はまだ彼女が本当はどう思ってるのか
計り知ることは出来ないでいたと思う。
彼女のほうもそう思っていたに違いない。
彼女を知る男達が彼女の事を放って置くとは
到底思えないくらい素敵な女性だっただけに
時々連絡が取れなくなったりすることがあると
彼女を失うかもと考えるだけで怖かった。
要するに私はかなり嫉妬深い男だったようだ。
ただ、喧嘩はまだ一度もしていなかった。
「聖子、たまには飲みに行く?」
「ほんと?どこ?どこ?」
「行きたいとこないの?」
「五十嵐くんと一緒なら
どこでも "大丈夫" かな」
「こらっ」
こんな会話が何よりも嬉しかった。
この幸福な時間がいつまでも続けばいいと
心から願うばかりの数ヶ月だったと思う。
そういえば後輩岡本に彼女が出来たらしい。
私と彼女のあの騒動を知って一番悩んだのは
岡本だったと知り、申し訳なく思っていた。
私達はお互いの家を行ったり来たりしていた。
彼女の家で過ごすことが多くなってくると
二人で出掛ける機会は極端に少なくなって
将来の話しをする事が多くなっていった。
「ねぇ、五十嵐くんは
いつかは一緒に暮らすとか考えない?」
「それって、結婚ってこと?」
「違う違う、そういう意味じゃないけど」
「一緒に暮らすとなると、経験から
いろんな意味で慎重になると思うけど
聖子はどうしたいの?」
「私は五十嵐くんと居てすごく幸せだし
今の生活が合ってると思うから
変えたくないとは思ってるよ」
「僕は聖子が幸せならそれが一番だし
側に居てくれるだけで大丈夫だから」
「そう、でもその"大丈夫"って
たまによく判らないときがある」
この頃はまだ彼女が本当はどう思ってるのか
計り知ることは出来ないでいたと思う。
彼女のほうもそう思っていたに違いない。
彼女を知る男達が彼女の事を放って置くとは
到底思えないくらい素敵な女性だっただけに
時々連絡が取れなくなったりすることがあると
彼女を失うかもと考えるだけで怖かった。
要するに私はかなり嫉妬深い男だったようだ。
ただ、喧嘩はまだ一度もしていなかった。
「聖子、たまには飲みに行く?」
「ほんと?どこ?どこ?」
「行きたいとこないの?」
「五十嵐くんと一緒なら
どこでも "大丈夫" かな」
「こらっ」
こんな会話が何よりも嬉しかった。
この幸福な時間がいつまでも続けばいいと
心から願うばかりの数ヶ月だったと思う。
そういえば後輩岡本に彼女が出来たらしい。
私と彼女のあの騒動を知って一番悩んだのは
岡本だったと知り、申し訳なく思っていた。
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