10 / 15
幸福
しおりを挟む
本当の恋人同士になれた日から数ヶ月。
私達はお互いの家を行ったり来たりしていた。
彼女の家で過ごすことが多くなってくると
二人で出掛ける機会は極端に少なくなって
将来の話しをする事が多くなっていった。
「ねぇ、五十嵐くんは
いつかは一緒に暮らすとか考えない?」
「それって、結婚ってこと?」
「違う違う、そういう意味じゃないけど」
「一緒に暮らすとなると、経験から
いろんな意味で慎重になると思うけど
聖子はどうしたいの?」
「私は五十嵐くんと居てすごく幸せだし
今の生活が合ってると思うから
変えたくないとは思ってるよ」
「僕は聖子が幸せならそれが一番だし
側に居てくれるだけで大丈夫だから」
「そう、でもその"大丈夫"って
たまによく判らないときがある」
この頃はまだ彼女が本当はどう思ってるのか
計り知ることは出来ないでいたと思う。
彼女のほうもそう思っていたに違いない。
彼女を知る男達が彼女の事を放って置くとは
到底思えないくらい素敵な女性だっただけに
時々連絡が取れなくなったりすることがあると
彼女を失うかもと考えるだけで怖かった。
要するに私はかなり嫉妬深い男だったようだ。
ただ、喧嘩はまだ一度もしていなかった。
「聖子、たまには飲みに行く?」
「ほんと?どこ?どこ?」
「行きたいとこないの?」
「五十嵐くんと一緒なら
どこでも "大丈夫" かな」
「こらっ」
こんな会話が何よりも嬉しかった。
この幸福な時間がいつまでも続けばいいと
心から願うばかりの数ヶ月だったと思う。
そういえば後輩岡本に彼女が出来たらしい。
私と彼女のあの騒動を知って一番悩んだのは
岡本だったと知り、申し訳なく思っていた。
私達はお互いの家を行ったり来たりしていた。
彼女の家で過ごすことが多くなってくると
二人で出掛ける機会は極端に少なくなって
将来の話しをする事が多くなっていった。
「ねぇ、五十嵐くんは
いつかは一緒に暮らすとか考えない?」
「それって、結婚ってこと?」
「違う違う、そういう意味じゃないけど」
「一緒に暮らすとなると、経験から
いろんな意味で慎重になると思うけど
聖子はどうしたいの?」
「私は五十嵐くんと居てすごく幸せだし
今の生活が合ってると思うから
変えたくないとは思ってるよ」
「僕は聖子が幸せならそれが一番だし
側に居てくれるだけで大丈夫だから」
「そう、でもその"大丈夫"って
たまによく判らないときがある」
この頃はまだ彼女が本当はどう思ってるのか
計り知ることは出来ないでいたと思う。
彼女のほうもそう思っていたに違いない。
彼女を知る男達が彼女の事を放って置くとは
到底思えないくらい素敵な女性だっただけに
時々連絡が取れなくなったりすることがあると
彼女を失うかもと考えるだけで怖かった。
要するに私はかなり嫉妬深い男だったようだ。
ただ、喧嘩はまだ一度もしていなかった。
「聖子、たまには飲みに行く?」
「ほんと?どこ?どこ?」
「行きたいとこないの?」
「五十嵐くんと一緒なら
どこでも "大丈夫" かな」
「こらっ」
こんな会話が何よりも嬉しかった。
この幸福な時間がいつまでも続けばいいと
心から願うばかりの数ヶ月だったと思う。
そういえば後輩岡本に彼女が出来たらしい。
私と彼女のあの騒動を知って一番悩んだのは
岡本だったと知り、申し訳なく思っていた。
0
あなたにおすすめの小説
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる