僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!

だらけたい

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24.面白い光景

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「凱旋といこうか」

 なんてカッコよく言っていたチョウちゃんと僕は今、小説町へ向かう電車に乗っていた。

 そこでふと疑問に思った。

「チョウちゃんって電車通勤だったけ?」

 昔に免許を取ったと自慢気に話していたからてっきり車通勤だと思っていた。

「いつもは車で来てるよ」

 いつもは、ね。

 そう言うということはつまり、今日はわざと車で来なかったわけだ。

「どうして今日は車で来なかったの?」

 聞かなくてもそのうち話したくなって話すだろうけど、聞いたほうが早いので聞くとことにする。

「それはもちろん凱旋の演出のためだよ!」

 いい笑顔で言ってくるチョウちゃん。

 ホントに、なに言ってるんだろうね。この人は。そのために、わざわざそんなことのために車で来なかったなんて。

「凱旋の演出のために車に乗ってきてないってどういうこと?」

 一応、チョウちゃんの考えを聞いておきたいので聞いてみる。

「だってさ。車で帰るとまず私の家に帰ってから町内を回ることになるじゃん」
「まぁ、そうだね」

 途中、どこにも車を停める場所がなければ、1度チョウちゃんの家に車を置いてから町内を回るのは普通だろう。

 最悪僕だけ商店街で降ろしてもらって町内を回ってもいいのだけど、そんなことはチョウちゃんが絶対しないだろうから、やっぱり1度チョウちゃんの家に車を置きに行く必要があるだろう。

「それだったらさ。電車で帰って、駅を降りてそのままの足で駅前商店街を練り歩いたほうが凱旋したって感じしない?」

 言いたいことはわからなくもない。

 確かに車で帰って駅前商店街の方まで戻ってくるよりかは、電車で帰って駅前商店街に行ったほうが、凱旋というのはちょっと違うと思うけど帰ってきたって感じはするだろう。

「そのためだけに新幹線の駅までヒサコさんに迎えにこさせたの?」
「もちろん!」

 清々しいまでの笑顔で頷くチョウちゃんにため息しか出ない。

 って、そうなるとさらに気になることが出てきた。

「もしかして、あの車ってヒサコさんの車?」

 そうだとしたら、電車を降りてからまたチョウちゃんをまたお仕置きしないといけなくなる。

「あれは学校が所有している理事長用の移動車だけど」

 ヒサコさんの車じゃなかったことはよかったことなのだけど、

「学校の車を私用で使うのってダメなんじゃないの?」

 越権行為とかを気にしていたくせに、職権乱用しているのはどうかと思う。

「今年入学する生徒を迎えに行ったんだから、私用じゃないよ」

 堂々と言いきるチョウちゃん。

 確かに今年入学する僕を迎えに来るために使ったけど、その理由が凱旋を演出したいからという理由なので十分私用にあたるだろう。
 そもそも理事長用の移動車なんだから今年入学する新入生を迎えに行くのに使うことすらダメじゃないかな。

 と、言いたかったけど、知らなかったとはいえ乗ってきてしまったので言い出せなかった。

「でも、コウくんが帰ってきたと知れ渡ると商店街は大騒ぎになるだろうね」

 なんか大げさなことを言い始めたチョウちゃん。

「別に僕は有名人とかじゃないんだから、僕が帰ったくらいで商店街が大騒ぎになることなんてないでしょ。
 もし商店街が大騒ぎなるとしたら、母さんが帰ってきた時だろうね。母さんは交友関係も広いし商店街でも人気者だったから」

 もちろん母さん経由で交友のある人もいたし、僕自身の交友関係もあったけど、やっぱり母さんには勝てないので商店街が大騒ぎになるなんて思えなかった。

「はぁ~」

 なぜか大きなため息を吐かれた。

 おかしなことを言ったわけでもないのにそんな反応をされるのはおかしいと思うのだけど。

 そういう思いも込めてチョウちゃんを見ていると、またしてもチョウちゃんはため息を吐いた。

「確かに先輩の交友関係の広さはスゴいと思うけど、商店街は先輩よりコウくんが帰ってきたほうが大騒ぎになると私は思うね」

 確信しているように言うチョウちゃん。

「そうかな」
「そうだよ。きゃーきゃー言われると思うよ」
「きゃーきゃーって」

 そんな反応をされるなんてホントに有名人じゃないか。
 ってか、久しぶりに会うし、ちゃんと挨拶もしないといけないのだろうけど、そんな反応をされると関わりたくないから全力でスルーしたくなるね。

「ふふふ。商店街の人達が驚き、慌てふためき、そしてコウくんに群がってきゃーきゃー言っている面白い光景が目に浮かぶよ」

 それって面白い光景なのか?と言いたいが、とりあえずはチョウちゃんの笑いを止めるために頭を軽く叩いた。

「期待してるところ悪いけど、そんなことにはならないよ」

 僕の予想としては、商店街のおばちゃん達が多少は騒ぐかもしれないけど、それぐらいだろう。

「ふっ。なるかどうかは商店街に行けばわかるよ」
「それもそうか」

 と納得していると電車は小説町駅に到着したので僕達は電車を降りた。
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