僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!

だらけたい

文字の大きさ
29 / 85

29.神相手に

しおりを挟む
「それでは、ただいまよりコウへの質問大会を始めます」

 ジンが仰々しく宣言すると、席に座る商店街の面々からは拍手がおきた。

「だからなんでやねん!」

 僕は隣に立つジンの脇腹にツッコミの拳を入れる。

 ホントに「なんでやねん」な状況である。

 ジンが質問大会の開催を宣言した瞬間、商店街のど真ん中にテレビでよく見る会見場の中の状況が出来上がり、商店街の人達は慣れた様子で椅子に座っていった。

 僕はリンとジンによって商店街の人達の正面真ん中の席に座らされ、僕の前の机には複数のマイク、商店街の人達の後ろには数台のカメラ、という完璧な会見スタイルが出来上がっていた。

 だからこそホントに「なんでやねん」なのだ。

「ぐふっ」

 ジンは脇腹をおさえながら片膝をついた。

「姐さん。さっきもそうやけど、ツッコミの威力が強すぎて暴力になってしもてるで」
「それでも笑いに変えるのがジンの仕事でしょ?」

 ムチャブリだとわかっていつつも、笑顔で言ってあげるとジンは驚愕の表情で静かに倒れていった。

「お、俺に構わず………先に進めろ………」
「と、いうわけで司会進行はリンがつとめさせていただきます」

 左隣に座っていたリンが引き継いで立ち上がると、拍手がおきた。

 ちなみにチョウちゃんはまだ気絶していて、リンの左隣に座らされている。

 まぁ、起きてたらうるさいだけなのでそれでいいけど。

「ちょっと待て!」

 みんなの反応にすかさずツッコミながらジンが立ち上がった。

「何?」

 リンは不思議そうにジンへ問いかける。

「何?、やないやろ!ちょっとぐらい心配せんか!なんでそんなにあっさり司会進行を引き継げんねん!」
「いや、先に進めろって言われたから」

 ジンの言い分もリンの言い分もどちらもわかるので、僕は黙って2人の会話を見ている。

「ネタに決まってるやろ!司会進行は俺がやる!」
「どうぞどうぞ」

 あっさりと引き下がったリンに、ガクッとジンは軽くズッコケた。

「そんなあっさり引くなや!」
「えっ?司会進行するのでしょ?だったらどうぞどうぞ」
「いや!そこはイヤとか言ってダダをこねろや!じゃないと笑いに繋がらないやろが!」
「え~」
「え~、やない!これやからわら「では、質問大会の説明をいたします」
「なんでやねん!」

 言葉の途中で遮られたジンはリンへツッコんだ。

「何よ」

 ツッコまれたリンはジト目でジンを見た。

「いやいや!また司会進行始めるっておかしいだろ!しかも俺が喋ってる途中でって!」
「質問大会ですが「だからなんでやねん!」

 今度はジンがリンの言葉を遮ってツッコむ。

 すると、両者が睨み合いを始めたのでその睨み合いを邪魔するように僕は立ち上がった。

「というわけで、新たに司会進行をするコウです」
『なんでやねん!』

 両サイドから息のあったツッコミをもらうが気にせずに進行をする。

「以上をもちまして質問大会を終わります」
『勝手に終わらすな!』

 再度息のあったツッコミをもらったし、見ている人達の笑いも誘えたのでそろそろ終わることにする。

「もういいわ」

 僕がそう言うと、ジンとリンも前を向いた。

『どうもありがとうございました』

 頭を下げるとたくさんの拍手をもらったので、3人ではけようとしたが、

「って違うわ!」

 そう叫んだジンに肩を掴まれた。

「何が違うの?しっかりとオチがついたのだから何も違わないだろ?」

 ホントは何が違うのかわかっているが、このまま終わってほしい僕はとぼける。

「質問も何もしてないのにホンマに質問大会終わらせようとすな!」

 ジンの言葉でハッとするリンや商店街の人達を見て、僕はうまく逃げることが出来ずに「チッ!」と舌打ちをした。

「舌打ちしたよ!この姐さん!」
「質問大会は最悪いいよ。聞きたいことがあるのはわかるからね。でも、なんでマイクやカメラがあるのかは聞きたいのだけど」

 マイクはまだわからなくもない。

 どこから質問大会の話を聞きつけたのかはわからないけど、かなりの人が集まっているので普通に喋っただけでは奥の人まで声は届かないだろう。

 しかし、カメラは意味がわからない。なんでそんなモノが必要なのか。そんなので僕を撮って何になるのか。返答によってはジンもお仕置きの対象になるだろう。

「あのカメラは町内テレビのカメラやで」
「町内テレビ?」
「そや。町内で起こったことをみんなにお知らせする小説町内でしか見れへんテレビや」
「いつそんなのが出来たの?」

 僕がこっちに住んでいた時にはそんなモノはなかった。

「出来たのは一昨日やな」
「いやいやいや!一昨日ってありえないでしょ!」
「ホンマに一昨日出来たんやから。なぁリン」
「えぇ一昨日よ」
「え~………」

 怒ることを忘れるくらい予想外すぎる答えだった。

「じゃあ、その町内テレビは町内会がやってるの?」
「そうでもないみたいやで。町内会長も知らないって驚いとったくらいやからな」
「………」

 もう絶句するしかなかった。

 そんなどこがやってるかもわからないテレビって恐怖でしかないでしょ。

「大丈夫よ。どっかの神が気まぐれに始めただけだからね。それに、もし小説町に害のあるテレビなら、たとえ神が始めたテレビでも私が潰すから」
「それなら大丈夫なのかな」

 そもそもなぜ神がそんなテレビを始めたのかというナゾは残るけど、神相手に僕が出来ることなんてなにもないし、神獣であるリンが大丈夫だと言う以上はそれを信じるしかない。

「ほな、質問大会を始めるから座ってや」

 さっきのコントで自然と逃げることが出来なかった以上、諦めた僕はため息を吐きながら椅子に座った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

処理中です...