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29.神相手に
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「それでは、ただいまよりコウへの質問大会を始めます」
ジンが仰々しく宣言すると、席に座る商店街の面々からは拍手がおきた。
「だからなんでやねん!」
僕は隣に立つジンの脇腹にツッコミの拳を入れる。
ホントに「なんでやねん」な状況である。
ジンが質問大会の開催を宣言した瞬間、商店街のど真ん中にテレビでよく見る会見場の中の状況が出来上がり、商店街の人達は慣れた様子で椅子に座っていった。
僕はリンとジンによって商店街の人達の正面真ん中の席に座らされ、僕の前の机には複数のマイク、商店街の人達の後ろには数台のカメラ、という完璧な会見スタイルが出来上がっていた。
だからこそホントに「なんでやねん」なのだ。
「ぐふっ」
ジンは脇腹をおさえながら片膝をついた。
「姐さん。さっきもそうやけど、ツッコミの威力が強すぎて暴力になってしもてるで」
「それでも笑いに変えるのがジンの仕事でしょ?」
ムチャブリだとわかっていつつも、笑顔で言ってあげるとジンは驚愕の表情で静かに倒れていった。
「お、俺に構わず………先に進めろ………」
「と、いうわけで司会進行はリンがつとめさせていただきます」
左隣に座っていたリンが引き継いで立ち上がると、拍手がおきた。
ちなみにチョウちゃんはまだ気絶していて、リンの左隣に座らされている。
まぁ、起きてたらうるさいだけなのでそれでいいけど。
「ちょっと待て!」
みんなの反応にすかさずツッコミながらジンが立ち上がった。
「何?」
リンは不思議そうにジンへ問いかける。
「何?、やないやろ!ちょっとぐらい心配せんか!なんでそんなにあっさり司会進行を引き継げんねん!」
「いや、先に進めろって言われたから」
ジンの言い分もリンの言い分もどちらもわかるので、僕は黙って2人の会話を見ている。
「ネタに決まってるやろ!司会進行は俺がやる!」
「どうぞどうぞ」
あっさりと引き下がったリンに、ガクッとジンは軽くズッコケた。
「そんなあっさり引くなや!」
「えっ?司会進行するのでしょ?だったらどうぞどうぞ」
「いや!そこはイヤとか言ってダダをこねろや!じゃないと笑いに繋がらないやろが!」
「え~」
「え~、やない!これやからわら「では、質問大会の説明をいたします」
「なんでやねん!」
言葉の途中で遮られたジンはリンへツッコんだ。
「何よ」
ツッコまれたリンはジト目でジンを見た。
「いやいや!また司会進行始めるっておかしいだろ!しかも俺が喋ってる途中でって!」
「質問大会ですが「だからなんでやねん!」
今度はジンがリンの言葉を遮ってツッコむ。
すると、両者が睨み合いを始めたのでその睨み合いを邪魔するように僕は立ち上がった。
「というわけで、新たに司会進行をするコウです」
『なんでやねん!』
両サイドから息のあったツッコミをもらうが気にせずに進行をする。
「以上をもちまして質問大会を終わります」
『勝手に終わらすな!』
再度息のあったツッコミをもらったし、見ている人達の笑いも誘えたのでそろそろ終わることにする。
「もういいわ」
僕がそう言うと、ジンとリンも前を向いた。
『どうもありがとうございました』
頭を下げるとたくさんの拍手をもらったので、3人ではけようとしたが、
「って違うわ!」
そう叫んだジンに肩を掴まれた。
「何が違うの?しっかりとオチがついたのだから何も違わないだろ?」
ホントは何が違うのかわかっているが、このまま終わってほしい僕はとぼける。
「質問も何もしてないのにホンマに質問大会終わらせようとすな!」
ジンの言葉でハッとするリンや商店街の人達を見て、僕はうまく逃げることが出来ずに「チッ!」と舌打ちをした。
「舌打ちしたよ!この姐さん!」
「質問大会は最悪いいよ。聞きたいことがあるのはわかるからね。でも、なんでマイクやカメラがあるのかは聞きたいのだけど」
マイクはまだわからなくもない。
どこから質問大会の話を聞きつけたのかはわからないけど、かなりの人が集まっているので普通に喋っただけでは奥の人まで声は届かないだろう。
しかし、カメラは意味がわからない。なんでそんなモノが必要なのか。そんなので僕を撮って何になるのか。返答によってはジンもお仕置きの対象になるだろう。
「あのカメラは町内テレビのカメラやで」
「町内テレビ?」
「そや。町内で起こったことをみんなにお知らせする小説町内でしか見れへんテレビや」
「いつそんなのが出来たの?」
僕がこっちに住んでいた時にはそんなモノはなかった。
「出来たのは一昨日やな」
「いやいやいや!一昨日ってありえないでしょ!」
「ホンマに一昨日出来たんやから。なぁリン」
「えぇ一昨日よ」
「え~………」
怒ることを忘れるくらい予想外すぎる答えだった。
「じゃあ、その町内テレビは町内会がやってるの?」
「そうでもないみたいやで。町内会長も知らないって驚いとったくらいやからな」
「………」
もう絶句するしかなかった。
そんなどこがやってるかもわからないテレビって恐怖でしかないでしょ。
「大丈夫よ。どっかの神が気まぐれに始めただけだからね。それに、もし小説町に害のあるテレビなら、たとえ神が始めたテレビでも私が潰すから」
「それなら大丈夫なのかな」
そもそもなぜ神がそんなテレビを始めたのかというナゾは残るけど、神相手に僕が出来ることなんてなにもないし、神獣であるリンが大丈夫だと言う以上はそれを信じるしかない。
「ほな、質問大会を始めるから座ってや」
さっきのコントで自然と逃げることが出来なかった以上、諦めた僕はため息を吐きながら椅子に座った。
ジンが仰々しく宣言すると、席に座る商店街の面々からは拍手がおきた。
「だからなんでやねん!」
僕は隣に立つジンの脇腹にツッコミの拳を入れる。
ホントに「なんでやねん」な状況である。
ジンが質問大会の開催を宣言した瞬間、商店街のど真ん中にテレビでよく見る会見場の中の状況が出来上がり、商店街の人達は慣れた様子で椅子に座っていった。
僕はリンとジンによって商店街の人達の正面真ん中の席に座らされ、僕の前の机には複数のマイク、商店街の人達の後ろには数台のカメラ、という完璧な会見スタイルが出来上がっていた。
だからこそホントに「なんでやねん」なのだ。
「ぐふっ」
ジンは脇腹をおさえながら片膝をついた。
「姐さん。さっきもそうやけど、ツッコミの威力が強すぎて暴力になってしもてるで」
「それでも笑いに変えるのがジンの仕事でしょ?」
ムチャブリだとわかっていつつも、笑顔で言ってあげるとジンは驚愕の表情で静かに倒れていった。
「お、俺に構わず………先に進めろ………」
「と、いうわけで司会進行はリンがつとめさせていただきます」
左隣に座っていたリンが引き継いで立ち上がると、拍手がおきた。
ちなみにチョウちゃんはまだ気絶していて、リンの左隣に座らされている。
まぁ、起きてたらうるさいだけなのでそれでいいけど。
「ちょっと待て!」
みんなの反応にすかさずツッコミながらジンが立ち上がった。
「何?」
リンは不思議そうにジンへ問いかける。
「何?、やないやろ!ちょっとぐらい心配せんか!なんでそんなにあっさり司会進行を引き継げんねん!」
「いや、先に進めろって言われたから」
ジンの言い分もリンの言い分もどちらもわかるので、僕は黙って2人の会話を見ている。
「ネタに決まってるやろ!司会進行は俺がやる!」
「どうぞどうぞ」
あっさりと引き下がったリンに、ガクッとジンは軽くズッコケた。
「そんなあっさり引くなや!」
「えっ?司会進行するのでしょ?だったらどうぞどうぞ」
「いや!そこはイヤとか言ってダダをこねろや!じゃないと笑いに繋がらないやろが!」
「え~」
「え~、やない!これやからわら「では、質問大会の説明をいたします」
「なんでやねん!」
言葉の途中で遮られたジンはリンへツッコんだ。
「何よ」
ツッコまれたリンはジト目でジンを見た。
「いやいや!また司会進行始めるっておかしいだろ!しかも俺が喋ってる途中でって!」
「質問大会ですが「だからなんでやねん!」
今度はジンがリンの言葉を遮ってツッコむ。
すると、両者が睨み合いを始めたのでその睨み合いを邪魔するように僕は立ち上がった。
「というわけで、新たに司会進行をするコウです」
『なんでやねん!』
両サイドから息のあったツッコミをもらうが気にせずに進行をする。
「以上をもちまして質問大会を終わります」
『勝手に終わらすな!』
再度息のあったツッコミをもらったし、見ている人達の笑いも誘えたのでそろそろ終わることにする。
「もういいわ」
僕がそう言うと、ジンとリンも前を向いた。
『どうもありがとうございました』
頭を下げるとたくさんの拍手をもらったので、3人ではけようとしたが、
「って違うわ!」
そう叫んだジンに肩を掴まれた。
「何が違うの?しっかりとオチがついたのだから何も違わないだろ?」
ホントは何が違うのかわかっているが、このまま終わってほしい僕はとぼける。
「質問も何もしてないのにホンマに質問大会終わらせようとすな!」
ジンの言葉でハッとするリンや商店街の人達を見て、僕はうまく逃げることが出来ずに「チッ!」と舌打ちをした。
「舌打ちしたよ!この姐さん!」
「質問大会は最悪いいよ。聞きたいことがあるのはわかるからね。でも、なんでマイクやカメラがあるのかは聞きたいのだけど」
マイクはまだわからなくもない。
どこから質問大会の話を聞きつけたのかはわからないけど、かなりの人が集まっているので普通に喋っただけでは奥の人まで声は届かないだろう。
しかし、カメラは意味がわからない。なんでそんなモノが必要なのか。そんなので僕を撮って何になるのか。返答によってはジンもお仕置きの対象になるだろう。
「あのカメラは町内テレビのカメラやで」
「町内テレビ?」
「そや。町内で起こったことをみんなにお知らせする小説町内でしか見れへんテレビや」
「いつそんなのが出来たの?」
僕がこっちに住んでいた時にはそんなモノはなかった。
「出来たのは一昨日やな」
「いやいやいや!一昨日ってありえないでしょ!」
「ホンマに一昨日出来たんやから。なぁリン」
「えぇ一昨日よ」
「え~………」
怒ることを忘れるくらい予想外すぎる答えだった。
「じゃあ、その町内テレビは町内会がやってるの?」
「そうでもないみたいやで。町内会長も知らないって驚いとったくらいやからな」
「………」
もう絶句するしかなかった。
そんなどこがやってるかもわからないテレビって恐怖でしかないでしょ。
「大丈夫よ。どっかの神が気まぐれに始めただけだからね。それに、もし小説町に害のあるテレビなら、たとえ神が始めたテレビでも私が潰すから」
「それなら大丈夫なのかな」
そもそもなぜ神がそんなテレビを始めたのかというナゾは残るけど、神相手に僕が出来ることなんてなにもないし、神獣であるリンが大丈夫だと言う以上はそれを信じるしかない。
「ほな、質問大会を始めるから座ってや」
さっきのコントで自然と逃げることが出来なかった以上、諦めた僕はため息を吐きながら椅子に座った。
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