僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!

だらけたい

文字の大きさ
28 / 85

28.次の店へ

しおりを挟む
「おかえり、コウ」「初め見た時はわからなかったよ」「スゴく大きくなったわね」「きゃー」「女性らしくなったわね」「カッコよくもなってるしね」「宝塚の男役かと思ったわ」「きゃー」「キレイになったわね」

「ちょっ!待っ!」

 商店街で働くおばちゃん達をどうにかして止めようとするも、360度囲まれてしまったうえに、喋りだしたら止まらないおばちゃん達の圧に太刀打ち出来るはずもなく、おばちゃん達の勢いを止めることが出来ない。

「でもホントに久しぶりよね」「今日のおすすめの玉ねぎ貰っていってね」「きゃー」「うちはサワラ持っていってよ」「今日はいい牛バラ入ったからあげるわ」「きゃー」「揚げてコロッケ食べていきな」「うちの息子貰ってくれないかしら」「それならうちの娘が先でしょ」「きゃーきゃー」「私を貰ってくれてもいいのよ?」「うちの養子にこない?」

 なんか話がおかしな方向に向かってるのだけど!さらに言えば、誰か「きゃー」しか言ってないんだけど!?

 いや、それより本当にどうにかしておばちゃん達を止めないと!と思うのだけど、止める方法が思いつかない。

 そもそも僕の考えでは、それぞれの店先で軽く話をして次の店へ、って感じで帰ってきた報告をすると思っていたので、ここまで一斉に押寄せられるのはホントに想定外なのだ。

 そういう意味ではホントにチョウちゃんの言っていたことが正解だったのだろう。

 そのチョウちゃんはまだ気絶から復活しておらず、見たがっていた大騒ぎする様子を見れていないわけだけど。
 さらに言えば、そんなチョウちゃんを抱えているリンはしっかり逃げていて、おばちゃん達の輪の外から僕を見ていた。

 そこら辺はちゃっかりしてるよね。

 ってか、自分だけ逃げずに僕も助けるか一緒に逃げてくれればいいのに。

 と、思いながらリンへ一瞬睨むように視線を向けたが、リンは気にした様子もなく楽しそうに僕達を見ていた。

 そんなことをしても状況が良くなるわけじゃないとわかっているし、どうにかしておばちゃん達を止めないと、ホントにこのままだとどこかの家に嫁に行くか嫁(?)を貰うことが決まってしまいそうだと思っていると、

 パン!!!

 その大きな音にビクッとしたことでおばちゃん達の喋りが止まり、圧もなくなった。

 そのことにホッとしつつも、誰がそんな音を出したのか気になっていると、

「はいはい。ちょっと通してな」

 そんな言葉が聞こえてきたかと思えば、おばちゃん達の間からグラサンをかけて手にはハリセンを持った青年が出てきた。その後ろにはさらに20人程の青年達も続いて出てきた。

 なるほど。さっきの大きな音はあのハリセンの音か。

 納得していると、グラサン青年は僕を見て手を振ってきた。

「おっ!ホンマに姐さんやん!久しぶりやな~!」
『お久しぶりです!姐さん!』

 僕のことを姐さんと呼ぶこのグラサン青年と青年達は、今は何をしているのか知らないけど、昔はここら辺では最強の不良と言われていた男の関西ジンとその時の仲間達のモブ達だ。

 ちなみに、なぜ彼らが僕のことを姐さんと呼ぶのかというと、それは色々あったからで、それについてはいつか語る機会があると思うからその時に。

「姐さんと呼ぶのは止めてって言ってるでしょ」

 色々あったとはいえ、4~6歳も年上の男達から姐さんと呼ばれるのはやっぱりむず痒いものがあるし、知らない人からはおかしな目で見られるからイヤなのだ。

「そうは言われても姐さんは姐さんやからな」

 そう言ってジンは笑い、モブ達は頷いた。

「はぁ」

 何度言っても聞いてくれなかったことなので、今回も聞いてくれないとは思っていた。

「ちょっとジン。なに横から入ってきてコウと楽しそうに話してるのよ」

 今の会話をどういう風に聞けば楽しそうに聞こえるのかは謎だけど、横入りされたことを怒る肉(屋の)おばちゃん。

「俺も最初は横入りするつもりはなかったんやけどな。おばちゃん達みんな自分が自分がと喋り続けるだけでいつまで経っても誰もコウに質問する様子もなかったからな。このまま待ってても何も聞けないと思ったし、こりゃ埒が明かんわと思ったから申し訳ないけど横入りさせてもらったわ」

 ジンの指摘にさっきまでの自分達の姿を思い出したのか、おばちゃん達は恥ずかしそうにし始めた。

 思い返して恥ずかしくなるくらいなら初めから落ち着いて来てほしかったな。とは思わなくもないけど、それが出来ないのがおばちゃん達だから仕方ないか。

 しかし、やっぱりジンは口がうまいからしっかりとおばちゃん達を言いくるめた上で落ち着かせてくれた。

「わかってくれたらよかったわ」

 僕もジンが来てくれてよかったとホッとしていると、

「それじゃあコウの質問大会始めるで~!」
『おー!』

 ジンの言葉に盛り上がるおばちゃん達。

 はい?質問大会?なにそれ?じゃなくて!

「なんでやねん!」

 僕はジンのお腹にツッコミを入れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

処理中です...