僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!

だらけたい

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34.勝手に受け取り

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 夕食のカツ丼を食べ終える頃にはチョウちゃん達の罰の1時間も経った。

「よし。立ってもいいぞ」

 ケイさんからの許可も出たので立ち上がろうとする3人。

 しかし、普通の人間は1時間も正座をしたら確実に足がしびれるので、リン以外は立つことが出来ずに苦悶していた。

「ふっ。未熟者めが」

 立てない2人を見てなぜか上から目線で勝ち誇るように言うリン。その頭をケイさんがハリセンで叩こうとしたが、リンはしっかり避けてさらにドヤ顔をした。

「どんなことでも言えるけど、リンに勝つことが出来る人間なんていないんだからな」
「それに、正座の熟練者のお坊さんでも1時間の正座はキツいと思うよ」
「それもそうか」

 僕達の言葉に納得したリンは頷いている。

 リンが納得したのはいいのだが、チョウちゃんが立てないのはよくないことだ。

 すでに8時を過ぎているのに、チョウちゃんが立てるようになるのを待っていたらチョウちゃんの家に着く頃には9時になっているかもしれない。

 まぁ、もう荷解きすることは諦めてるのでいくら遅くなってもいいといえばいいのだけれど、やっぱり早くチョウちゃんの家に行けることにこしたことはないので、ここは最終手段をとることにしよう。

「チョウちゃん。ちょっとイタいかもしれないけど我慢してね」

 行動をおこす前に1言かける。

「え?」

 戸惑いの声を了承と勝手に受け取り、僕はチョウちゃんをお姫様抱っこで抱きかかえた。

「コ、コウくん!?」
「コウ!?」

 急にお姫様抱っこされたチョウちゃんはともかく、リンまで驚きの声をあげていた。

「もうだいぶ遅いし、チョウちゃんが立てるようになるのを待つつもりはないからこのまま帰るよ」
『えぇーーー!』

 やっぱりなぜかチョウちゃんと一緒にリンまで叫び声をあげるのは謎だ。

「いや!チョウちゃんが立てるようになるのを待てばいいじゃん!」
「もう8時過ぎてるんだし、これ以上遅くなりたくないからね」
「だったら私の力でチョウちゃんの足のしびれをとるから!」
「足のしびれをとるなんてことにリンの力を無駄遣いする必要はないでしょ」
「だったら私もお姫様抱っこって連れて帰ってよ!」

 無茶苦茶なことを言い出すリン。

「自分の足で立ってるくせになに言ってるの?」

 チョウちゃんをお姫様抱っこしてるのだって最終手段だっただけで、しなくていいのならしたくないことなのだ。

「ふふっ。未熟者の逆転勝利だね」

 僕の首に抱きついてきたチョウちゃんは、リンに向けて勝ち誇っていた。

 いや、なんの勝負でなにが勝ちなのって言いたくなるけど、それを聞くとめんどくさくなるだろうから聞かないでおこう。

「じゃあ、私今日チョウちゃんの家に泊まる!」

 そう言いながら僕の背中に抱きついてくるリン。

「ちょっ」

 危ないと言いかけたけど、リンは力を使って体重を感じなくしてたのでバランスを崩すことはなかった。

 バランスを崩さなかったのはよかったのだけど、ホントに力の無駄遣いと言いたくなる。

「なんでそうなるの!?」

 チョウちゃんが驚いているが、リンは泊まる気満々で意見を変えるつもりはなさそうだ。

「いいじゃん。別に困らないでしょ?」
「困るよ!」
「何が困るのさ」
「リンの着替えとかどうするのさ!」

 リンは思いつきで泊まるなんて言い出しているだろうから着替えがあるわけもないだろう。

「コウに借りる」
「貸さないよ」
「え~」
「え~、じゃない」

 そもそも荷解きすら終えてないのに、明日僕が着る服すらないのに貸せるわけがない。

「だったら力を使って取り寄せるから大丈夫」

 また力の無駄遣いをして何が大丈夫なのかと思うけど、着替えの問題は解消出来るだろう。

「リンの寝る場所がないし」
「コウと寝るから大丈夫」
「なんでそうなるの?」
「ダメなの?」
「ダメというか、そもそも僕の部屋がどんな部屋なのか分からないのにそんなことを言われても困る。それに荷解き出来てないから部屋はダンボールでいっぱいになるだろうし」

 そうなると、僕が寝れるスペースがあるかも怪しくなってくる。

「それならみんなで雑魚寝する?」

 リンがどうにかして泊まる方向にもっていこうとするので、ここはチョウちゃんにビシッと言ってもらったほうがいいだろう。

 と思ってチョウちゃんを見ると、チョウちゃんはあごに手を当てて考え込んでいた。

「みんなで雑魚寝。いいかも」
「えー」

 まさかのみんなで雑魚寝でチョウちゃんの意見がリンを泊める方向へと変わってしまった。

「でしょ!」
「だね!」
「そうと決まれば早くチョウちゃんの家に行こう!」

 リンが張り切って言ってるけど、僕は納得したわけじゃないんだけどな~。まぁ、チョウちゃんが認めたから文句は言わないけど。それに、やっとチョウちゃんの家に行けるからね。

「そういうことで、ケイさん。帰りますね」
「そう。コウとリンが居れば大丈夫だろうけど、暗い中帰るんだから気をつけて帰りなよ」
「はい。さようなら」
「じゃ~ね」
「ばいば~い」
「ってか、リンは自分で歩いてくれない?」
「いいじゃん。重くないでしょ?」
「そうだけど」
「じゃあいいじゃん」
「ハァ」

 ため息を吐いた僕は渋々この状態のまま歩き出した。

「ちょっ!俺を置いていくんか!?」

 その言葉に後ろを振り返ると、まだ立ち上がれないジンがいた。

「あんたは男なんだから1人でも大丈夫だろ。それに、勝手知ったる警察署なんだから足のしびれとれたら勝手に帰れよ」

 そう言ったケイさんは扉を閉めた。

「そんな殺生なー!」
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