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80.私の代わりに
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動き出した猿賊は6頭。3・3に分かれて僕とリンに向かってきた。
猿なのでスピードは早いが、対応は十分可能ではある。
なので、猿達が飛びかかってきた瞬間に僕とリンは場所を入れ替わった。
『ウキャ!?』
猿達が驚くのもムリはないだろう。
なにせ、僕が183センチで身長を自由に変えられるリンの今の身長は173センチ。その身長差は10センチ。
そうなると、僕に飛びかかろうとしていた猿達はリンに変わったことで紙風船の位置が低くなり、リンに飛びかかろうとしていた猿達は僕に変わったことで紙風船の位置が高くなったので狙いが狂うことになる。
そうして猿達が動揺しているうちに僕は目の前、いい高さにある猿達の紙風船をピコピコハンマーで一気に叩き割る。
隣からも紙風船が割れる音が複数回したのでしっかりとリンも叩き割ったのだろう。
『ウキャー!』
頭上から聞こえてきた鳴き声に上を見るまでもなく後ろへ下がる。
直後、さっきまで僕が居た場所に2頭の猿が降り立った。
「奇襲をするなら」
僕は降り立ったばかりで隙だらけの2頭の紙風船を叩くのではなく、ピコピコハンマーを上に突き上げた。
直後に生じるピコピコハンマーへの衝撃と「ウキッ!?」という驚きの鳴き声。
「これぐらい静かにね」
まさか上を見ることなく3頭目の奇襲を防いだことに、先に降り立った2頭も驚きの表情で固まっていたので、その手からピコピコハンマーを奪うと2頭の紙風船を叩き割った。
「ウキャ!」
それを見てハッとした3頭目が飛び退いたので僕も1歩後ろへ飛ぶと、目の前をターザンのようにロープでやって来た猿が通り過ぎていった。
その猿はそのままリンの方へと行ったけど呆気なく返り討ちにあって紙風船を割られていた。
「コウ!対応出来る攻撃だったのに避けるな!こっちの負担が増えるだろ!」
猿達の判断なのか、それとも裏で猿達を操っている黒幕の指示なのか。
って、考えるまでもなく黒幕の指示だろう。リンの方が集中的に攻撃されていた。
「え~。だって楽したいじゃん」
さっき飛び退いた猿が戻ってきた上に僕の方にもさらに5頭やって来て、見事な連携攻撃を仕掛けてきた。
「こっちの2分の1の数しか相手にしてないくせに何が楽したいだ!」
「その文句はそういう配分で襲ってきている猿達に言ってよ」
「猿共!せめて平等に半々で襲ってこいよ!」
僕の言い分を聞いてホントに猿に向かって文句を言ったリンだけど、猿達は聞か猿といった様子でリンを攻撃し続けた。
「だぁー!クソ猿共がー!」
「お父さん。子供達が見てるのに言葉づかいが悪くなってますよ」
「うるせー!そんなコントに付き合ってる状況じゃねーんだぞ!」
と言ってはいるけど、リンが本気になれば15頭の猿達の紙風船を割るなんて一瞬で終わるので、本気で怒っているわけでもなければ、しっかりとコントに付き合ってくれているわけなのだ。
「ほらまた。言葉づかいを悪くしてはダメですよ。ねぇお猿さん」
『ウキ』
僕が問いかけると、猿達は攻撃の手を止めて頷いた。
「だから!そんな余裕はないんだって!ってかなんで猿共はコウよりなんだよ!」
「それは私が正しいからですよ」
『ウキ』
「そもそも俺達は夫婦ですらねーだろが!」
その言葉に僕は崩れ落ちた。
「よよよ。まさか愛する夫からそんなことを言われるなんて。しくしくしく」
僕が泣き真似を始めると、リンを攻撃していた猿達まで僕のところにきて慰めてくれた。
「完璧にウソ泣きじゃねーか!ってか!なんで敵である猿共はコウよりなんだよ!」
「強い夫とか弱い妻ならか弱い妻の味方をするのは当たり前でしょ?」
『ウキウキ』
「そこまで戦えてコウがか弱いっていうのは詐欺だろ!」
「よよよ。お猿さん達。私の代わりにリンを倒してくれませんか?」
『ウキャー!』
僕のお願いを聞いた21頭の一斉攻撃が始まった。
「うおっ!テメー!後で覚えとけよ!」
猿なのでスピードは早いが、対応は十分可能ではある。
なので、猿達が飛びかかってきた瞬間に僕とリンは場所を入れ替わった。
『ウキャ!?』
猿達が驚くのもムリはないだろう。
なにせ、僕が183センチで身長を自由に変えられるリンの今の身長は173センチ。その身長差は10センチ。
そうなると、僕に飛びかかろうとしていた猿達はリンに変わったことで紙風船の位置が低くなり、リンに飛びかかろうとしていた猿達は僕に変わったことで紙風船の位置が高くなったので狙いが狂うことになる。
そうして猿達が動揺しているうちに僕は目の前、いい高さにある猿達の紙風船をピコピコハンマーで一気に叩き割る。
隣からも紙風船が割れる音が複数回したのでしっかりとリンも叩き割ったのだろう。
『ウキャー!』
頭上から聞こえてきた鳴き声に上を見るまでもなく後ろへ下がる。
直後、さっきまで僕が居た場所に2頭の猿が降り立った。
「奇襲をするなら」
僕は降り立ったばかりで隙だらけの2頭の紙風船を叩くのではなく、ピコピコハンマーを上に突き上げた。
直後に生じるピコピコハンマーへの衝撃と「ウキッ!?」という驚きの鳴き声。
「これぐらい静かにね」
まさか上を見ることなく3頭目の奇襲を防いだことに、先に降り立った2頭も驚きの表情で固まっていたので、その手からピコピコハンマーを奪うと2頭の紙風船を叩き割った。
「ウキャ!」
それを見てハッとした3頭目が飛び退いたので僕も1歩後ろへ飛ぶと、目の前をターザンのようにロープでやって来た猿が通り過ぎていった。
その猿はそのままリンの方へと行ったけど呆気なく返り討ちにあって紙風船を割られていた。
「コウ!対応出来る攻撃だったのに避けるな!こっちの負担が増えるだろ!」
猿達の判断なのか、それとも裏で猿達を操っている黒幕の指示なのか。
って、考えるまでもなく黒幕の指示だろう。リンの方が集中的に攻撃されていた。
「え~。だって楽したいじゃん」
さっき飛び退いた猿が戻ってきた上に僕の方にもさらに5頭やって来て、見事な連携攻撃を仕掛けてきた。
「こっちの2分の1の数しか相手にしてないくせに何が楽したいだ!」
「その文句はそういう配分で襲ってきている猿達に言ってよ」
「猿共!せめて平等に半々で襲ってこいよ!」
僕の言い分を聞いてホントに猿に向かって文句を言ったリンだけど、猿達は聞か猿といった様子でリンを攻撃し続けた。
「だぁー!クソ猿共がー!」
「お父さん。子供達が見てるのに言葉づかいが悪くなってますよ」
「うるせー!そんなコントに付き合ってる状況じゃねーんだぞ!」
と言ってはいるけど、リンが本気になれば15頭の猿達の紙風船を割るなんて一瞬で終わるので、本気で怒っているわけでもなければ、しっかりとコントに付き合ってくれているわけなのだ。
「ほらまた。言葉づかいを悪くしてはダメですよ。ねぇお猿さん」
『ウキ』
僕が問いかけると、猿達は攻撃の手を止めて頷いた。
「だから!そんな余裕はないんだって!ってかなんで猿共はコウよりなんだよ!」
「それは私が正しいからですよ」
『ウキ』
「そもそも俺達は夫婦ですらねーだろが!」
その言葉に僕は崩れ落ちた。
「よよよ。まさか愛する夫からそんなことを言われるなんて。しくしくしく」
僕が泣き真似を始めると、リンを攻撃していた猿達まで僕のところにきて慰めてくれた。
「完璧にウソ泣きじゃねーか!ってか!なんで敵である猿共はコウよりなんだよ!」
「強い夫とか弱い妻ならか弱い妻の味方をするのは当たり前でしょ?」
『ウキウキ』
「そこまで戦えてコウがか弱いっていうのは詐欺だろ!」
「よよよ。お猿さん達。私の代わりにリンを倒してくれませんか?」
『ウキャー!』
僕のお願いを聞いた21頭の一斉攻撃が始まった。
「うおっ!テメー!後で覚えとけよ!」
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