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81.残り

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「あーもう!」

 途中から少し本気になったリンは、21頭の猿達の猛攻をしのぎつつも、そのうちの6頭の紙風船を叩き割ったその直後に自分の紙風船を自分で割った。

『なっ!?』
『ウキャ!?』

 誰もが、猿達までも驚く中、僕は「そうきたか」と思った。

 紙風船を割られたらアウトなので、リンは脱落。そうなると、リンを攻撃していた猿達の標的は当然残っている僕達になるわけだ。

 残りを押し付けたし、一応6頭は倒してくれたからいいけど、それでもあと15頭の相手をしないといけないとなると、やってくれるね。

 僕は大きくため息を吐いた。

 そんな僕の姿を見たリンはニヤリと笑うと、

「あとは頼んだぞ」

 そう言うと、猟師さんの隣に座ってしまった。

「はいはい」

 頷いた僕はまだ固まっている猿達に一気に近づくと、両手のピコピコハンマーで近くに居た5頭の紙風船を一気に割った。

 これで残りは10頭。

「ウキャ!」

 と猿達がすぐに反応して飛び退こうとする前にさらに2頭仕留め、反応が1番遅かった猿に追撃をかけて仕留める。

 残り7頭。

「ウキャキャ!」

 僕の不意打ちで数を半数失った猿達がお怒りモードだった。

 なので、とりあえず謝ろう。

「あはは。不意打ちかけてごめんね。
 でも、リンがリタイアした以上は僕がやらないといけなくなったからね。そして、やる以上は勝つつもりだから、油断しているところに不意打ち奇襲は当たり前だよ」
『ウキー!!!』

 周りから一斉に鳴かれたことに笑いながら体を左へひねりながら少しのけ反り、鳴き声にまぎれて後ろから奇襲をしてきた猿を避けて仕留める。

 残り6頭。

 と同時にさらに連続して後ろからやって来た猿の攻撃を弾いてカウンター。でもよかったが、あえて受けとめて押し返し、左から来た猿の攻撃は避ける。後ろから来た猿の攻撃は右から来ている猿の方へ受け流してから1回転して前後から来た猿達を仕留める。

 残り4頭。

 頭上から落ちてきた猿の攻撃を受け止めると、猿は僕のピコピコハンマーを掴んできた。

 くっつかれたままだとスイングスピードが遅くなるけど、まだ他に3頭いるし、引き剥がしたり仕留めたりしている時間はない。

 ならば、使えないピコピコハンマーを持っていても意味がないのでくっついてる猿ごとピコピコハンマーを遠くへ放り投げる。

 そして、空いた手で次に襲いかかってきた猿のピコピコハンマーを掴んで止めて仕留めると奪った。

 残り3頭。

 左右から同時に襲いかかってきた猿達をカウンターで仕留める。

 残り1頭。

 さっき放り投げた猿が両手にピコピコハンマーを両手に持って襲いかかってきたので打ち合っていく。

 だんだんスピードを上げていくと、猿も必死についてこようとしたけどついてこれずに、

「ウキッ!」

 隙が出来たのでしっかりと仕留める。

「終了」
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