僕は普通で平凡なモブ〜だって執事とメイドが最強なんだから〜

だらけたい

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20.下見だけ

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 父さん達に冒険者登録の了承を得れた僕達は部屋に戻るとホッと一息ついた。

「よかったですね。冒険者登録が認められて」

 笑顔でそう言ってくるキョウに僕も笑顔を向ける。

「そうだね」

 すると、両サイドからオリフィスとリコフィスが抱きついてきた。

「あとは実戦あるのみ」
「みんなでやれば大丈夫」

 その通りなんだけど、なんで抱きついてきたのだろうか?怖がってるようにでも見えたのか?

 なんて思っていると、そんな2人の頭をションゴンが叩いた。

「いちいちルイ様に抱きつくな」
『イタい』

 2人がションゴンに抗議の目を向けるも、ションゴンは気にした様子もなく僕の前に紅茶を置いてくれる。

「ありがとう、ションゴン」
「いえ」

 抗議が受け入れられないとわかったオリフィスとリコフィスは渋々といった様子で僕から離れるといつもの席に座った。
 それを確認したションゴンも席に座り、みんなが席についたのでこれからのことをしっかりと話し合うことにする。

「さてと、これからの予定なんだけど、明日は朝からガルガス工房に行ってまずは装備品の調達をしてから冒険者ギルドに行って冒険者登録を済ませる。そして、本格的にダンジョンに行くのは明後日からだね」
「下見だけでもいかないの?」

 やる気満々なオリフィスがそう聞いてきたので苦笑する。

「そこまで急ぐことでもないからね。だからダンジョンにいくのは明後日からだよ」
「残念」

 ホントに残念がっているオリフィスの頭をリコフィスが撫でて慰めていた。

 そこまで魔物と戦いたかったのかな?

 しかし、魔物との、それも初めての戦闘となるとやっぱり万全の状態で行きたいので、明日は準備と登録だけしてダンジョンへは明後日から行く。これは僕の中では決定事項だった。

「それで、これから冒険者としてやっていく上でいくつか決め事をしておくよ」
「決め事ですか?」
「そう。決め事」

 僕は人差し指を立てる。

「まず1つ目に僕の呼び方だけど、冒険者として動いている間はルイって呼び捨てで呼び、敬語も使わないこと」

 その決め事に反応した、カレン・キョウ・ションゴンか僕を見てきた。

 3人は普段からそういった言葉づかいをしっかりとしようとするので、オリフィスやリコフィス、ジュラナイが油断して言葉づかいが乱れたり、僕に対して友達のような言葉で話すとすぐに注意したりしている。
 なので、呼び捨て敬語なしなんて決め事を提案すると反応すると思っていた。

 しかし、すぐに否定したりしないあたりは父さん達と同じで、僕がそう決めた理由を言うのを待ってくれている。

「理由としては、貴族であることを隠すためもあるけど、冒険者としてパーティを組むなら上下関係とかなく家族みたいにな関係でいたほうが連携を深めるという意味でもいいと思うの。だから僕達の関係を聞かれた場合は主従ではなく幼なじみだと言うこと」

 実際に3歳から一緒にいるので幼なじみと言ってもいいくらいの付き合いはある。

 理由を聞いた3人は顔を見合わせたかと思うと頷きあった。

「わかりました。冒険者として活動している間は様はつけませんし敬語もやめることにします」

 ションゴンがそう言ってくれたのでホッとする。

「2つ目はこれだね」

 僕はこんな時のためにと用意していた缶を机に置いた。

「これは?」

 みんなが不思議そうに見つめる中、僕は隣に座るキョウの右手を取りながら缶をあける。

 中身は肌色の粉。

「キョウ。右手を出してみて」
「はい」

 差し出してくれたキョウの右手をとり、肌色の粉を指先につけてキョウの右手の奴隷紋の上から塗りつけると、奴隷紋がキレイに消えてわからなくなった。

「なっ!」
「奴隷紋が!」

 みんなが驚きながら立ち上がる様子を見て僕はニヤニヤする。

 幼なじみという設定で行く以上、奴隷紋があるのはおかしいということで前世のファンデーションをヒントに錬金でコソコソと作ったモノだ。

 しかし、ファンデーションがどんなモノで作られているかもわからないし、かなり苦労してようやく出来たモノなので、この反応はうれしいね。

「幼なじみだから、奴隷紋があるのはおかしいからね」

 そんな説明をしている中、キョウは必死になってファンデーションもどきを服で拭ったりして落とそうとするが、それぐらいで落ちたりすると意味ないので、そこら辺はそう簡単に落ちないように作った。

「って、キョウ!ストップ!ストップ!」

 擦りすぎて血が出始めているのにまだ拭うことを止めないキョウの手を取って止めた。

「だ、だって、奴隷紋が!」

 涙目になりながら僕を見てくるキョウ。

 普通は奴隷紋が消えたことに喜ぶはずなのに、まさか泣かれるとは思っていなかったので戸惑う。
 しかし、まずは治療が先だと思ったので傷をヒールで直してから、ファンデーションもどきを落とすために作った新しい魔法、クレンジングでファンデーションもどきを落として奴隷紋が見えるようにする。

「あっ。よかった」

 安心したキョウはそのまま床に座り込み、奴隷紋を見つめていた。

「これは一時的に奴隷紋を隠すためのモノだから、ホントに奴隷紋が消えたわけじゃないよ。それに、奴隷紋があろうがなかろうが僕達の絆が無くなるわけじゃないっていつも言ってるだろ?」

 キョウの頭を優しく撫でてあげると、キョウは僕に抱きついてきた。

「はい」

 キョウが抱きついてくるなんていつ以来だろうな、なんて思いながら僕はキョウの頭を撫で続けた。
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