僕は普通で平凡なモブ〜だって執事とメイドが最強なんだから〜

だらけたい

文字の大きさ
25 / 52

25.今後も

しおりを挟む
「それじゃあ早速なにか依頼受けてみる?」

 フィーナさんは依頼の書いた紙をいくつか取り出してきた。

 フィーナさんの提案は受付嬢としては普通なのだけど、父さんとの約束もあるし、今日は登録だけで帰るつもりなので僕は首を振った。

「今日は登録しに来ただけだし、今後も依頼を受けるつもりはないんだ」
「えっ?」

 フィーナさんは驚きで固まり、イサナミさんは不思議そうに首を傾げた。

「えっと、今日は依頼を受ける気はないのね?」

 僕が言い間違えたと思ったフィーナさんがそう聞き返してきたので、言い間違えではないことを強調するためにもう1度言う。

「今後も依頼を受ける気はないよ?」
「今後も?」
「今後も」
『………………………』

 黙り込んでしまったフィーナさんとイサナミさん。

 なので、黙って反応を待ってみる。

「えっと………じゃあなんで冒険者登録したの?」

 フィーナさんは戸惑いながらも1番の疑問に思っていることを問いかけてきた。

「まぁ普通はそう思うよね」か。

 まぁそうだよね。

 冒険者登録をする人の理由。僕の考えでは大きく分けて2種類だと思っている。それは、

 お金を稼ぐか有名になりたいか。

 お金のほうは依頼の報酬や魔物の素材を売ることで得られるし、本人の頑張り次第では1日でかなりの額を稼ぐことも出来るだろう。それに、ランクが上がれば報酬のいい依頼を優先的に受けさせてもらえたり、報酬のいい指名依頼などが来たりして一攫千金も夢じゃなかったりする。まぁ、ランクの高い依頼は危険度も上がるのでハイリスクハイリターンなのは当たり前だろう。
 有名になるのほうは、冒険者ギルドは各地にあるので、期待の新人だったり強い冒険者は当然各地のギルド職員の間で噂になり、そこから冒険者、さらには一般人まで噂は広まっていき、自分の行ったことのない場所にまで名前が売れたりする。そして、名前が売れればいい思いが出来たりもするので、それを目当てで冒険者になる人もいると僕は考えている。

 しかし、僕達が冒険者になった理由はその2つのどちらでもないので、誤解のないように素直にハッキリと答えよう。

「ダンジョンに行きたいからだよ」

 そう答えると、今度はフィーナさんやイサナミさんだけではなく、冒険者ギルド内全てが僕を見つめた状態で固まった気がした。

「気がした。というより、全員がお前を見て固まっているぞ」って。

 確かにみんなの視線は感じているけど、そんなにおかしなことを言ったかな?

「さっき冒険者になる人の2種類の理由とか言ってたくせに、なに言ってやがる」か。

 あれは僕が考える大きな理由であって、それ以外の理由で冒険者になる人達もいるんだよ。そして、僕達もそれ以外の理由の人だってだけなんだから、そんなにおかしいことではないはずだよ。

「それは大人だったらの話であって、自分達の年齢考えてみろ」って。

 アハハハハ。

「笑って誤魔化そうとするな」か。

 アハハハハ。

「ダンジョンには冒険者登録しないと入れない。ということを知っているから冒険者登録に来た。ということは、ダンジョンがどんなところかも当然知っているよね?」

 1番に驚きから返ってきたイサナミさんが、厳しい目で僕を見てきた。

「一定の強さの魔物が出てくる場所、ですよね」

 昨日、父さんから聞いたことを言うと、イサナミさんは頷いた。

「えぇ。そうね。たまにイレギュラーがあるけどその通りよ。だからこそ低いランクの冒険者でも安全に魔物と戦うことが出来るのよ」
「でも!流石に君たちにはまだ早すぎます!」

 驚きから返ってきたフィーナさんが立ち上がりながら叫ぶ。

「落ち着きなさい」

 フィーナさんを落ち着かせるためなのか、イサナミさんはフィーナさんの頭を軽く叩いた。

「すいません」

 頭を軽く叩かれて落ち着いたフィーナさんが椅子に座り直したのを見て、ため息を吐いたイサナミさんは僕達の方を見てきた。

「冒険者登録については認めたけど、私も魔物と戦うということは認められないわね」

 今日初めてあった10歳前後の子供達が、魔物と戦うためにダンジョンに行く、なんて言い出したら、そういう判断になるよね。

「せっかく両親に認めてもらえたのに、これじゃあ意味なくなるんじゃねーの?」か。

 そうだね。このままじゃダンジョンに入れなくなるよね。

 ギルドからダンジョンに入ることを禁止されると、魔物との戦闘経験をつむためにはダンジョン以外で戦わないといけなくなる。しかし、それは父さんとの約束で出来ないのでこのままでは魔物と戦えなくなってしまう。

「それなのに落ち着いてるな」って。

 まだ話し合いの決着がついたわけじゃないし、ダンジョンに入ることを禁止されたわけじゃないからね。
 それに、こういう時にギルドから認めてもらう簡単な方法があるしね。

「そんな方法があるのか」って。

 ホントに簡単な方法があるんだけど、どうしたらいいかわかる?

「わかんねーな。どうするんだ?」って。

 簡単な話だよ。冒険者は実力主義。だからこそ、実力を見せつければいいんだよ。

 ションゴン達が。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

処理中です...