虹色の夏

アオト★★

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第八話「花火大会」

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―虹色の夏—



夏—

第八話「花火大会」



7月末

私達は地元の花火大会に行くことになった

毎年2万発の花火が彩どりに打ち上げられる

要と七海は花火が好きで毎年楽しみにしていた

出店も出るので要はそれも楽しみにしている 

浴衣は七夕祭りの時の浴衣を着る予定だ

要はピンク色で白い蝶の絵柄が入っている

七海は白い浴衣で金魚の絵柄が入っているものだ。

今年ももちろん四人で行く予定だ



花火大会前日

要の部屋にて



わたしは隼人と電話していた。

「明日楽しみだねー、明日は日曜日だし講義もないから

花火大会の前に2人で会いたいな」



「あー、俺ちょっと用事があって花火が始まる前に

花火大会の会場で待ち合わせがいいんだけど、カイや七海にも言っておいてくれ」



「えー、隼人がいないとつまんないよ、用事ってなに?」



「・・・いいだろ、なんでも。花火が始まる前までには合流するからさ」

ガチャンとそれだけいうと隼人は一方的に電話を切ってしまった。



わたしは落ち込んだけど仕方ないと思い、七海に個人ラインした

—隼人明日花火大会の前に用事があるんだって―



それだけラインして明日に備えてわたしは早めに寝ることにした。



花火大会当日



「予想以上に混でるねー、やっぱり早めに来て正解だったかも」

わたしと七海とカイは会場にいた。

まだ六時前だ。出店は並んでいて人もだんだん増え始めていた

「本当ね、花火は7時からだからまだ時間あるね、どうする?」

白い浴衣を着た七海は今日も髪を一つに束ねているが今日は簪を付けている

そして小さなポーチを手に持ち下駄を履いている。

要もピンクの浴衣を着ている。要の髪は七海ほど長くなくボブで肩よりも上

だった。

わたしたちは少し出店見て回ることにした。

「七海何食べる?」わたしが出店を見渡して七海に声をかけたそのとき

「あ、隼人じゃない?」七海が向こうの出店を

ゆびさしながら言った。

「あー、本当だ!隼人ってば用事があるとかいって

何やってんのよ!おーい!!」わたしが大きな声をあげて隼人を呼んだとき

「あっ!」七海が大きな声をあげた

「誰よ、あの女」七海がそう言った真横でカイとわたしも七海の視線の先の

隼人を見たら知らない女といた隼人にわたしは茫然とした



「誰だよ、アイツ、隼人の知り合いか?」

カイが、焼きそばが入ったビニール袋を手に持ちながらボソッとつぶやいた



つづく
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