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第十四話「千草とみちる」
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―桜の下の約束―
第十四話「千草とみちる」
幼かったみちると千草にはジャングルジムが大きく感じた
天辺まで登り切ったみちるは足をブラブラさせながら両手で体を支えていた
暫く二人で遊んだ。千草が急にみちるに聞いた
「ねえ、みちる参観日ってどうするの?」
「うちはお母さんが来るよ、お父さん仕事だからね」みちるが言った
「・・うちはお母さんいないからお父さんが来るよ」千草が言った
「そうなんだ?なんかごめんね」みちるが申し訳なさそうな顔をした
みちるはてっきり自分と同じだと思っていた。
両親いるどこにでもいる普通の子供。だが、千草は違ったのだ。
二人が出会ったのは幼稚園の頃一人でぽつんといた千草にみちるが声をかけた。
「一緒に遊ぼう」「うん」それからだんだん仲良くなった。
そのうち渉とも遊ぶようになり今に至っている。
「みちるには親友だから言うね、うちのお母さん私が三歳のときに
交通事故で死んだんだ、お母さんがいないことは知ってたけど怖くて
お父さんには聞けなかった。
お父さんね、お母さんがいなくなってから頑張るからって私に何度も言ってくれたんだ。
でも本当は怖くてずっと寂しかったの」
千草の目から涙が零れた。それを聞いたみちるは千草を励ました
「大丈夫だよ。千草には私や渉がいるじゃない千草はひとりじゃないからね」
千草は泣いていた、みちるも泣いた。暫くジャングルジムの前で二人で泣いていた
つづく
第十四話「千草とみちる」
幼かったみちると千草にはジャングルジムが大きく感じた
天辺まで登り切ったみちるは足をブラブラさせながら両手で体を支えていた
暫く二人で遊んだ。千草が急にみちるに聞いた
「ねえ、みちる参観日ってどうするの?」
「うちはお母さんが来るよ、お父さん仕事だからね」みちるが言った
「・・うちはお母さんいないからお父さんが来るよ」千草が言った
「そうなんだ?なんかごめんね」みちるが申し訳なさそうな顔をした
みちるはてっきり自分と同じだと思っていた。
両親いるどこにでもいる普通の子供。だが、千草は違ったのだ。
二人が出会ったのは幼稚園の頃一人でぽつんといた千草にみちるが声をかけた。
「一緒に遊ぼう」「うん」それからだんだん仲良くなった。
そのうち渉とも遊ぶようになり今に至っている。
「みちるには親友だから言うね、うちのお母さん私が三歳のときに
交通事故で死んだんだ、お母さんがいないことは知ってたけど怖くて
お父さんには聞けなかった。
お父さんね、お母さんがいなくなってから頑張るからって私に何度も言ってくれたんだ。
でも本当は怖くてずっと寂しかったの」
千草の目から涙が零れた。それを聞いたみちるは千草を励ました
「大丈夫だよ。千草には私や渉がいるじゃない千草はひとりじゃないからね」
千草は泣いていた、みちるも泣いた。暫くジャングルジムの前で二人で泣いていた
つづく
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