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M1835 4連装37mm高射機関砲
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M1835 4連装37mm高射機関砲は、労農赤軍が開発し運用した高射機関砲である。陸軍、海軍、防空軍の三軍によって運用された。
1833年に制式化されたM1833 37mm高射機関砲を4連装砲架に搭載し、発射できる弾数を増加させることで、より確実な敵機撃墜を狙ったもので、4門合計の発射速度は毎分480発にものぼった。
一方、発射弾数の増加に伴い、段列や輜重に対して多大な負担を強いることにもなった。
1820年代の後半、労農赤軍の陸軍高射砲兵は、高射砲では狙いにくい低空を高速で飛行する敵機に対し、効果的な迎撃を行うためには高射機関砲を用いるのが最適であると判断した。では、その高射機関砲の砲弾にはどのような弾を使用すればいいかを検討するため、労農赤軍兵器技術本部による機関砲弾に関する基礎研究が行われた。
13mm弾では弾頭内に炸薬と信管とを仕込むことが難しく、20mm弾では炸薬および信管を仕込んだ榴弾を作成し、射撃できるものの、双発の中型爆撃機を撃墜するためには致命的な個所に2~5発程度の命中弾を浴びせる必要があった。
一方、37mm弾は、地上に設置した航空機に対して行った炸裂実験によって、単発機なら1発でも命中すれば致命的であり、中型爆撃機であっても、致命的な個所であれば1発。少なくとも3発程度の命中弾があれば撃墜確実と見込まれた。
技術本部による基礎研究の結果をもとに、陸軍は37mm級の高射機関砲弾の開発を進めると同時に、それを発射するための機関砲の開発にも乗り出した。それが、後にM1833 37mm高射機関砲として採用されることとなる。
M1833 37mm高射機関砲は、高射砲兵が運用する機関砲として十分な成績を誇ったのだが、いくつかの欠点があった。それは、弾倉に装填できる弾数がわずか7発しかなく、たった3秒半で射耗してしまうというものだ。しかも、弾倉交換中は当然のように射撃は不可能であり、どれだけ素早い弾倉交換を行ったとしても、敵機への射撃はせいぜい弾倉2つ分、14発がやっとであった。
敵機に対しては可能な限り多数の砲弾を発射し、命中の公算を高める必要があると判断した技術本部は、機関砲の発射サイクルを高める方法で解決しようとした。しかし、機関部を構成する部品の耐久性に対する自信がなく、また、弾倉交換時は射撃できないという欠点は、解消するどころか、かえって促進されてしまう。
そのため、技術本部は砲架に設置する機関砲の数を増加させることにした。こうすれば、いずれかの砲が装弾中であっても、他の砲が発射できる状態を維持できるようにすれば、敵機に対して射撃ができない時間をなくし、同時に、多数の砲弾を発射することが可能であると考えたからだ。
4門を正面から見てハの字型に並ぶように砲架に搭載し、それぞれの砲に対する弾倉の交換が容易に行えるように配慮されていた。当然のことではあるが、砲架の方位角と俯仰角を操作した場合、4門が同時に目標へと向かうようになっている。
なお、高速で移動する敵機を確実に補足するため、方位角と俯仰角を与える操作はすべて電動の機械力によって行う。そのための発電機は砲の基部に設けられているのだが、発砲中はともかく、排気ガスが砲の周りにたまってしまうことがあるため、外部電源を用いることの方が多かった。
実際の運用方法であるが、砲の指揮を執る砲手長が一名の他、砲の方位角と俯仰角を操作し、発射までを行う砲手が一名、他、射撃が途切れることのないように、各砲ごとに弾薬手が配置される。
弾薬手は、弾切れとなった砲から空になった弾倉を抜き取り、新しい弾倉を装填する装填手と、空になった弾倉に砲弾を再装填する弾薬手にわかれる。
また、弾倉に装填できる砲弾の数が少なく、すぐに弾切れになる問題を解決するため、装填のタイミングをずらし、途切れることなく射撃するという方法が取られるようになると、M1833で問題となっていた射撃中断の問題は、多少改善された。
M1835は、低空を飛行する敵機への攻撃力は抜群であり、砲身を水平にして徹甲弾を射撃すれば、非装甲車両はもちろん、軽度の装甲を備える車両に対しても効果を発揮した。
装弾機構に改良を施したM1841が開発されるまで、三軍で主力高射機関砲として重用され、連邦の領空を侵犯する敵機に対して常ににらみをきかせていた。
■諸元
M1835 4連装37mm高射機関砲
口径 : 37mm
砲身長 : 1,890mm(約51口径)
重量 : 52.3kg(砲身のみ。閉塞機含まず)
閉塞機 : 垂直鎖栓式自動開閉装置付
仰俯角 : -12~+85度
方向射界: 360度
放列重量: 1,688kg
・M1930高射榴弾
弾頭重量 : 702g
弾薬筒重量: 1.71kg
初速 : 817m/s
最大射程 : 7,500m
最大射高 : 5,150m(曳火信管使用時:4,000m)
・M1930徹甲弾
弾頭重量 : 872g
弾薬筒重量: 1.88kg
初速 : 803m/s
最大射程 : 7,000m
最大射高 : 4,800m
1833年に制式化されたM1833 37mm高射機関砲を4連装砲架に搭載し、発射できる弾数を増加させることで、より確実な敵機撃墜を狙ったもので、4門合計の発射速度は毎分480発にものぼった。
一方、発射弾数の増加に伴い、段列や輜重に対して多大な負担を強いることにもなった。
1820年代の後半、労農赤軍の陸軍高射砲兵は、高射砲では狙いにくい低空を高速で飛行する敵機に対し、効果的な迎撃を行うためには高射機関砲を用いるのが最適であると判断した。では、その高射機関砲の砲弾にはどのような弾を使用すればいいかを検討するため、労農赤軍兵器技術本部による機関砲弾に関する基礎研究が行われた。
13mm弾では弾頭内に炸薬と信管とを仕込むことが難しく、20mm弾では炸薬および信管を仕込んだ榴弾を作成し、射撃できるものの、双発の中型爆撃機を撃墜するためには致命的な個所に2~5発程度の命中弾を浴びせる必要があった。
一方、37mm弾は、地上に設置した航空機に対して行った炸裂実験によって、単発機なら1発でも命中すれば致命的であり、中型爆撃機であっても、致命的な個所であれば1発。少なくとも3発程度の命中弾があれば撃墜確実と見込まれた。
技術本部による基礎研究の結果をもとに、陸軍は37mm級の高射機関砲弾の開発を進めると同時に、それを発射するための機関砲の開発にも乗り出した。それが、後にM1833 37mm高射機関砲として採用されることとなる。
M1833 37mm高射機関砲は、高射砲兵が運用する機関砲として十分な成績を誇ったのだが、いくつかの欠点があった。それは、弾倉に装填できる弾数がわずか7発しかなく、たった3秒半で射耗してしまうというものだ。しかも、弾倉交換中は当然のように射撃は不可能であり、どれだけ素早い弾倉交換を行ったとしても、敵機への射撃はせいぜい弾倉2つ分、14発がやっとであった。
敵機に対しては可能な限り多数の砲弾を発射し、命中の公算を高める必要があると判断した技術本部は、機関砲の発射サイクルを高める方法で解決しようとした。しかし、機関部を構成する部品の耐久性に対する自信がなく、また、弾倉交換時は射撃できないという欠点は、解消するどころか、かえって促進されてしまう。
そのため、技術本部は砲架に設置する機関砲の数を増加させることにした。こうすれば、いずれかの砲が装弾中であっても、他の砲が発射できる状態を維持できるようにすれば、敵機に対して射撃ができない時間をなくし、同時に、多数の砲弾を発射することが可能であると考えたからだ。
4門を正面から見てハの字型に並ぶように砲架に搭載し、それぞれの砲に対する弾倉の交換が容易に行えるように配慮されていた。当然のことではあるが、砲架の方位角と俯仰角を操作した場合、4門が同時に目標へと向かうようになっている。
なお、高速で移動する敵機を確実に補足するため、方位角と俯仰角を与える操作はすべて電動の機械力によって行う。そのための発電機は砲の基部に設けられているのだが、発砲中はともかく、排気ガスが砲の周りにたまってしまうことがあるため、外部電源を用いることの方が多かった。
実際の運用方法であるが、砲の指揮を執る砲手長が一名の他、砲の方位角と俯仰角を操作し、発射までを行う砲手が一名、他、射撃が途切れることのないように、各砲ごとに弾薬手が配置される。
弾薬手は、弾切れとなった砲から空になった弾倉を抜き取り、新しい弾倉を装填する装填手と、空になった弾倉に砲弾を再装填する弾薬手にわかれる。
また、弾倉に装填できる砲弾の数が少なく、すぐに弾切れになる問題を解決するため、装填のタイミングをずらし、途切れることなく射撃するという方法が取られるようになると、M1833で問題となっていた射撃中断の問題は、多少改善された。
M1835は、低空を飛行する敵機への攻撃力は抜群であり、砲身を水平にして徹甲弾を射撃すれば、非装甲車両はもちろん、軽度の装甲を備える車両に対しても効果を発揮した。
装弾機構に改良を施したM1841が開発されるまで、三軍で主力高射機関砲として重用され、連邦の領空を侵犯する敵機に対して常ににらみをきかせていた。
■諸元
M1835 4連装37mm高射機関砲
口径 : 37mm
砲身長 : 1,890mm(約51口径)
重量 : 52.3kg(砲身のみ。閉塞機含まず)
閉塞機 : 垂直鎖栓式自動開閉装置付
仰俯角 : -12~+85度
方向射界: 360度
放列重量: 1,688kg
・M1930高射榴弾
弾頭重量 : 702g
弾薬筒重量: 1.71kg
初速 : 817m/s
最大射程 : 7,500m
最大射高 : 5,150m(曳火信管使用時:4,000m)
・M1930徹甲弾
弾頭重量 : 872g
弾薬筒重量: 1.88kg
初速 : 803m/s
最大射程 : 7,000m
最大射高 : 4,800m
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