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5.暖かい食卓
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結局その日俺たちは学校に遅刻した。
「桜、大丈夫?」
「何が?」
「ほらっ、遅刻したから出されたでしょ課題。」
「あっ!うーん…冬夜に
手伝ってもらうから大丈夫。」
「はぁ?なんで俺が」
「お願い。私が見てあげたいところなんだけど
バイトが入っちゃって。」
「え…嫌…」
「おいっ!咲友美さんのお願いだぞ!
さっき見てたけどお前も遅刻したのに
なんでお前は課題でねーんだよ!」
「今日は出来ねーからだよ」
「え?冬夜今日何かあんの?」
「病院。」
「…。」
「行くだけだからすぐ帰る。」
「よかった。」
「はぁ?何病人ぶってんだよ。」
「宇佐くん!」
「……。」
「あとは、が成績いい方だからじゃないか。」
「宇佐くん泣かないで」
「泣いてねーもん」
チビはプルプル震えている。
何かに似てる……。?…。
あっ!
「うさぎ だ!」
「へ?」
「可愛いーうさぎ くんだってー」
「うさぎじゃない!虎がいい!」
はぁ?何言ってんのこいつ。
気にする所がちがくね?
「ごめんね。私、強い口調で
言いすぎちゃって。」
謝んなくていいと思う。
「俺の事、嫌いになった?」
「うーん…と、少し…」
「ガーン!」
いや、そこは嘘でも
NOと言ってあげて!
「あっ!ごめん、うさぎく…あっ!ごめん…。」
「うっ、何で咲友美さんまでぇっ」
かわいそ…。
「お前も大変だな…」
あっという間に今日も授業が終わった
「じゃあ、俺病院行くから先に家に帰ってて」
「分かった」
「桜帰ろ」
「うん。」
「おっ、俺も一緒に帰りたい」
「うん、帰ろ」
うさぎ、嬉しそうだな…。
俺は、病院へ向かった。
悪くなってななきゃいいな…。
「花田さん。」
看護師さんだ。
「はい。」
「この頃どうですか?」
「いたって健康です。
発作は一度だけ起きました。
あっ、でもすぐに治まりましたよ。」
「そうですか。まぁ、一応検査をして
おきましょうか。」
「はい。お願いします。」
検査が終わった。
先生の眉間にはしわがよっていた。
「花田さん、少し悪くなっていますね…。
少し今までより強い薬を出しておきますね。」
やっぱりな…。
「ありがとうございます。」
どんどん、悪くなる。二年って…。
この速さで進行していったら
どうなるんだろう…。
二年持たないって可能性も…。
いやいや、病は気からだ。
あっ、スーパー寄ってから帰ろ…。
「ただいまー」
「おかえり!」
「今作るから少し待ってろ」
「うん!」
俺は、急いで調理し始めた。
「冬夜、病院どうだった?」
俺は、手を止めた。本当の事を話そうか、
嘘をつくか迷った。
きっと、今俺が本当の事を言ったら
桜は気を使うだろうし、せっかくの飯が
うまくなくなる。
「………全然心配ないって。」
「よかった。」
安心している桜の顔を見ると少し胸が痛たい。
「できたぞ。」
「わぁ~!」
「和食にしてみたんだけど…。」
「私、和食大好き!」
「なら良かった」
白飯と、味噌汁、焼き魚、漬け物と、
本当に 日本 って感じの食卓だ。
「いだだきます!」
「いただきます。」
二人とも、無言の時間が続く。
桜からテーブルに透明な涙が落ちた
「だ、大丈夫か!?魚の骨が喉に刺さったのか!?」
「ううん。なんでだろう、
今日も朝、一緒にご飯食べたのに、
それとはちょっと違くて、
とっても美味しい。
冬夜が作ってくれたからかな?
二人で一緒に食べるからかな?
ご飯ってこんな、あったかかったっかな?」
「……。」
「いつも私がいる食卓は静かで、冷たかった、
だから今、この時間がとっても、
とってもあったかい」
そうか、人が作った料理も、
一緒に食べる暖かさも桜にとって
久しぶりなんだ。
「ありがとう。」
嬉し泣き、散々変なのって言ってたのに
笑いながら泣くって朝の俺と一緒じゃんか。
「桜、大丈夫?」
「何が?」
「ほらっ、遅刻したから出されたでしょ課題。」
「あっ!うーん…冬夜に
手伝ってもらうから大丈夫。」
「はぁ?なんで俺が」
「お願い。私が見てあげたいところなんだけど
バイトが入っちゃって。」
「え…嫌…」
「おいっ!咲友美さんのお願いだぞ!
さっき見てたけどお前も遅刻したのに
なんでお前は課題でねーんだよ!」
「今日は出来ねーからだよ」
「え?冬夜今日何かあんの?」
「病院。」
「…。」
「行くだけだからすぐ帰る。」
「よかった。」
「はぁ?何病人ぶってんだよ。」
「宇佐くん!」
「……。」
「あとは、が成績いい方だからじゃないか。」
「宇佐くん泣かないで」
「泣いてねーもん」
チビはプルプル震えている。
何かに似てる……。?…。
あっ!
「うさぎ だ!」
「へ?」
「可愛いーうさぎ くんだってー」
「うさぎじゃない!虎がいい!」
はぁ?何言ってんのこいつ。
気にする所がちがくね?
「ごめんね。私、強い口調で
言いすぎちゃって。」
謝んなくていいと思う。
「俺の事、嫌いになった?」
「うーん…と、少し…」
「ガーン!」
いや、そこは嘘でも
NOと言ってあげて!
「あっ!ごめん、うさぎく…あっ!ごめん…。」
「うっ、何で咲友美さんまでぇっ」
かわいそ…。
「お前も大変だな…」
あっという間に今日も授業が終わった
「じゃあ、俺病院行くから先に家に帰ってて」
「分かった」
「桜帰ろ」
「うん。」
「おっ、俺も一緒に帰りたい」
「うん、帰ろ」
うさぎ、嬉しそうだな…。
俺は、病院へ向かった。
悪くなってななきゃいいな…。
「花田さん。」
看護師さんだ。
「はい。」
「この頃どうですか?」
「いたって健康です。
発作は一度だけ起きました。
あっ、でもすぐに治まりましたよ。」
「そうですか。まぁ、一応検査をして
おきましょうか。」
「はい。お願いします。」
検査が終わった。
先生の眉間にはしわがよっていた。
「花田さん、少し悪くなっていますね…。
少し今までより強い薬を出しておきますね。」
やっぱりな…。
「ありがとうございます。」
どんどん、悪くなる。二年って…。
この速さで進行していったら
どうなるんだろう…。
二年持たないって可能性も…。
いやいや、病は気からだ。
あっ、スーパー寄ってから帰ろ…。
「ただいまー」
「おかえり!」
「今作るから少し待ってろ」
「うん!」
俺は、急いで調理し始めた。
「冬夜、病院どうだった?」
俺は、手を止めた。本当の事を話そうか、
嘘をつくか迷った。
きっと、今俺が本当の事を言ったら
桜は気を使うだろうし、せっかくの飯が
うまくなくなる。
「………全然心配ないって。」
「よかった。」
安心している桜の顔を見ると少し胸が痛たい。
「できたぞ。」
「わぁ~!」
「和食にしてみたんだけど…。」
「私、和食大好き!」
「なら良かった」
白飯と、味噌汁、焼き魚、漬け物と、
本当に 日本 って感じの食卓だ。
「いだだきます!」
「いただきます。」
二人とも、無言の時間が続く。
桜からテーブルに透明な涙が落ちた
「だ、大丈夫か!?魚の骨が喉に刺さったのか!?」
「ううん。なんでだろう、
今日も朝、一緒にご飯食べたのに、
それとはちょっと違くて、
とっても美味しい。
冬夜が作ってくれたからかな?
二人で一緒に食べるからかな?
ご飯ってこんな、あったかかったっかな?」
「……。」
「いつも私がいる食卓は静かで、冷たかった、
だから今、この時間がとっても、
とってもあったかい」
そうか、人が作った料理も、
一緒に食べる暖かさも桜にとって
久しぶりなんだ。
「ありがとう。」
嬉し泣き、散々変なのって言ってたのに
笑いながら泣くって朝の俺と一緒じゃんか。
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