桜の涙

黒咲ゆかり

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11.林間学校②

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「はぁ、はぁっ、はっ…。」

息が苦しい。

けど、空気が緑が綺麗だ。

「冬夜大丈夫?」

「うん、平気。」

俺たちはゆっくりでも、正確にゴールを目指した。

「はぁ…。ついたぁー!!」

「はぁ、疲れた。」

「1位おめでとう!」

先生がにこやかな顔でいった。

「え!?1位って…。」

いやまさかな…。

俺たちはこんなにゆっくり来たのに…。

2位の班の人達がゴールするとこう言った。

「いやー近道しようと険しい道に入ったら
迷っちゃってさ。」

そうか、俺たちはゆっくりと、絶対に迷わないように
正確に地図を見ながら進んでいたから
迷わなかったんだ。

あとは、最短のルートを拓也が考えてくれたおかげな。

「やったぁー!」

ただのゲームだとしてもやっぱり嬉しい。



「弁当食べよー…。」

「もう、あるきすぎてお腹ぺこぺこだよ…。」

はぁ、疲れた…。

俺はゆっくりと弁当の箱を開ける。

そしていそいで閉める。

やばい、桜と弁当に入ってる物が全く同じだ…。

まだ、みんなに一緒に住んでることばらしてないし…。

どうにか桜に気づかせないとなぁ…。

「「「「「いただきます!」」」」」

「あれ?冬夜食べないの?」

「いや…。」

どうしよう…。

そうだ!桜に合図を送って気付いてもらおう!

でも、あんな鈍感な桜が気付いてくれるのか?

あー、もうっ!!一か八かだ!

俺は桜をじっと見つめた。

そして、目が合った。

よしっ!俺は、弁当を指差した。

気付いてくれ…。

桜は少し首を傾げた。

そして、意味が分かったかのように桜の表情が
ぱぁっと明るくなった。

も、もしかして!伝わったのか!?

「はい、あーん」

はぁ?

「え?」

咲友美が気を使うような顔をして後ろを向き、
うさぎがニヤニヤしながらこっちを見ている、
拓也もいつものムスッとした顔でそっぽを向いている。

「桜?そう言う事じゃないんだ。」

「へ?」

桜がぽかんと口を開けた。

「弁当いっしょだろ?」

「はっ!」

やっと気付いたか…。

「ここまで来たら言うしかないか…。」

「ごめん…。」

はぁ…。まったく。

「おい、そっぽ向いてる拓也と咲友美と、
ニヤニヤしてる子うさぎ!」

「ひぃっ!」

うさぎが怯えた声をだした。

「えーっと、俺たち実は同居してるんだ。」

「えー!!」

「さっ、桜そんな大事な事なんでもっと
早くに言わないの!」

「えーっと…。」

桜が困った様な顔で俺の方を見た。

いや、俺の方を見られても…。

「はぁ…、嫌な気持ちにさせたなら謝る。ごめん。」

「でぇ、二人はどういう関係なの?」

うさぎがまたまたニヤニヤした顔でいう。

「いや、普通に一緒に住んでるだけだよ。」

「ちぇっ、つまんないの。」

「何期待してたんだ?子うさぎ…。」

「子うさぎ言うなっ!」

「まぁ、そういう事だから言うのが遅れてごめんな。」

よし、これでやっと落ち着いて弁当が食える。

「わぁ、一緒に住んでるって事はこのお弁当も
冬夜君が作ってるの?」

「ん?そうだよ。」

「料理が出来る男の子っていいよねっ!」

「そうか?」

「ぐはっ」

うさぎが青い顔をしている。

「さっ咲友美さん!俺も料理練習しますっ!」

料理出来ないのか。

「そっか、頑張ってね。」

「って事で冬夜今度教えてくれ!」

「はぁ?嫌だよ面倒くさい。
咲友美に教えて貰えばいいだろ?」

うさぎが咲友美をキラキラとした瞳で見つめる。

「いいよ。」

「やったぁー!」

よかったな、うさぎ。

俺に感謝しろよ。
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