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九章 父の五年間
2.親子の時間
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「ありがとうございました」
食事後、タクシーを呼んでお坊さんを見送ると、三家族も帰り支度を始めた。
祖父の妹、三宅のお婆ちゃんは疲れを顔に滲ませながらも、「ありがとうねえ。兄さんもあっちで喜んでるわ」と両親に礼を言って、帰って行った。
浩章叔父さんの一家も帰り、景子叔母さんは最後まで片付けを手伝ってくれてから、帰った。
十六時ごろ、ひと息ついた私たち親子は、台所の隣の居間でこたつに足を突っ込み、一服していた。
母と私はコーヒーを、父はビールを。
体調が戻った私は、お弁当を食べたけれど、完食はできなかった。
豪華なお弁当だった。
お造り・天ぷら・ローストビーフ・うなぎ・ひじきの煮もの・野菜の煮物・胡麻豆腐・煮豆・くりきんとん・卵焼き・ごはん。
おそらく一人五千円はしている。
美味しかったけれど、私には量が多かった。
お造りだけはお腹が膨れる前に食べてしまい、あとは話を聞きながらゆっくり食べた。
私が残した天ぷらや煮物などを、お酒で顔を赤くした父が食べている。
父は大食漢ではないけれど、祖母の影響で食べ残しを嫌った。だから私が残したものを父が食べるのは、いつものことだった。
かつてあった当たり前の光景が、目の前にあった。
父が介護で不在だった中、高校受験、高校生活、大学入試を無事に乗り越え、祖父の二回忌が終われば戻ってくると思っていた日常。
一言だけを残して姿を消した父。
父が気がかりで、でも探す手段がなくて。事故や事件のニュースに敏感に反応していた時期もあった。
十八歳の成人式には、なにか連絡が入るかもしれない。
二十歳になったら、突然帰ってくるかもしれない。
期待を持つのは二年ほどでやめた。帰ってこない、連絡もしない父に、怒りの気持ちが上回ったからだった。
「お父さん、いま沖縄に住んでるだって?」
父の五年間を知りたくて、私から話を振った。
「沖縄でなにやってんの?」
「旅行会社の事務をしてる。小さい会社だから、事務以外の仕事もあるんだ。道具類の管理とか、お客さんの案内とか」
「道具類って?」
「釣りとか、シュノーケリングの道具」
「ふうーん。長いの?」
「二年ぐらい」
「前の三年は?」
「あちこち放浪していた」
「仕事、してなかったんだ」
「単発で旅費を稼いでた」
「楽しかった?」
嫌味な言い方だな、と自分でも思ったけど、私たちに心配をかけて旅行をしていたのかと思うと、恨みがましい気持ちが口をついてしまった。
「楽しくはなかった」
意外な答えに、虚を突かれた。てっきり旅行を楽しんでいたのだと思い込んでいた。
「好きなことしてたのに?」
「うん。毎日不安だった。食事も泊まる場所も不安定で、バス停のベンチで夜を過ごした日もあった。こんな毎日はダメだと思いながら、でもやめられなくて。なかには家に泊めてくれたり、食事を奢ってくれたりする人がいて。人の優しさに触れたら嬉しいくせに、罪悪感が湧き上がって。申し訳なさから、また放浪して。自分を痛めつけながら、日々を過ごしてた」
自分を痛めつける生活? それはどんな生活なんだろう? どうしてそんな生活をしていたのだろう? さっさと帰ってくれば、私たちが心配をする必要もなかったのに。
「どうしてそんな生活をしてたの?」
「お祖母ちゃん、心不全で突然逝っちゃったろう。だからお祖父ちゃんの介護はしっかりやろうと決めて家を出たけど、お祖父ちゃん、認知症も発症して。言葉の当たりがきつくなっていったんだ。腐った飯を食わされた。熱湯風呂に入れられ、放置された。夜中に突然叩き起こされる。ありもしない妄言を吐かれて、お父さんもおかしくなっていって。心療内科に通ってたんだけど、改善しなくて」
「心療内科? 心の病気だったの?」
父の顔が少し曇る。当時のメンタルを思い出したのかもしれない。
「鬱病になってね。自分のこと、仕事、介護、一気に圧し掛かっていて。メンタルがやられてしまった。お祖父ちゃんが亡くなって、解放されたはずなのに、良くならなくて、逆に自分を責めるようになって」
「どうして?」
「どうしてなんだろうな。お祖父ちゃんが認知症になったのは、俺のせいだ、死んじゃったのも俺のせいだって思うようになってな。年末にメッセージを送っただろう?」
「≪疲れたから。旅に出ます≫ね」
「うん。仕事を辞めて、死に場所を探しに行こうとしてた」
「はあ!? 死ぬ気だったの!?」
あのメッセージにそんな恐ろしい意味が隠されていたなんて! 思わず声を荒らげてしまった。
「冬の北海道に行った。凍死なら苦しまなくてすむかなと考えて。でも寒すぎて、耐えられなくなって。温泉で温まったら、早織と依織を思い出して、泣いた」
早織、とお父さんがお母さんの名前を呼ぶ。
母の顔を見ると、唇を噛み締めていた。目を潤ませて。
母は先に聞かされていたのかもしれない。
「帰ろうと思ったんだ。だけど、なぜか足が向かなくて。明日は帰ろう、そう思いながら眠って。朝になったら、帰りづらい気持ちが起こって、別の場所に足が向いた。北海道から東北、北陸と南下して、関西、中国、九州、そして沖縄で落ち着いた。沖縄の気候や風土が体調に合ったらしくて、鬱が改善した。今は薬を飲んでないし、医者にもかかってない」
「もう、死にたいなんて。思ってない?」
「思ってない」
父は私の目を見て、きっぱりと言い切った。
「良かった……本当に」
父の事情は、かなり深刻なものだった。介護疲れから鬱病にかかっていたなんて、まったく気がつかなかった。
何も知らず、父の苦労も考えもせず、私は怒ってばかりいた。すごく自分勝手だった。
「ごめん。気づいてあげれなくて。ひとりで苦しんでたなんて、私、ぜんぜんわかってなかった」
私が謝ると、父はいいやと首を横に振った。
「お父さんが隠していたからだよ。ふたりに心配をかけちゃいけないと思って。ひとりで介護をするって決めたのはお父さんだったから、決めたことは貫かないと、と思い込んでいた」
「もっと頼ってくれて良かったのに。あたしたちは家族なのに」
母が鼻声で言った。
父が頷く。
「今ならわかる。ひとりで背負い込む必要はなかったなと。だけど、早織も仕事があったし、依織はまだ高校生。苦労をかけるのは忍びなかった。俺も、自分が追い込まれるなんて、思ってもなかったしな」
「介護、たいへんだった?」
私が訊ねると、父は首を傾けた。
「世話をするのは大丈夫だった。お袋にできなかったことを親父にしてやらないと、という義務感と責任感があったしな。だけど、親父の言葉がつらかった」
祖父への呼称が親父になった。父も人の子なんだなと思った。
「どれだけ手を尽くしても、否定される。病院に連れていけば、虐待されていると訴えられる。親父の全身を診ている先生は虐待がないのはわかってくれていたけど、病院のロビーで叫ばれたときは、つらかった。俺を見る周囲の目が怖かった」
父はビール缶をじっと見つめている。当時のことを思い出して、つらいのかもしれない。
私が話をしたから、思い出させてしまった。
父のメンタルがまた不安定にならないかと、心配になる。
「お祖父ちゃん、私たちが来ていたときは、酷い状態じゃなかったのに」
祖父には、私たちの名前が出てこないなど、加齢による呆けはあった。
だけど父に酷い言葉を投げつける祖父の姿は一切見なかった。
だから認知症だと思いもしなかったし、知らされてもいなかった。
「波があるんだよ。親父自身にも、不安やストレスがあったんだろうな。手を尽くしていたつもりだったけど、足りなかったんだろう。俺にも親父にも、余裕がなかった」
「うちのクリニックにも、認知症の患者さんがいるの。家族に連れられて来るんだけど、よく文句を言ってる。さっさとしろとか、お前がしっかりしていないからだとか。家族は、はいはいって聞き流しているけど、みんな疲れたお顔をしているわね」
母がしんみりした口調で言った。
私は記憶を探り、介護をしていた父の姿を思い出していた。
横になっている祖父を父が起こして、食事の介助をし、薬の管理をして飲ませて。デイケアのお迎えが来たら車まで連れて行って見送り、その間にベッドや部屋の掃除をする。
母が作って持ってきた料理を、美味しい美味しいと喜んで食べていた。「お母さんの料理は、安心するな」と。
父がしていた介護の一端しか私は見ていない。でも、それらをひとりで担うのは、荷が重かっただろうと、今なら想像がついた。
どれだけ手を尽くしてお世話をしていても、言葉の暴力は心を討つ。精神を破壊する。
私も経験しただけに、追い込まれた父の気持ちが理解できた。
「お父さん」
「ん?」
「生きて、帰ってきてくれて、ありがとう」
心から思った。たくさん心配をかけられたけど、元気で、どこかで生きている。そう信じていたから、私は怒っていられた。
父が死んでしまっていたら、父の事情が何もわからず、文句も言えなかった。
思いとどまってくれて、本当に、本当に良かった。
「……うん。心配をかけて、すまなかった」
父は顔を下げて、ぽつりと言った。
表情は見えないけれど、目が真っ赤になっているのだけはわかった。
次回⇒3.ありがとう
食事後、タクシーを呼んでお坊さんを見送ると、三家族も帰り支度を始めた。
祖父の妹、三宅のお婆ちゃんは疲れを顔に滲ませながらも、「ありがとうねえ。兄さんもあっちで喜んでるわ」と両親に礼を言って、帰って行った。
浩章叔父さんの一家も帰り、景子叔母さんは最後まで片付けを手伝ってくれてから、帰った。
十六時ごろ、ひと息ついた私たち親子は、台所の隣の居間でこたつに足を突っ込み、一服していた。
母と私はコーヒーを、父はビールを。
体調が戻った私は、お弁当を食べたけれど、完食はできなかった。
豪華なお弁当だった。
お造り・天ぷら・ローストビーフ・うなぎ・ひじきの煮もの・野菜の煮物・胡麻豆腐・煮豆・くりきんとん・卵焼き・ごはん。
おそらく一人五千円はしている。
美味しかったけれど、私には量が多かった。
お造りだけはお腹が膨れる前に食べてしまい、あとは話を聞きながらゆっくり食べた。
私が残した天ぷらや煮物などを、お酒で顔を赤くした父が食べている。
父は大食漢ではないけれど、祖母の影響で食べ残しを嫌った。だから私が残したものを父が食べるのは、いつものことだった。
かつてあった当たり前の光景が、目の前にあった。
父が介護で不在だった中、高校受験、高校生活、大学入試を無事に乗り越え、祖父の二回忌が終われば戻ってくると思っていた日常。
一言だけを残して姿を消した父。
父が気がかりで、でも探す手段がなくて。事故や事件のニュースに敏感に反応していた時期もあった。
十八歳の成人式には、なにか連絡が入るかもしれない。
二十歳になったら、突然帰ってくるかもしれない。
期待を持つのは二年ほどでやめた。帰ってこない、連絡もしない父に、怒りの気持ちが上回ったからだった。
「お父さん、いま沖縄に住んでるだって?」
父の五年間を知りたくて、私から話を振った。
「沖縄でなにやってんの?」
「旅行会社の事務をしてる。小さい会社だから、事務以外の仕事もあるんだ。道具類の管理とか、お客さんの案内とか」
「道具類って?」
「釣りとか、シュノーケリングの道具」
「ふうーん。長いの?」
「二年ぐらい」
「前の三年は?」
「あちこち放浪していた」
「仕事、してなかったんだ」
「単発で旅費を稼いでた」
「楽しかった?」
嫌味な言い方だな、と自分でも思ったけど、私たちに心配をかけて旅行をしていたのかと思うと、恨みがましい気持ちが口をついてしまった。
「楽しくはなかった」
意外な答えに、虚を突かれた。てっきり旅行を楽しんでいたのだと思い込んでいた。
「好きなことしてたのに?」
「うん。毎日不安だった。食事も泊まる場所も不安定で、バス停のベンチで夜を過ごした日もあった。こんな毎日はダメだと思いながら、でもやめられなくて。なかには家に泊めてくれたり、食事を奢ってくれたりする人がいて。人の優しさに触れたら嬉しいくせに、罪悪感が湧き上がって。申し訳なさから、また放浪して。自分を痛めつけながら、日々を過ごしてた」
自分を痛めつける生活? それはどんな生活なんだろう? どうしてそんな生活をしていたのだろう? さっさと帰ってくれば、私たちが心配をする必要もなかったのに。
「どうしてそんな生活をしてたの?」
「お祖母ちゃん、心不全で突然逝っちゃったろう。だからお祖父ちゃんの介護はしっかりやろうと決めて家を出たけど、お祖父ちゃん、認知症も発症して。言葉の当たりがきつくなっていったんだ。腐った飯を食わされた。熱湯風呂に入れられ、放置された。夜中に突然叩き起こされる。ありもしない妄言を吐かれて、お父さんもおかしくなっていって。心療内科に通ってたんだけど、改善しなくて」
「心療内科? 心の病気だったの?」
父の顔が少し曇る。当時のメンタルを思い出したのかもしれない。
「鬱病になってね。自分のこと、仕事、介護、一気に圧し掛かっていて。メンタルがやられてしまった。お祖父ちゃんが亡くなって、解放されたはずなのに、良くならなくて、逆に自分を責めるようになって」
「どうして?」
「どうしてなんだろうな。お祖父ちゃんが認知症になったのは、俺のせいだ、死んじゃったのも俺のせいだって思うようになってな。年末にメッセージを送っただろう?」
「≪疲れたから。旅に出ます≫ね」
「うん。仕事を辞めて、死に場所を探しに行こうとしてた」
「はあ!? 死ぬ気だったの!?」
あのメッセージにそんな恐ろしい意味が隠されていたなんて! 思わず声を荒らげてしまった。
「冬の北海道に行った。凍死なら苦しまなくてすむかなと考えて。でも寒すぎて、耐えられなくなって。温泉で温まったら、早織と依織を思い出して、泣いた」
早織、とお父さんがお母さんの名前を呼ぶ。
母の顔を見ると、唇を噛み締めていた。目を潤ませて。
母は先に聞かされていたのかもしれない。
「帰ろうと思ったんだ。だけど、なぜか足が向かなくて。明日は帰ろう、そう思いながら眠って。朝になったら、帰りづらい気持ちが起こって、別の場所に足が向いた。北海道から東北、北陸と南下して、関西、中国、九州、そして沖縄で落ち着いた。沖縄の気候や風土が体調に合ったらしくて、鬱が改善した。今は薬を飲んでないし、医者にもかかってない」
「もう、死にたいなんて。思ってない?」
「思ってない」
父は私の目を見て、きっぱりと言い切った。
「良かった……本当に」
父の事情は、かなり深刻なものだった。介護疲れから鬱病にかかっていたなんて、まったく気がつかなかった。
何も知らず、父の苦労も考えもせず、私は怒ってばかりいた。すごく自分勝手だった。
「ごめん。気づいてあげれなくて。ひとりで苦しんでたなんて、私、ぜんぜんわかってなかった」
私が謝ると、父はいいやと首を横に振った。
「お父さんが隠していたからだよ。ふたりに心配をかけちゃいけないと思って。ひとりで介護をするって決めたのはお父さんだったから、決めたことは貫かないと、と思い込んでいた」
「もっと頼ってくれて良かったのに。あたしたちは家族なのに」
母が鼻声で言った。
父が頷く。
「今ならわかる。ひとりで背負い込む必要はなかったなと。だけど、早織も仕事があったし、依織はまだ高校生。苦労をかけるのは忍びなかった。俺も、自分が追い込まれるなんて、思ってもなかったしな」
「介護、たいへんだった?」
私が訊ねると、父は首を傾けた。
「世話をするのは大丈夫だった。お袋にできなかったことを親父にしてやらないと、という義務感と責任感があったしな。だけど、親父の言葉がつらかった」
祖父への呼称が親父になった。父も人の子なんだなと思った。
「どれだけ手を尽くしても、否定される。病院に連れていけば、虐待されていると訴えられる。親父の全身を診ている先生は虐待がないのはわかってくれていたけど、病院のロビーで叫ばれたときは、つらかった。俺を見る周囲の目が怖かった」
父はビール缶をじっと見つめている。当時のことを思い出して、つらいのかもしれない。
私が話をしたから、思い出させてしまった。
父のメンタルがまた不安定にならないかと、心配になる。
「お祖父ちゃん、私たちが来ていたときは、酷い状態じゃなかったのに」
祖父には、私たちの名前が出てこないなど、加齢による呆けはあった。
だけど父に酷い言葉を投げつける祖父の姿は一切見なかった。
だから認知症だと思いもしなかったし、知らされてもいなかった。
「波があるんだよ。親父自身にも、不安やストレスがあったんだろうな。手を尽くしていたつもりだったけど、足りなかったんだろう。俺にも親父にも、余裕がなかった」
「うちのクリニックにも、認知症の患者さんがいるの。家族に連れられて来るんだけど、よく文句を言ってる。さっさとしろとか、お前がしっかりしていないからだとか。家族は、はいはいって聞き流しているけど、みんな疲れたお顔をしているわね」
母がしんみりした口調で言った。
私は記憶を探り、介護をしていた父の姿を思い出していた。
横になっている祖父を父が起こして、食事の介助をし、薬の管理をして飲ませて。デイケアのお迎えが来たら車まで連れて行って見送り、その間にベッドや部屋の掃除をする。
母が作って持ってきた料理を、美味しい美味しいと喜んで食べていた。「お母さんの料理は、安心するな」と。
父がしていた介護の一端しか私は見ていない。でも、それらをひとりで担うのは、荷が重かっただろうと、今なら想像がついた。
どれだけ手を尽くしてお世話をしていても、言葉の暴力は心を討つ。精神を破壊する。
私も経験しただけに、追い込まれた父の気持ちが理解できた。
「お父さん」
「ん?」
「生きて、帰ってきてくれて、ありがとう」
心から思った。たくさん心配をかけられたけど、元気で、どこかで生きている。そう信じていたから、私は怒っていられた。
父が死んでしまっていたら、父の事情が何もわからず、文句も言えなかった。
思いとどまってくれて、本当に、本当に良かった。
「……うん。心配をかけて、すまなかった」
父は顔を下げて、ぽつりと言った。
表情は見えないけれど、目が真っ赤になっているのだけはわかった。
次回⇒3.ありがとう
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