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第45話 何の味?
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リョクが開発した商品の販売が決まった。
「イナンナ・ギ・アグ」で扱う一般向け商品と、「ルガルとムル」の特別仕様商品——その販売に向けて、動き始めていた。
「カナメさん、この前もらったデータベースから、この情報を取り出してもいい?」
「了解。テーブルを作ってアオ渡すよ。特別仕様のデータベースはセキュリティを高めたいからね。アキト、そのあたりは進んでる?」
「ああ、うん。設計書はもう作ってある。今はアオくんに確認してもらっているところだよ」
アキトとカナメは手際よく仕事を進めていく。
「これさ……悪用される可能性もあるよね?」
アオが慎重に指摘する。
「そうだね。『ルガルとムル』の特別仕様は、それぞれの趣味嗜好まで把握するものだから、かなり注意が必要だ。もし情報が漏れたら、うちの信用に関わる。だからこの部分は基本的にカナメさんが管理している。一般社員には情報を渡さず、独立した状態で設計しているよ」
アキトが静かに説明した。
3人はレイの所有するビルの一室に集まっていた。
会社ではなくこのビルで仕事をしているのは、一般社員に情報を知られないようにするためだ。最上階とその下は専用フロアとして使われており、秘密の話をするには最適な場所だった。
3人は最上階の一室で作業中。
一方、レイとキョウカは別室でエージェントと打ち合わせ中だ。
リョクは学校。そろそろ戻ってくる頃合いだ。
「そろそろ休憩しようか?」アキトが提案する。
「あっ、じゃあ僕、お茶を入れますね!」
「ありがとう。助かるよ、アオ」カナメはメガネに手を添えながら微笑んだ。
アオはレイのプライベートルームに向かい、お茶の準備を始めた。
レイは必ずプライベートルームを設けている。
「お待たせしました!」
差し出されたのは、バタフライピーのような鮮やかな青色のアイスティー。
香りもよく、疲れた体を優しく癒すようだった。
「わあ、いい香りだね」アキトが一口含む。
「少し甘みもあるのか」カナメも気に入った様子だ。
「僕も初めて飲みます!」アオも味を確かめながら笑顔を浮かべる。
喉が渇いていたのか、その味に魅了されたのか——3人はあっという間に飲み干した。
「なんだかすっきりした気がする」アキトが感想を漏らす。
「これはどこのもの?」カナメも興味津々だ。
「デスクに可愛いパッケージが並んでいて。これです」
アオは嬉しそうに2人に見せる。
見せてくれたパッケージには「イナンナ・ギ・アグ」のロゴがデザインされていた。
「待って、これ……」アキトが何かに気づく。
「アオ、これ淹れたのか?」カナメが慌てて尋ねる。
「えっ? はい」アオはきょとんとした顔をする。
気づいた時には時すでに遅し。
どんどん体が熱くなっている。呼吸も荒くなってきた。
「レイとキョウカはあと5分ほどで戻ると思う。カナメさん、リョクくんは?」
ネクタイを緩めながら、アキトは息を荒げる。
「リョクは学校が終わったら向かってくるから、もうすぐ着くと思うけど」
胸元のボタンを外しつつ、腕時計に目を落とす。
2人の姿に慌てるアオだが、自分自身も体の異変に気づく。
「あっ……熱い。ど……うして」
3人の色香が混ざり合い、甘く濃密な香りが空間を満たしていく。
この匂いはルガルにしかわからない特別なものだ。レイとキョウカ、そしてフロアに着いたリョクが敏感に反応した。
「イナンナ・ギ・アグ」で扱う一般向け商品と、「ルガルとムル」の特別仕様商品——その販売に向けて、動き始めていた。
「カナメさん、この前もらったデータベースから、この情報を取り出してもいい?」
「了解。テーブルを作ってアオ渡すよ。特別仕様のデータベースはセキュリティを高めたいからね。アキト、そのあたりは進んでる?」
「ああ、うん。設計書はもう作ってある。今はアオくんに確認してもらっているところだよ」
アキトとカナメは手際よく仕事を進めていく。
「これさ……悪用される可能性もあるよね?」
アオが慎重に指摘する。
「そうだね。『ルガルとムル』の特別仕様は、それぞれの趣味嗜好まで把握するものだから、かなり注意が必要だ。もし情報が漏れたら、うちの信用に関わる。だからこの部分は基本的にカナメさんが管理している。一般社員には情報を渡さず、独立した状態で設計しているよ」
アキトが静かに説明した。
3人はレイの所有するビルの一室に集まっていた。
会社ではなくこのビルで仕事をしているのは、一般社員に情報を知られないようにするためだ。最上階とその下は専用フロアとして使われており、秘密の話をするには最適な場所だった。
3人は最上階の一室で作業中。
一方、レイとキョウカは別室でエージェントと打ち合わせ中だ。
リョクは学校。そろそろ戻ってくる頃合いだ。
「そろそろ休憩しようか?」アキトが提案する。
「あっ、じゃあ僕、お茶を入れますね!」
「ありがとう。助かるよ、アオ」カナメはメガネに手を添えながら微笑んだ。
アオはレイのプライベートルームに向かい、お茶の準備を始めた。
レイは必ずプライベートルームを設けている。
「お待たせしました!」
差し出されたのは、バタフライピーのような鮮やかな青色のアイスティー。
香りもよく、疲れた体を優しく癒すようだった。
「わあ、いい香りだね」アキトが一口含む。
「少し甘みもあるのか」カナメも気に入った様子だ。
「僕も初めて飲みます!」アオも味を確かめながら笑顔を浮かべる。
喉が渇いていたのか、その味に魅了されたのか——3人はあっという間に飲み干した。
「なんだかすっきりした気がする」アキトが感想を漏らす。
「これはどこのもの?」カナメも興味津々だ。
「デスクに可愛いパッケージが並んでいて。これです」
アオは嬉しそうに2人に見せる。
見せてくれたパッケージには「イナンナ・ギ・アグ」のロゴがデザインされていた。
「待って、これ……」アキトが何かに気づく。
「アオ、これ淹れたのか?」カナメが慌てて尋ねる。
「えっ? はい」アオはきょとんとした顔をする。
気づいた時には時すでに遅し。
どんどん体が熱くなっている。呼吸も荒くなってきた。
「レイとキョウカはあと5分ほどで戻ると思う。カナメさん、リョクくんは?」
ネクタイを緩めながら、アキトは息を荒げる。
「リョクは学校が終わったら向かってくるから、もうすぐ着くと思うけど」
胸元のボタンを外しつつ、腕時計に目を落とす。
2人の姿に慌てるアオだが、自分自身も体の異変に気づく。
「あっ……熱い。ど……うして」
3人の色香が混ざり合い、甘く濃密な香りが空間を満たしていく。
この匂いはルガルにしかわからない特別なものだ。レイとキョウカ、そしてフロアに着いたリョクが敏感に反応した。
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