私がヒロイン!?〜いえ、丁重にお断りします!

SORA

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義弟が出来ました。

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あれから魔力の流れを感じてから、自分でも少しずつ練習を重ねている内に、一人で魔力を感じられ流ようになってきた。


(段々体に魔力が馴染んできた様な気がする。)


手応えを感じて小さく拳をぎゅっ、と握ると部屋の扉が開いた。
慌てて魔力を流すのを辞めて、近くにあった本を読むフリをする。


「セーラ様、またお一人で魔法の練習しましたね?」

「くりぇや!してましぇんよ!」

「セーラ様の周りの魔力の流れが少し乱れてますよ。」


入ってきたクレアを誤魔化そうとすると目を細める。


「それに…本が逆さまですよ。」


「っ!?…ごめんなしゃい。」

「…っ!」


素直に謝る私にクレアは顔を赤くしてプルプルし始める。


(怒らせ過ぎたかな…。)



「んんっ!…お一人では危ないですから駄目ですよ?」

「きをつけましゅ。」


クレアは私の返事を聞いて、いい笑顔を見せてくれた。
この世界の人達は、美男美女が多い。
とにかく眩しい。



(父様、母様や兄様、姉様もそうだけど、クレアも相当な美形よね。)



なんて事を考えている内に、クレアは私の着替えを終えていた。


「セーラ様出来ましたよ?どうしました?」

「ありがと、くりぇや!」


クレアにお礼すると鏡に映る自分の姿を見た。



(…うん。違和感しかないな。こんな美少女が私な訳はない。相変わらず可愛い…。)



生まれ変わってから、何度も見ているこの姿を未だに見慣れない。  

感覚はあるから私に変わりはないんだけどね。
純日本だった私からすれば違和感だらけだった。


「? くりぇや、きょうのふく、いつもよりかわいー?」

「はい。今日はお客様が見えますからね。いつもより少しだけドレスアップしましたよ。」


服の違和感に気づいた私がクレアに尋ねると、クレアはどうですか?、と言わんばかりに満足気だった。



コンコンー。


「セーラ、迎えに来たよ。」

「にぃしゃま!」

「いつも以上に可愛いね。今日のドレスも似合ってるよ。」

「にぃしゃまもかっこいーでしゅ!」

「…ありがとう、セーラ。」


入って来た兄様が私を見て顔を緩めた。

素直に兄様を褒めると、少しだけ兄様の頬が赤みを増した気がした。


「さあ、お姫様。お迎えに上がりました、お手をどうぞ。」


兄様が私の手を取ると、その手の甲に口付けて目を細める。


(うわぁ…! 7歳でこの色気って!!兄弟じゃなかったら落ちてるわ…。)



今度は私が照れる番だった。
イケメン恐るべし…。




部屋を出て客間に着くと、そこには既に母様と姉様がいた。


「セーラ、こっちへいらっしゃい。」

「いつものドレスも可愛いけれど、今日はもっと可愛いく見えるわ。」


母様に呼ばれて、側に行くと姉様が見て満足気に目を細めている。



(きっと姉様が選んだんだろうな。)



母様は私を膝に乗せると優しく頭を撫でた。


「セーラ、二人には少し前に話したのだけど…。」

「?」

「ふふ、セーラびっくりするわよ。」

「僕もびっくりしたからね…。」

「??」


姉様と兄様の反応を交互に見つめていると、母様は優しく目を細めて私の頬を撫でた。


「今日来るのは遠縁の子でね。事情があって、今日から家で暮らす事になったの。」

「!?」

「セーラに義弟ができるのよ。」



(今…なんと?)



母様の衝撃発言に、私は驚きを隠せない。



知っていた。知っている。
確かに遠縁の親戚だった。確か両親が事故に遭ってしまって、引き取り手がいないから此処に来る、と。


義弟が出来る。それはいい。
いいのだ、それは。


不安な子供を一人でいさせるより、ずっといい。
この家の、私の家族なら暖かく迎えてくれる筈だから。
引き取って家族になるのはウェルカムなくらい。


違う。私が言いたいのは、そうじゃない!
来るのが早いのだ。来るのは一年後だった筈なのに。



(ゲームとは違うのだろうか…。)



驚きに固まる私の後ろから扉が開く音がした。


客間に入って来た父様の後を私よりちょっとだけ小さな子供が入って来た。


(来た…。)


「皆揃っているね。さあ、こっちへ座って。」

「はい…。」



父様に言われて椅子に座ったその子は、人形の様に綺麗だった。 

けれど、その瞳は何色も写すのを拒んでいる様に見えた。



「改めて、ダニエル。ヘルツォーク家へようこそ。」

「歓迎するわ。それから、ここにいる子達が…。」

「ルーチェよ。よろしくね、ダニエル。」

「ルークスだよ。よろしく、ダニエル。」


父様と母様がダニエルに優しく話しかけると、姉様と兄様がしっかりと挨拶をした。


「…よろしくおねがいします。」


ダニエルが二人に頭を下げると、二人は顔を見合わせた。



◇◇◇◇◇◇◇

攻略キャラ・ダニエルは、両親が目の前で馬車に轢かれるという、最悪な出来事を目の前で目撃してしまう。

それから、哀しむダニエルは色々な場所を転々とする中で、心を病んでしまう。

そんなダニエルを見つけたのが、ソティラス・ヘルツォーク公爵。父様だ。




(確かゲームでは、ヤンデレ系だった。)


ーー閑話終。

◇◇◇◇◇◇◇◇



ダニエルが下を向いたまま、部屋を何処にしようかと父様達が話している。


椅子から降りて、私はダニエルの手を握ると顔を覗き込んだ。


「!」

「だにえりゅ!わたしはせーりゃよ。よろしくね!!」

「…。」


ダニエルの目が大きく開く。
私は、《大丈夫。》と気持ち伝わればいいなと精一杯優しく笑う。


ダニエルの色を写さない瞳に私が写る。

ほんの少しだけ、その綺麗な顔に血が通った様に見えた。


「…よろしく。」


そう言ったダニエルの目が一瞬だったけど、細められたのを私は見逃さなかった。


そんな私達を見て皆はホッしていた。




それから、ダニエルと私は年が一つしか違わないので勉強する時も、遊ぶ時も一緒だった。

遊ぶ時はもちろん兄様姉様も一緒だ。


「ルークスにいさま。これおしえてください。」

「どこだい?ああ、ここはねー…。」


ダニエルが家に来てから半年、兄様に自分から声をかける事も多くなった。

兄様も弟が出来て嬉しそうだ。

私とは剣の稽古は出来ないから。(私も習いたいけど…。)


ダニエルはとっても勉強熱心だった。
私も負けてられない。

ダニエルに負けたくなくて、言葉も大分マシになった気がする。


「セーラ、ここちがうよ。」

「ん?ダニーどこ?」


ダニエルに言われて、書いていた文字を見直す。

後ろから覗き込みながらダニエルはここだよ、って指を指した。


「あ、わかった。ありがとうダニー。」


ダニエルにお礼を言うと、嬉しそうに笑顔を見せた。

ダニエルは『ダニー』と呼ぶと、すごくいい笑顔になる。
だから、私はダニエルを『ダニー』と呼ぶようになった。


最近のダニエルはよく笑顔を見せる様になって、私も皆も嬉しい。


「セーラ、ルーチェねえさまとルークスにいさまがよんでるよ。」

「はーい。ダニーいこう!」


ダニエルは私の手を取ると、しっかり握って歩き出した。


色を写さなかったダニエルが、心を開いてくれて本当に良かった。



一つだけ残念なのは、ダニエルに姉様と呼んでもらえない事かな。
仲が悪い訳じゃないから、まあ…いいか。




(とりあえずヤンデレは回避出来たかな?)


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