幼なじみに毎晩寝込みを襲われています

西 美月

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番外編⑨ ─清彦side─

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「も……、ん、……むりぃ……っ」

 下から何度も突き上げられて、清彦は後孔に翔太の屹立を咥えながら、その広い胸に倒れ込んだ。

「これ、やだぁ……」すすり泣きながら懇願すると、大きな手が涙を拭うように頰を撫でてきた。

「なんで?泣いちゃうくらい気持ちいいんでしょ?」

 言いながらまた揺さぶられ、清彦は甲高い叫び声を上げて翔太にしがみついた。その硬い腹筋には、清彦が零した白濁がべっとりと飛んでいる。もう何度達したか分からない。

「挿れてって欲しがったのは先輩だよ」

「だって、これ、深い……っ」

 騎乗位だと、苦しいほどに奥の奥まで翔太のものでいっぱいになるのだ。動かなくてもいい場所に当たる。内壁を擦られればひとたまりもない。
 思考は蕩けて、涙は出るし、だらしなく開いた口からは涎が垂れ落ちてしまう。

「気持ち、良すぎて……、変になるっ」

 でもそんな情けない姿なのに、翔太は「かわいい……」と陶然とした表情で熱い視線を向けてくる。

「しょうがないなあ」

 ため息とともに繋がったまま後ろに倒され、背中がシーツに沈む。

「脚持って拡げてよ?」

 言われた通りにする。右膝に、ちゅっと軽いキスを落とされただけで、ひく、と後ろが締まる。

「……好きだよ」

「ぁ……んっ」

 降ってきた甘い言葉は、半分聞いていなかった。
 抜けてしまいそうなほどギリギリまで、翔太が腰を引いたからだ。くる。奥までくる。そう思っただけで、期待で中が疼いてしまう。
 でもそれは中々やってこなかった。

「ねえ、聞いてる?先輩は?」

 わざと浅い部分で挿送を繰り返され、どうしようもないもどかしさに身をよじる。

「も……、すき、すきだからぁっ」

「んー?エッチが?俺のことが?」

 早くその熱が欲しい。欲しすぎてどうにかなりそうだ。もう何も考えることができない。

「りょ、りょうほ……っんン……!」

 中で翔太のものが一際硬く大きくなった。

「百点満点」

「あ──……っ!」

 最奥まで一気に貫かれ、頭の先まで衝撃が走って視界がチカチカと光る。
 たったそれだけで、清彦は自らの腹に熱を放っていた。

「俺も好きだよ」

 耳元で囁かれ、首筋を這う唇に何度も甘噛みをされる。清彦の白い肌には朱い痕が、花びらのように散っている。

 ぴったりと肌と肌が密着し、深くまで埋め込まれた充足感に酔いしれる。
 唇、指先、視線、翔太の全部から、言葉なんか無くたって十分伝わるほどの愛を感じる。
 そして、それがちっとも嫌じゃないのは、おそらく──。

「……うん、オレも……すき」

 あの日返せなかった言葉を今度は口にすることができた。
 伸びてきた手に頬擦りをして、

「大好き」

 思ったまま告げる。不意打ちに弱いのか、みるみる顔を赤くする翔太に思わず笑ってしまったが、すぐにそんな余裕は霧散した。

「あー、それは反則……っ」

 腰骨を掴まれ、挿抜が速まったのだ。
 清彦の中はもう、すっかり翔太の形を覚え込まされてしまっている。
 ぐちゅぐちゅと、いやらしい音が響く。

「あ、やぁあっ、あ……!」

 激しいピストンと、中を捏ね回すような腰遣いに、意識が飛びそうになる。
 きつく抱き合って、何度もキスをして、何もかもが混じり合って、このまま翔太とひとつになってしまいそうだ。

「ぁ、うぅ、またイク……イクっ、あ、ああ……っ!」

 イクイクと、うわ言のように繰り返しながら清彦が達し、翔太も絶頂を迎えた。

 最後は抱きしめられながら、ほとんど意識を手放すように眠りについたのだった。

「おやすみ」とこめかみに優しくキスを落とされたが、もう清彦は夢の中だった。


「おはよう」

 腕の中で目を覚ますと、そう言って隣で微笑む翔太がいる。
 清彦はそんな夢を見た。そしてそれは数時間後に正夢となった。

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