幼なじみに毎晩寝込みを襲われています

西 美月

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第二十五夜(4)─海斗side─

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 汗で額に張り付いた前髪を直してやっていると、ぽたりぽたりと顎を伝って海斗の汗が恭介の上に落ちた。

 「冷たい」くすりと笑うそんな恭介が愛おしい。いや、どんな恭介も愛おしいが、特にセックスのあとはひとしおだ。

 抱きしめて、抱きしめ返されて幸せを感じていると、お互いの汗が冷えてきた。

 寒い廊下を一緒に歩いて風呂場へ向かい、シャワーで汗を流して、湯船に入る。

 海斗の胸に背中を預けて湯に浸かる恭介は、まだ少し余韻を引きずっていてどこかぼんやりしている。

 無自覚の色っぽい恋人にぴったりとくっつかれて、海斗の中心は案の定兆しはじめてしまう。生理現象だから仕方がない。

 そうっと恭介を窺うと、
「……しないから」こっちを見ずに小さな声が返ってきた。

「分かってる」目の前の肩に顎をのせる。

 押したらいけそうだけど、と思いつつ、明日も朝から恭介はバイトの予定だから、ここは愛しい人の身体を優先させることにする。

 下半身を落ち着かせるため、何か萎えることは、と考えを巡らせていると、
 
 もぞ。狭い湯船の中で恭介が身動ぎする。

「動くなって」

「だってずっと当たってる……っ、早くなんとかしろっ」

「んな無茶な……。じゃあ触って?お願い」

 計らずも耳元で囁くかたちになり、ぴくりと恭介が反応する。

「…………しょうがねーな。口は疲れるから手な、手」

──チョロいなあ。

 もちろん口には出さないけれど、口角が上がりそうになってしまう。

 海斗の脚の間で恭介が反転し海斗と向かい合う。水面には波が起こり、水中では恭介の手が海斗の昂ぶりを握った。

 手淫によって吐精に至ると、その後もくっつきながらたわいもない話をして、じゅうぶんに温まると、今度は海斗のベッドに戻った。

 眠る前に、そこでも何かくだらない話を交わした気がする。


 眠りについて数分後、海斗は耳元で聞こえた声に目を覚ました。
 暗い室内だ。スマホ画面の明かりを隣で眠る恭介に向ける。

「海斗」

 またそうやって海斗を呼ぶ恭介は、眉間にシワを刻んではいるが、眠っている。
 その声音はひどく弱々しく、悲愴な面持ちは暗闇でも青白く見えた。

「どうした?ここにいるよ」

 寝言に話しかけてはいけない、なんて迷信を気にするより、今目の前で泣きそうな声で海斗を呼ぶ恭介をなんとかしてやりたかった。

 それにこれは、今日に始まったことではないのだ。

 数週間前から恭介はこうした寝言を漏らすようになった。
 翌朝になればけろっとしており、一切この夜の記憶はないようだ。

 海斗はその原因に心当たりがある。

──現実で弱音を吐いてくれていいのに。

 そんなことを思いながら、海斗は恭介の頭の下に腕を入れ込み、逆の手であやすようにして背中を撫でてやる。

 しばらくして、恭介の眉間のシワが緩和し、規則正しい寝息が聞こえてきた。

 撫でていた手でスマホを掴むと、恭介を腕枕したまま海斗はいくつか調べものを始めた。


「……高っ」

 とあるサイトを開くと出てきた金額に思わず声を出してしまい、起きるわけないと分かっていても、そっと恭介を確認する。大丈夫そうだ。

 またスマホ画面に目線を戻す。

 日付が変わりクリスマス当日となった深夜の調べものは、明け方近くまで続いた。
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