聖女であることを隠す公爵令嬢は国外で幸せになりたい

カレイ

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十三話 ルイス視点

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 僕は生まれた時から体が弱かった。
 公爵家の嫡男として厳しい療育を受けさせられていた僕は、両親の望む通りに勉強や作法を覚えることが出来なかった。
 最初のうちは「貴方はやれば出来る子よ」、「お前は公爵家を継ぐ人間だから優秀なはずだ」と言ってくれていた両親も、次第に僕に対し腹を立てるようになっていった。
 それでも僕は二人の期待に応えようと、時間が許す限り全てを勉強に注いだ。でも、一番上の姉のメアリーお姉様と比べると、僕はあまりにもポンコツだった。
 そんな僕を気にかけてか、二番目の姉のオデットお姉様はいつも僕に優しく勉強を教えてくれた。
 ある時「二人っきりの時は姉さんって呼んでね」と言ってくれた時から、僕は姉さんのことを一番大好きになった。
 姉さんはよくメアリーお姉様に迷惑をかけて怒られていたけど、僕には姉さんがそんなことをする人には思えなかった。僕の前での姉さんはいつも笑顔を浮かべて怒ることなんて一度もなかったし、僕にとっては笑顔を貼り付けたようなメアリーお姉様の方がずっと怖かった。
 メアリーお姉様はあまり僕に関わってくるようなことはなかったけれど、たまに変な目を向けてくることがあって、その度に僕は嫌な予感を感じていた。

 僕が大きくなるにつれ、ポンコツな僕に対しての両親の当たりは強くなっていった。
 最初は小さなゲンコツ、次に鞭、そして最後にはご飯を抜かれた。
「貴方が成長するためなのよ」
「この苦しみを乗り越えれば、お前も優秀になれる」
 その言葉を信じていた僕だけれど、殴られるのは痛いし辛いし、とても耐えられるものではなかった。
 でも殴られた後にはいつも姉さんや優しい使用人たちが僕の手当てをしてくれた。でも次第に使用人はティアナ以外姿が見えなくなっていった。
 僕は姉さんに会えて嬉しかったけど、辛そうな姉さんの顔を見るのは嫌だった。
 姉さんはいつも「ごめんね」と言いながら手当てをしてくれた。姉さんに悪いところなんて一つもないのに。むしろ姉さんがいるから、僕は両親の厳しい躾に絶えてこられた。

 でも両親の暴力に耐えることにおいて次第に体が限界を迎えていた。全身が痛むのに、また鞭で打たれたりして、傷が増えていく。
 痛い、でも耐えないと。
 心ではそう思っても、体は言うことを聞かずに動かない。
 でもそんなある時、姉さんが「力」を発生させた。
 その時から、僕の体が痛みを感じることはだんだんと減っていった。
 姉さんは懸命に僕を守る方法をいつも考えてくれた。僕は姉さんのお陰で、大分復活することが出来た。
 でも、まだ僕の躾は終わらなかった。
 事態がさらに酷くなったのは、メアリーお姉様の婚約が決まった時からだった。
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