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第4章 宮廷魔法士

第13話 調査の開始

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 翌朝、俺たちは「アニエス様をあがめ隊」と朝食を食べるとコロール村へ向かう。2時間ほどでコロール村に着くと村長が心配そうに出迎える。
 「アニエス様、村にどのような要件でしょうか。」「村の周囲の調査に来ました。」
 「また、魔物の群れが現れるのですか。」「そう言うわけではありません。あくまで仕事で来ているだけですから心配しないでください。」
 「そうですか、安心しました。」
村長は緊張が解けたのか安堵の表情になる。アヒムたちは何も言わない。そして、村を通り過ぎるとアヒムが俺に言う。
 「アニエス様、本当のことを言わなくて良いのですか。」「魔族が出るかもしれないと言うのですか。」
 「村がパニックになりますね。」「いざとなれば村人には逃げてもらいます。」
 「この前の襲撃では村人は逃げなかったと聞いていますよ。」「私が村長に命令します。」
魔族の事件となれば、宮廷魔法士の権限で村人に避難させるように命令することが出来る。アヒムは言う。
 「村長が命令を聞くとは思えませんがね。」「命令に従わなければ、村人は罰せられるのよ。」
 「死を覚悟した者に罰なんて脅しになりませんよ。」「そうですね。」
アヒムの言うとおりである。彼らは死を覚悟するだろう。
 俺たちは村の周囲を調べ始める。1日目は何の手掛かりもなかった。
 それから数日経つが魔物1匹見つからない。アヒムたちは魔物が見つからないので手持無沙汰にしているが、俺と一緒なので文句は言わない。
 俺は何か見落としているように感じる。アヒムが俺に言う。
 「魔物はいないようですよ。他へ移りませんか。」「何かおかしくないですか。」
 「どう言ことです。そりゃあ、これだけ魔物に会わないのは珍しいですが・・・」「それです。私たちは魔物の魔力を探知していますが、何らかの方法で魔力を隠しているとしたらどうです。」
 「俺たちの探し方が間違っていると言ことですか。」「そうかもしれません。」
もし、何らかの方法で魔力を探知できないようにしているとすれば、厄介だ。俺たちは魔物の近くまで行かないと気づけないことになる。
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