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第1章 聖女誕生
第22話 聖女になる
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貧民街で私が治療したことは、うわさが広がり王都ダルヴィーク中に知られることになった。宮廷騎士団の中で、私は聖少女ミリアと呼ばれて秘かに人気者になっていた。
キルケが私に懇願する。
「治療ができるならば、お母さまを治して。」「もうすでにしましたが原因が分からないのです。毎朝、ヒールをかけて延命することしかできません。」
「そんな、お母さまは国のために尽くしてきたのに。」「ごめんなさい。」
私は毎朝、ディアナに気づかれないようにヒールをかけている。今朝も気配を消して部屋に忍び込み、ディアナにヒールをかける。
「ミリア、もういいのですよ。私の死は神託にあります。」「気づいていたのですか。」
「毎朝、優しい気の流れを感じれば気づきますよ。それより、貧民の治療をしたそうですね。」「申し訳ありません。」
「謝ることはないわ。今ならミリアが聖女になることを反対するものはいないはずです。」「大げさになってしまいました。」
「あなた、こちらに」
従騎士のボニファーツ・ゼーテがディアナの傍らに来る。
「私はもうベットから動けません。聖女の引継ぎの準備をお願いします。」「お前は何も心配することはない。きちんと役目を果たすよ。」
ディアナの夫で従騎士のボニファーツが言う。
翌日にはディアナの部屋に司教、ダミアン王、エッケハルト宰相、バルタザール騎士団長と私が集められる。ディアナが私に言う。
「聖女になって、この国を守りますか。」「はい、一命をとして成し遂げます。」
「良い答えです。この国をお願いします。」「お任せください。」
「あなたの従騎士が決まるまでボニファーツが守ります。」「はい。」
ボニファーツが部屋のある机の引き出しからペンダントを取り出して、私に差し出す。
「聖女の証です。お受け取り下さい。」「ずいぶん重そうなペンダントですね。」
「この国の重みです。」「私は、この重みを忘れずに役目を果たします。」
金のチェーンに大きなルビーのペンダントトップがついている。無くしたら大変だ。金庫を買うことにしよう。
私はペンダントを付ける。これで聖女の引継ぎが終わる。司教が私に言う。
「聖女ミリア・アースよ。聖女ディアナに恥じない聖女になってください。」「はい。」
こうして、私たちはディアナの部屋から出る。部屋の外には、キルケとパウラが待っていた。私は部屋に戻るとキルケとパウラが入って来る。
「これで聖女様だね。ダミアン王がいやらしそうな目で見ていたから気をつけてね。」「王様は、ミリア様のことが好きなんですか。」
パウラの質問にキルケが笑いだす。パウラは何かまずいことを言ったのではないかとうろたえる。
「私とダミアン王は仲が悪いのよ。ダミアンが好色の目で見ていることは気づいているわ。」「私に何かできないでしょうか。」
「パウラはまず魔法を覚えなくてはいけないわね。今日は昨日教えたことを復習していて。」「はい。」
私は聖女になってもディアナにヒールをかけ続けた。しかし、聖女誕生パーティーの前日、ディアナは私に言う。
「もう、ヒールは結構よ。」「それでは死んでしまいますよ。」
「これは女神ケレスの神託にあったことだから受け入れます。」「私は死んで欲しくない。キルケが悲しむわ。」
「もう、十分よ。従騎士はもう決めているのでしょ。」「はい、今は農夫をしています。」
「まあ、愉快だわ。ダミアン王は黙っていないと思うけど。」「大丈夫です。とても強い人ですから。」
これが、私とディアナの最期の会話となった。
翌日、聖女誕生パーティーが開かれる。私はダミアン王にエスコートされて会場に入る。私はすでに貧民街の件で人気が出ていたので大きな拍手で迎えられる。ダミアン王が私に言う。
「このまま、結婚式でもしないか。」「冗談が過ぎますわ。」
「ミリア、君は美しくなった。妻に欲しいと思っている。」「ごめんなさい。心に決めた人がいるの。」
ダミアン王の手が震える。怒りをこらえているらしい。そこへ宮廷騎士が私の前に出る。
「ラース・ローデンバルトと申します。従騎士に立候補します。お手をお取りください。」
ラースは跪き右手を差し出す。私は会場に声が通るように言う。
「私は従騎士を決めています。ウォール・ヤーン、彼が私の従騎士です。」
パーティー会場はざわめく。皆、騎士にそのような者に心当たりがなかったのだ。
キルケが私に懇願する。
「治療ができるならば、お母さまを治して。」「もうすでにしましたが原因が分からないのです。毎朝、ヒールをかけて延命することしかできません。」
「そんな、お母さまは国のために尽くしてきたのに。」「ごめんなさい。」
私は毎朝、ディアナに気づかれないようにヒールをかけている。今朝も気配を消して部屋に忍び込み、ディアナにヒールをかける。
「ミリア、もういいのですよ。私の死は神託にあります。」「気づいていたのですか。」
「毎朝、優しい気の流れを感じれば気づきますよ。それより、貧民の治療をしたそうですね。」「申し訳ありません。」
「謝ることはないわ。今ならミリアが聖女になることを反対するものはいないはずです。」「大げさになってしまいました。」
「あなた、こちらに」
従騎士のボニファーツ・ゼーテがディアナの傍らに来る。
「私はもうベットから動けません。聖女の引継ぎの準備をお願いします。」「お前は何も心配することはない。きちんと役目を果たすよ。」
ディアナの夫で従騎士のボニファーツが言う。
翌日にはディアナの部屋に司教、ダミアン王、エッケハルト宰相、バルタザール騎士団長と私が集められる。ディアナが私に言う。
「聖女になって、この国を守りますか。」「はい、一命をとして成し遂げます。」
「良い答えです。この国をお願いします。」「お任せください。」
「あなたの従騎士が決まるまでボニファーツが守ります。」「はい。」
ボニファーツが部屋のある机の引き出しからペンダントを取り出して、私に差し出す。
「聖女の証です。お受け取り下さい。」「ずいぶん重そうなペンダントですね。」
「この国の重みです。」「私は、この重みを忘れずに役目を果たします。」
金のチェーンに大きなルビーのペンダントトップがついている。無くしたら大変だ。金庫を買うことにしよう。
私はペンダントを付ける。これで聖女の引継ぎが終わる。司教が私に言う。
「聖女ミリア・アースよ。聖女ディアナに恥じない聖女になってください。」「はい。」
こうして、私たちはディアナの部屋から出る。部屋の外には、キルケとパウラが待っていた。私は部屋に戻るとキルケとパウラが入って来る。
「これで聖女様だね。ダミアン王がいやらしそうな目で見ていたから気をつけてね。」「王様は、ミリア様のことが好きなんですか。」
パウラの質問にキルケが笑いだす。パウラは何かまずいことを言ったのではないかとうろたえる。
「私とダミアン王は仲が悪いのよ。ダミアンが好色の目で見ていることは気づいているわ。」「私に何かできないでしょうか。」
「パウラはまず魔法を覚えなくてはいけないわね。今日は昨日教えたことを復習していて。」「はい。」
私は聖女になってもディアナにヒールをかけ続けた。しかし、聖女誕生パーティーの前日、ディアナは私に言う。
「もう、ヒールは結構よ。」「それでは死んでしまいますよ。」
「これは女神ケレスの神託にあったことだから受け入れます。」「私は死んで欲しくない。キルケが悲しむわ。」
「もう、十分よ。従騎士はもう決めているのでしょ。」「はい、今は農夫をしています。」
「まあ、愉快だわ。ダミアン王は黙っていないと思うけど。」「大丈夫です。とても強い人ですから。」
これが、私とディアナの最期の会話となった。
翌日、聖女誕生パーティーが開かれる。私はダミアン王にエスコートされて会場に入る。私はすでに貧民街の件で人気が出ていたので大きな拍手で迎えられる。ダミアン王が私に言う。
「このまま、結婚式でもしないか。」「冗談が過ぎますわ。」
「ミリア、君は美しくなった。妻に欲しいと思っている。」「ごめんなさい。心に決めた人がいるの。」
ダミアン王の手が震える。怒りをこらえているらしい。そこへ宮廷騎士が私の前に出る。
「ラース・ローデンバルトと申します。従騎士に立候補します。お手をお取りください。」
ラースは跪き右手を差し出す。私は会場に声が通るように言う。
「私は従騎士を決めています。ウォール・ヤーン、彼が私の従騎士です。」
パーティー会場はざわめく。皆、騎士にそのような者に心当たりがなかったのだ。
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