異世界、皇子です

晴れのち曇り

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三章、帝国内乱

再び、激突

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先に動いたのはエレメンヒルデだった。

一息のうちに3メートル以上あった彼我の距離をゼロにした。

「ハァァァァ!!!」

気合いとともに繰り出された剣撃はまるで荒れ狂う嵐のようで、フリートは防戦一方となった。

「どうしたどうしたどうしたァ!!!

その程度かァ!!!!」

瞬きさえ許さぬかのように、その冴え渡る剣撃はエレメンヒルデの怒りを表したようだった。

しかし、フリートも冗談や妄言で武の世界で末席に名を連ねている訳ではない。

直ぐさま反撃の手を考え出した。

「ーーーーーーっ!!!」

フリートは槍の刃先を下から上に斬りあげるように鋭く小さく振った。

それをエレメンヒルデは避けるも、第二撃、第三撃と突きが脚と胴に繰り出される。

一気に形勢が逆転した瞬間だった。






突く、避ける、突く、避ける、突く、避ける、突く、避ける、突く、突く、避ける、突く、避ける、突く、避ける




このまま永遠に続くかに思われた剣戟であったが、そこに1人の乱入者が現れた。



その乱入者は少女であった。

その乱入者は戦斧を携えていた。

その乱入者とはミラであった。



「…………遅くなった殿下、申し訳ない」



何時もの無表情に後悔を滲ませてフリートとエレメンヒルデの間に割って入った。


普通ならこの2人の間に割って入る事など到底かなわない事ではあったが、ミラは普通ではない。

フリートとの訓練を毎日のように付き合っていたのだ。

強くない方がおかしい、と言うものだ。

ミラは特別なのだ。

この2人と同等に戦うことができるのだから。

そして、この場にこれ以上2人の間に割って入る事が出来る程の実力を持っている者はいない。

つまり、この瞬間2対1となった。

これは実力が拮抗している2人の片方に更に同じくらいの実力を持つ者が味方した、ということである。

水平に保たれていた天秤が傾いた。
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