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どんな人間か
僕はそんな人間じゃない
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私は彼の手を引き、弾んだ足取りでひまわり畑へ向かう。
-ねえ、何も見えないよ。僕をどこに連れて行く気?
そうね、今日は少し遠いみたい。
でも安心して。不意に現れるの。
私、その瞬間が1番好きなの。
非現実的だけれど、違和感は覚えないはずよ。
うーん、この辺かしら。
さあ、 目を閉じて。
ゆっくりと、 一息つくの。
そのあと、3秒数えて目を開けてみて?
さあ、 ゆっくりと、ね。
彼が目を閉じるのを確認してから
私も目を閉じる。
深呼吸をして、
いち に さん。
次に見るのはひまわり畑。
目前に広がる上を向いたひまわり。
風がそよぐと微かに揺れ、全身で空を感じているのがよく分かる。
ひまわりの他にはなにもない。
踏み荒らされた足跡も、潰された花草も。
ただただ、地平線までひまわりが広がっている。
ね?綺麗でしょう?
-えっ、ああ、うん、、、
お、驚いたな、こんな、こんな綺麗な世界があるんだね、、、、、
そういって彼は涙を流す。
見つけた。あなたの宝石。
でも少し変。いつも宝石はキラキラと輝いていて、太陽に慣れた後でも少し眩しいと思うのに。
あなたの宝石は鈍い光なのね。
-宝石ってなんのこと?
彼は私が横にいることに今気がついたかのように取り繕い、涙を拭こうとする。
ああ、待って。拭わないで。
その宝石はね、長くは持たないの。
だから、自分から捨ててしまわないで。
さっきは鈍い光だなんて言ったけれど
少し言い方を間違えてしまったわ。
こんな宝石は初めてよ。
綺麗だわ。
-君の言う宝石は、涙のことだったんだね。
涙なんて、宝石と呼ぶに値しないよ。
特に僕の涙はね。
いいえ、涙に限ったことではないわ。
ある子は、髪だった。ある子は、肌。ある子は唇。ある子は…、ある人は、言葉。
私が見つけた宝石を、宝石と呼ぶに値しないだなんて、ひどいことを言うのね。
-僕はそんな綺麗な人間じゃない。ごめんね。
どうしてそう思うの?
-君みたいに、キラキラと輝いて、太陽やひまわりがよく似合う子には分からないよ。
ここで私は思わず笑ってしまう。
あまりに可笑しなことを言うものだから。
-どうして笑うの?
ごめんなさい、怒らないで。
私を見ているようで、もしかしたら、他人にとっても私ってこう見えているのかしら、と思ったのよ。
-僕と君が似ていると言いたいの?
君は綺麗だ。真っ黒な髪と瞳、白いワンピースもよく似合っている。社交的で、こんな僕に話しかけてくれた。でも僕は違う。僕は君みたいに綺麗な容姿とは言い難い。それに、まだ疑っているよ。君は一体何者なのかとね。
あっはは、おっかしい。
言いたいことはたくさんあるけれど、ここで言うのはナンセンスな気がするわ。
なんとなく、いいえ、とても、癪に触るもの。
それに、きっともうすぐ時間だわ。
だから、1つだけ教えてあげるわ。
あなたは綺麗だわ。その、ぼさぼさの髪を整えてみなさいよ。
そこから始めてみればいいんじゃない?
今日はお喋りばかりだったわね。
また、会えるといいわね。
それじゃあ、またね。
-ねえ、何も見えないよ。僕をどこに連れて行く気?
そうね、今日は少し遠いみたい。
でも安心して。不意に現れるの。
私、その瞬間が1番好きなの。
非現実的だけれど、違和感は覚えないはずよ。
うーん、この辺かしら。
さあ、 目を閉じて。
ゆっくりと、 一息つくの。
そのあと、3秒数えて目を開けてみて?
さあ、 ゆっくりと、ね。
彼が目を閉じるのを確認してから
私も目を閉じる。
深呼吸をして、
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ね?綺麗でしょう?
-えっ、ああ、うん、、、
お、驚いたな、こんな、こんな綺麗な世界があるんだね、、、、、
そういって彼は涙を流す。
見つけた。あなたの宝石。
でも少し変。いつも宝石はキラキラと輝いていて、太陽に慣れた後でも少し眩しいと思うのに。
あなたの宝石は鈍い光なのね。
-宝石ってなんのこと?
彼は私が横にいることに今気がついたかのように取り繕い、涙を拭こうとする。
ああ、待って。拭わないで。
その宝石はね、長くは持たないの。
だから、自分から捨ててしまわないで。
さっきは鈍い光だなんて言ったけれど
少し言い方を間違えてしまったわ。
こんな宝石は初めてよ。
綺麗だわ。
-君の言う宝石は、涙のことだったんだね。
涙なんて、宝石と呼ぶに値しないよ。
特に僕の涙はね。
いいえ、涙に限ったことではないわ。
ある子は、髪だった。ある子は、肌。ある子は唇。ある子は…、ある人は、言葉。
私が見つけた宝石を、宝石と呼ぶに値しないだなんて、ひどいことを言うのね。
-僕はそんな綺麗な人間じゃない。ごめんね。
どうしてそう思うの?
-君みたいに、キラキラと輝いて、太陽やひまわりがよく似合う子には分からないよ。
ここで私は思わず笑ってしまう。
あまりに可笑しなことを言うものだから。
-どうして笑うの?
ごめんなさい、怒らないで。
私を見ているようで、もしかしたら、他人にとっても私ってこう見えているのかしら、と思ったのよ。
-僕と君が似ていると言いたいの?
君は綺麗だ。真っ黒な髪と瞳、白いワンピースもよく似合っている。社交的で、こんな僕に話しかけてくれた。でも僕は違う。僕は君みたいに綺麗な容姿とは言い難い。それに、まだ疑っているよ。君は一体何者なのかとね。
あっはは、おっかしい。
言いたいことはたくさんあるけれど、ここで言うのはナンセンスな気がするわ。
なんとなく、いいえ、とても、癪に触るもの。
それに、きっともうすぐ時間だわ。
だから、1つだけ教えてあげるわ。
あなたは綺麗だわ。その、ぼさぼさの髪を整えてみなさいよ。
そこから始めてみればいいんじゃない?
今日はお喋りばかりだったわね。
また、会えるといいわね。
それじゃあ、またね。
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