エンドロールに誰を流そう

大野

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どんな人間か

少しの変化

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一歩外に出れば戦場。

いつまでも閉じこもっていたいのだけど、そうもいかないの。

何か問題を起こせばきっと、両親が駆けつけて、私を殺そうとするわ。きっと、いいえ、絶対にね。


両親は、私を、気持ちの悪い子だと言うわ。
あなたは捨て子なの。決して私たちの本当の子供ではない。なので、私たちに愛情を求めないでね、と。

そうして、物心がついた頃、1人で暮らすにはあまりに大きなお家と、1人で暮らすにはあまりに十分すぎる金額の入った通帳を残して
どこかへ消えてしまったの。
彼らがお金持ちだったことが不幸中の幸いと言ったところかしら。
面白いお話でしょう?


私だって、彼らに会う必要性を感じていないわ。
むしろ、家に居てもなお休まる場所がないなんて耐えられないわ。
だから、お外に出なくちゃね。


悲しいことばかり考えて居ても仕方がないわ。
そうだ、今日はいつもと違うのよ。
だって、感覚が残っているのだもの。
きっとうまくいくわ。
試しに、庭前を掃除しているおばさんに挨拶をしてみよう。

よし、言うのよ、大丈夫。
ほら、眼の前を通った小学生には挨拶したじゃない、笑顔も素敵な人だわ。

大丈夫、大丈夫。

少しびくつきながら、そろり、そろりと歩み寄る。

「あっ、お、おはよう、ございます…」
声のボリュームがどんどん小さくなっていく。
私は一体何をしているんだと、数分前の自分の考えを呪う。
恥ずかしさと恐怖心から顔が紅潮したり、青ざめたりする。

思い切り俯いて、その場でとどまっていることができず、走り出す。

後ろからちょっと、とおばさんの声が聞こえる
それでも構わず走り続ける。
躓いたが、気にしている場合でもない。

恥ずかしい。どうしよう、明日から通学路を変えなくては。
他の人にアルビノの子が変な子でねって言いふらされたら?

ああもう、最低の気分だ。

がむしゃらに走っていたら、いつの間にか校門に向かう最後の曲がり角にたどり着いていた。
かはっ、かはっ、と荒くなっている呼吸を整え、深呼吸をする。
そして、帽子を深くかぶり直し、俯いたまま、ゆっくりと歩き始める。


後ろから彼女をじっと見る人影にも気づかない。

足が震えている。

目がいつもよりぼやける。

皮膚がひりひりと痛む。

今日は快晴だ。
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