エンドロールに誰を流そう

色々なこと

こんにちは

はなと別れ、家に着き、

ふう、と一息つく。

夜ご飯の、ポトフを作りながら、今朝からの出来事を思い出そうとするが、上手くいかない。

想像と現実がごっちゃになっているみたい。

でも、とても、幸せな1日だったわ。

茫っとポトフを眺めていると、縁に人参が焦げ付いていた。







眠る準備も済ませ、10分間の想像をしようと目を瞑る。
本当は今日は、想像をやめようかしらと思っていたの。
でも、あのひまわりを見たいもの。

すっと、想像の世界に入ると、やはり太陽は
高くのぼっている。

こんにちは、太陽さん。
今日はとても不思議な1日だったのよ。


今日は、少し萎びた草たち。
風はいつものように清々しく頬を撫でるが、
萎びた草は億劫そうに揺れる。

あら、草たちに元気がないのね。
どうかしたの？

太陽に尋ねると、太陽は、

急に天気が変わってしまってね。
僕があまり構ってあげられなかったのだよ。
少ししょげているみたいだ。


ふうん、今日は現実の天気と似ているのね。
と、呟き、いつもの、小川の場所へ向かう。

さあ、気を取り直して。
今日はどんな人が来るのかしら。

気がつけば弾んだ足取りになっていた。
あの人が来てくれるはずがないことは分かっている。
でも少しだけ、早くお話がしたい、と思っていた。


たどり着くと、そこには昨日の少年がいる。
でも、どことなく、雰囲気が違う。
何か、と逡巡し、気づく。

ああ、あのぼさっとした髪が綺麗になっているわ。

そして彼に駆け寄り、挨拶をする。



こんにちは。今日は少し草がしょげているわね。


-また、ここ。一体ここは？

まあ、挨拶もなしに質問だなんて。
でもまあ、2日続けてだなんて、あの人がいなくなってからは、あなたが初めてだから、何かの縁かもしれないわね。
ここはね、私にとっては私の想像の世界なの。
あなたにとっても、きっとそうだと思うわ。
で、私が、想像した時、あなたもいるの。
自分のなりたい姿で、ね。


-想像の？


そうよ、現実的ではないものね。
まだ、他に質問はあるかしら？


-じゃあ、君と僕は、たまたま想像の世界が一致して、たまたま想像するタイミングが一致して、こうして巡り会っていると言うことなのだろうか。

ふと、疑問に抱く。
私は、私の想像の世界で、無意識が作り上げた私の弱い部分と、私自身が対話しているのだと思っていた。
しかし、そんな世界で、私の想像の人は、こんなことを言うのだろうか。
それでは、あの人が来なくなった理由は別になってしまわないか。


私にも、よく分からないわ。
でも、私にとってはあなたは想像の中の人。
きっとあなたにとっても私は、想像の中の人。
それ以上も以下もないわ。
それでいいじゃないかしら。


ふつふつと浮かび上がる疑問を
抑えつけようと、答える。


-僕は、君について、もっと知りたいのだけど。