エンドロールに誰を流そう

大野

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君はどんな人

花のような人

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「ごめんなさい、ごめっ、私、私、すごく嬉しいの。私を肯定してくれていること、見捨てないでいてくれていること、全て。
今はまだ、はると、呼ばれてまともに返事をする自信がないわ。でも、好きだと言ってくれたのはあなたが初めてだから。だから、私、」

自分が何を言っているのかもわからない。
でも、このまま終わりたくもない。
伝えたいこともたくさんある。
嗚咽にまみれて、舌足らずに言葉を発する。

「いえ、いいの。話してくれてありがとう。」

彼女も少し、泣いていた。
彼女の涙は、太陽も出ていない、どんよりな空なのに、宝石のように光っていた。


しばらく経ち、泣き止む。
どれくらい時間が経っただろう。

空は夕暮れのオレンジを差していた。

あの曇り空は、消えたのね。
ふう、と一息をつき、また向かい合う。

「待っていてくれてありがとう。
私も、あなたを名前で呼びたいわ。
はな、と呼んでもいいかしら。」

静かに、優しく見つめながら、私の声を待っていてくれた彼女は、
ひまわりが夕暮れに照らされたような優しさで微笑む。

「うん、嬉しい。」

私は自分の名前を呼ばれたくないと泣き喚いたのに、彼女は、優しく微笑む。

また、泣きそうになるのを堪えて、次は私が微笑みながら話しかける。

「もう、夕暮れになってしまったわ。
また、話せるといいわね。」

うまく笑えていただろうか。
また明日、と言う自信はなかった。

ただ、気持ちの整理が追いつかず、
1人だけ子供のように泣き喚いた事実だけが
私の中で渦巻き、一刻も早く帰りたいと、思っていた。

「ふふっ、目を真っ赤に腫らせて笑われても、信ぴょう性はゼロね。また、明日、ね。
たくさん、お話をしましょう。」

そう言って彼女は、机に掛けていたスクールバッグを取り、さあ、行こう、と私を促す。

そんなに目が真っ赤だったのか、と恥ずかしくなり、慌てて帽子を深く被り、無言で彼女の後ろをついて行く。

学校から出た時、
あまりに夕焼けが綺麗で、思わず空を見上げた。
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