エンドロールに誰を流そう

大野

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君はどんな人

お友達

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ぱあっと、目の前に私の大好きな、ひまわり畑が広がる感覚だった。
彼女の笑顔を見ていると、きゅーっと胸が痛み、ふんわりと夏風がそよぐ。

「お、友達に、なってくれるの?」
キラキラと太陽に反射したひまわりのような笑顔で、前のめりに私に尋ねる。

「ええ、もちろん。私なんかでよければ、もっとたくさんお話がしたいわ。」


先程から、もう、想像の中であると確信していた。

きっと、今朝、自分から挨拶をしようとしたから、神様がご褒美をくれたのだわ。
だから、こんなにも素敵な想像の世界をくださっているの。

欲を言うなら、この、弱視も矯正していて欲しかったのだけれど、贅沢は言ってられないわね。


「ありがとう、じゃあね、じゃあ、早速なのだけれど、はる、と呼んでもいいかな?」

彼女が、早口で、気が変わる前にまくしたてるかのように話す。
ここで、私は想像ではないのではないか、と一抹の不安を覚える。

「嫌よ。はるとは呼ばないで。」

ついつい、声を荒げてしまう。
こんなことで声を荒げるだなんて、情緒が不安定だ。

「ど、どうして?」

圧倒されたかのように、蛇を見る蛙のような目つきに変わる。

「あ、ああ、ごめんなさい、でも、はるって嫌いなの。季節の春も、自分の名前も大嫌い。せっかくあなたと関われるのに、嫌いな言葉を聞いていなきゃいけないだなんて、嫌だったの。ごめんなさい。」

私が大好きな宝石を今日、私は何度奪っただろう。

今、外は強い風が吹いて、太陽は少し雲に隠れていて、小川の宝石は無くなってしまったに違いないわ。

「私は、はる、大好きだよ。柔らかな風が吹き始めて、それこそ、あなたの好きなフレーズによく似ているから。私は、はる、と呼びたいな。」

大好きなフレーズ。
ふんわりと柔らかい風が前へ進めと背中を優しく押す。

先程までは私が嫌だ、と言ったことに対して否定しなかった彼女が、意志を持った目つきで、私に話す。

「小説と、現実は違うわ。」

自分の発言に、自分自身、悲しくなる。
小説のようになりたいと、あんなに願っていたのに。
外は、太陽が完全に雲に隠れ、どんよりと重い空気を漂わせる。

そうね、神様がくれた、だなんて痴がましかったわ。

この天気が私にはお似合いよ。

「馬鹿な発言だと、自分自身で気づいているはずだから言及しないけれど、これについては、また明日、お話ししましょう?」

ここまで、ひどいことを言って、宝石を奪ったのに。
あの人にも、奪わないって約束したのに。
でも彼女は、また明日、と言ってくれた。
彼のように、見捨てずに。

ふいに、涙が溢れる。
優しさを目の前に、ただ訳もわからず泣く。
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