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第三話「私はエトワールお嬢様専属執事。バルトと申します。www」
しおりを挟むごきげんよう、はじめまして、私はエトワールお嬢様の専属執事、名前をバルトと申します。
さて、私がお仕えしているエトワール様のご紹介をしておきましょう。
エトワール様は、バルシュタイン侯爵の一人娘です。
緩やかに波うつ柔らかな紫陽花のような淡い青紫の髪と美しい星空のような紫紺の瞳。
毎日私もお手伝いさせていただく入念な肌ケアのかいあってお肌は、まあ、及第点な感じです。
もう少し睡眠の時間を増やした方がより良いのですが、勉学などのためにそれを削るなら仕方がありません。
お洋服は学園の制服を着ているので、あまり特徴的なものはありませんが、髪型は毎日変えられます。
だいたい天候と髪の毛のご機嫌で私と相談しながら決めますね。
パーティーや交流会では………
ああ、ちょっと話が長くなってしまいますね。
失礼いたしました。
お嬢様の外見のお話はここまでにして、次は昔のお嬢様についてお話させていただきます。
生まれたときから利発でいらっしゃったエトワール様は、もろもろの事情で外出のできなかったご母堂様のサンティエ様をおそばでずっと励ましていらっしゃいました。
更に、お屋敷におこもりになるサンティエ様に対し陰口をたたくご親族の方々に、
「体の弱い母に働かせねばならないほどバルシュタインはひっ迫した情けない状態なのですかか? それをなんとかできないほどあなた方は無能なのですか? それならば、わたくしがそれをなんとかしてさしあげましょう」
と、宣言し、屋敷の中でバルシュタイン領の財政状態を盛り上げるための企画を提案し、それをお父上に実現していただくことでそれを成功させてご親族たちの口をお黙りさせてしまいました。
そのときのお嬢様も大変面白く……。ぶふっ!
ああ、話がそれてしまいますので、このお話もまたの機会にさせていただきましょう。
まあ、とにかく、いろいろありまして、サンティエ様がご逝去された後も、エトワール様はサンティエ様に恥じぬよう、日々、精進して素晴らしい淑女というには、……先の二話をお読みになった読者の皆様ならご理解いただけますでしょう……、ぶふっ! 失礼。
とにかく、エトワール様はご立派な淑女になったとは言えませんが、すばらしく面白い人間となったことは確かです。
さて、立派に面白い人間となったエトワール様は17歳で王国の貴族の子女が勉学に励み、国を守り支え、盛り上げる人間関係を構築する場所である学園に入学し、そこで優秀な成績をおさめ、更に婚活にも励み、そのかいもあってか国王様によって王太子の婚約者に指名されたのです。
婚約者となったエドガー様は、人柄がよく、成績もお嬢様と同じく優秀、更にイケメン! 身長も高いですね。
180㎝は越えていらっしゃいます。
薄明の空に浮かぶ紫雲のように柔らで甘やかさを感じさせる髪に、星空を移す湖面のように深い瞳。
お肌はまあ、お外で剣術の稽古もされるので、そこまで褒められるものではありませんが、まあまあですね。
そんな、超絶イケメン王子のエドガー様がお嬢様と婚約を破棄したいと申し出ることは、なんというか、まあ、そうだよなと、と、学園の人たちは納得してしまうかもしれませんね。
何故も何も、土下座で婚約破棄を申し渡してきた婚約者の胸倉を掴んでがっくんがっくん揺さぶって問い詰めるなど、王国の国母となる女性としてやってはならないことですから。
エトワール様は立派に面白い人間ですが、立派な淑女ではないことを証明してしまったのです。
「主人がそいう目で見られないよう、その行いを先んじて止めるのがあんたの役目でしょうが」
腹抱えて笑っている場合か、と私は扇子で頭をはたかれしまったのでした。
さて、そろそろお嬢様を止めなければなりませんね、それが私の使命ですから。
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