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第1章 刻印覚醒編
第6話 可憐なる武闘派アイドル?
しおりを挟む刻印の能力を手に入れた次の日……高校の屋上で悠斗と将呉は2人だけで、昨日の事を話していた。
「お前が、あの仮面野郎倒したのか?」
「いや、倒した訳じゃないが……」
「でも良く生き残ったなぁ!!」
「その理由は……」
ノートパソコンを持参している悠斗はパソコンで色々と調べながら、昨日の事を話した。
「これを見てくれ……」
薄型ノートパソコンでシーカーのデータを見せた。そこには、特殊スキル:刻印.タイプ.炎と書かれていた。こんなスキルは将呉も見た事なかった。
「このスキルが突如解放して、俺は奴が出して来たデスワームに勝ったんだ」
「……こんなスキル見た事ないぞ」
「だろ」
「それにタイプ炎。つまり他にもあるのか?」
「そうなんだろうが、そこは未だによく分からないんだ……」
「そうだな……」
だがやはり将呉は元気がなさそうだった。無理のない。何ヶ月もやったデータがいきなり現れた仮面の男にボコボコにされた挙句、負けてデータを消された。
「落ち込むなよ将呉」
「はぁ……うん……」
悠斗は出来る限り、慰めると元気を出して来た。
すると将呉は一言。
「そういえば、昨日のアルちゃんのライブに乱入とはいい度胸してるなお前」
「あ、あれは勝手に転送されて……」
「掲示板凄い事になってるぞ……」
将呉が悠斗のノートパソコンを使い、掲示板を開く。すると昨日のライブ乱入の件で多くのファンからシーカーへの怒りでいっぱいだった。
「こんな凄い騒ぎに……」
「あぁそうさ、せっかくのライブがお前のせいでお開きしちゃったからな。俗に言う炎上って奴だな……」
「……」
「ちなみに掲示板ではもうお前のプレイヤー名はバレてるからな」
冷や汗がダラダラ出てきて焦り始める悠斗?
「謝ったら許してくれるかな……」
「無理だな……過激なファンなら逆に怒るだろうしな」
「……じゃあどうすれば……」
「AlterFrontierに行っても罵倒を受けるだけだしな……まぁ家の中に篭ってれば」
悠斗は深いため息をつき、ノートパソコンを畳む。
「しょうがない……この件が鎮火するまで、マイホームに籠るかな……」
「1ヶ月ほどで熱りは冷めるだろうな」
「1ヶ月ですめばいいけどな……」
ーーーーーーーーーーーーーー
そして悠斗は今日もAlterFrontierに行く。とりあえずマイホームからログインする事にした。
目を開けるとそこは和風テイストな家で、目の前には布団が敷かれていた。
ここは海の近くにある山の上に立てている二階建ての一軒家で、建てるのに1ヶ月もかかった。もちろん家を建てるのにも素材が必要でこの家もかなりの労力を費やした。
リビングに移動し、ソファーにもたれ掛ける。
「ふぅ~ここが一番落ち着くぜ」
「よぉ」
「うわっ!?いたの!?」
ソファーの後ろから顔を覗かせて来たのは、新しい姿となったSyoだった。昨日の鎧武者姿から変わって、初期服の普通の白いTシャツに普通のジーンズだった。そこら辺にいる人っぽくて簡単には分からなかった。
「……結局新しいデータになったのか」
「心機一転頑張るとするよ……あてにしてるよ」
「あぁ……」
シーカーがメサを操作するとお知らせが何百個とあった。そこを確認すると……
「何だこれ!?」
「ん?」
ーー貴方に100万Gの懸賞金がかけられましたーー
「ひゃ……100万Gの懸賞金⁉︎」
驚きのあまりソファーから転げ落ちてしまった。
懸賞金とは、1ヶ月に1度、プレイヤーAがプレイヤーBに賞金を賭ける事が出来る事である。プレイヤーAがプレイヤーBに連続勝利回数と勝利期間の2つを設け、その期間内に賭けたプレイヤー以外のプレイヤーと決闘し、規定連続勝利数を満たした場合はプレイヤーAの賭け金は消え、プレイヤーBがその懸賞金を貰える。なお連続で同じプレイヤーと戦う事は不可能である。
逆に満たさなかった場合は、プレイヤーAに賭けた金額の1.5倍が貰え、プレイヤーBに勝利したプレイヤーにも一定のGが貰える。
そもそも懸賞金を賭けられたプレイヤーBが1度も戦わなかったり、規定回数勝負してない場合は、賭け金はプレイヤーに戻ってくる。
なお決闘モードで5連勝した場合は、自動的に5万Gの懸賞金がかけられる。
「こんな量の賭け金始めてだ……」
「それに外見てみろよ」
「うわっ⁉︎」
息の飲み恐る恐る窓を見ると、大量のプレイヤーがシーカーの家を囲んでいたのだ。しかも恨めしそうに、顔と手をグニュっと窓におしつけている。流石のこの状態には、開いた口が塞がらなくなるシーカーだった。これはアルちゃんファンだ‼︎と一瞬で分かった。なぜなら全員アルのイラストが描かれたバンダナを巻いていた。
「ま、まさか俺のマイホームがバレたと言うのか⁉︎」
「そうみたいだな。多分、この付近の目撃情報を頼りにここを絞り出したんだろうよ」
「なんて情報網だ……」
「幸いにもルール上マイホームは破壊出来ない仕様でよかったな」
マイホームは作ったプレイヤー以外は破壊する事は出来ず、家に入るのも作ったプレイヤーから許可をもらったプレイヤーのみである。もちろんSyoは許可をもらっている。
そしてSyoは1つ聞いた。
「そういえば条件とかどうなんだ?」
「見てなかった……えぇっと……」
ー条件ー
勝利方法:自由
勝利回数:1回
日数:1日
「1日?つまり今日中に?誰がやったんだよ⁉︎」
「私よ‼︎」
「⁉︎」
大きくマイクで喋ってるような声が上からか聞こえてきた。それに外がザワザワと騒がしくなってきた。
「誰だ?」
「まさかこの声は⁉︎」
この声にSyoは目を光らせて、気づいていた。すると家の周りにはファン、じゃなくて筋肉隆々のサングラスをした黒服の男達が後ろに手を組んで囲んでいた。
「何だ何だ一体よぉ⁉︎」
上空に車の左右機械の羽が付いた白いリムジンが浮いており、ゆっくりと降りてきた。
そして降りてきたら、黒服がリムジンのドアの前に列を作り壁のように並んだ。更に赤絨毯を車からシーカーの家のドアの前まで転がし引いた。
そしてドアからコンコンとノックする音が聞こえる。
「……」
シーカーは音も立てずに、ドアの穴から外を覗いた。すると左右白黒のポニーテールの女の子がしかめっ面で待っていた。そしてシーカーは一言呟いた。
「あの~どなた様でしょうか……」
「貴方……もう昨日の事を忘れたの……」
「え?」
するとSyoがシーカーの頭の叩き、髪を逆立てて怒りの声を表した。
「お前!!昨日の忘れたのか⁉︎アルちゃんだよ‼︎アルちゃん‼︎」
「アルちゃん……あっ!!」
その時思い出した。昨日のライブ乱入の時にいた、あの女の子だと……
「家に上がったもよろしいかしら?」
「ど、どうぞ……」
ドアを開け、黒服も一緒入ろうとすると、アルは手で出し止めた。
「私だけで大丈夫よ」
黒服が頭を下げて引き下がっていく。
そしてアルだけを家に上がり込ませた。その間Syoはウキウキが止まらないようか家の中をうろちょろしている。
「あぁ~アルちゃんが家にいる!!サイン欲しい!!でもプライベートでサイン求めるのは、失礼だし……あぁぁぁ!!」
「お前は少し静かにしろ」
アルはシーカーの家の間取りを見つめる。
「貧相な家ね……」
「……うるさい」
ちょっとイラッと来たシーカーはさっさとアルがソファーに座わらせソファーの対面に座り、軽く話し始める。
「あんたが何故俺に懸賞金を?」
「私は自分のライブを邪魔されたのが、許されなくて!!その落とし前をつけに来たの」
「落とし前って……ヤクザか何かか?」
「そう言う事じゃなくて!!」
シーカーに突っ込まれて顔を赤らめて言うアル。そしてアルは両手で机を叩く。
「私のプライドが許さないの!!とにかく、私はあなたと勝負をします!!」
「勝負方法は」
ー決闘紹介ー
決闘とはプレイヤー同士が戦う事である。決闘の種類様々で、どちらかがやられた方負け。先に指定モンスターの討伐して方が勝ち。指定素材のゲットした方が勝ちなど、多くある。通常バトルだとフィールドを自由に選択でき、他プレイヤーの邪魔が入らないように2人だけのフィールドにも出来る。
通常バトルは、勝者にバトルポイントが加算され、敗者にはポイントが引かれる。そして毎月、バトルポイント世界ランキングと各国のトップ10が公表される。因みに日本1位はオーガスターと呼ばれるプレイヤーだ。
「通常決闘でフィールドは、太古の生物が蔓延る海……パガトリー海で」
「いいぜ乗った!!」
するとシーカーの後ろからSyoがひょっこり出てきて、耳元で囁く。
「アイドルだからって侮っちゃダメだ。アルちゃんは戦うアイドルとしても有名だからね」
「マジで!?」
「日本ランキング見れば100位以内にいると思うよ」
因みにシーカーは最高で3万9079位で、日本プレイヤーは総勢300万人近くいるらしい。
その話を聞き、一気にテンションが上がり始めた。とにかく強い相手と戦える事が何より嬉しいようだ。
「余計にやる気が湧いてきた!!
「話しはもういいかしら?」
「あぁいいぜ!!」
戦いの準備をしようとした時、Syoが話しかけてきた。
「おいシーカー、召喚獣のガチャ一回だけでもしとけよ」
「何で?」
「少しでも戦闘の役に立つしれないしな」
少し考えもしたが、とりあえず一回だけする事にした。メサを操作し、召喚獣ガチャを一回だけした。
「まぁいっか……一回だけだぜ」
ガチャのモニターを押すと、ソファーの上に白くサッカーボールサイズの卵がふわっと落ちてきた。
「これが卵……」
卵は左右に揺れ始め卵の上部が割れ、赤い嘴が見えた。アルが少しずつ気になり始めた。
「……」
「何の召喚獣だ……」
そして卵から何かが飛び出てきた。
「これが……俺の召喚獣⁉︎」
シーカーの周りを飛び回っているのは、カァーカァーと鳴く、赤く小さな羽を羽ばたかせている小ちゃな可愛らしいドラゴンだった。シーカーに頬ずりしてご主人様と認識していた。
「何て可愛い子なのぉ~!!」
アルが目を光らせてドラゴンに近寄った。だが、ドラゴンはびっくりしてシーカーの背中に怯えて隠れてしまった。このアルにシーカーもそしてファンのSyoも固まってしまった。
「えっ……」
「あっ……ごほん‼︎はっ、早く準備しなさい!!」
またまた赤面になるが、我に返って平然と装いながら軽く咳をするアル。周りが固まっているのを見て、慌ててメサを操作し始めた。
「わ、私は先にフィールドに待ってます!!私の後についてきなさい!!」
「あ、あぁ……」
恥ずかしそうにさっさとフィールドに向かっていった。その姿にSyoは嬉しそうに飛び跳ねていた。
「可愛い~!!」
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