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第2章 骸帝編
第33話 田舎育ちの強戦士
しおりを挟む隼の事からこの日授業などで全く集中してなかった、むしろボケ~っとしていた悠斗。
昼休みになってもボケ~っと席から窓を眺めているだけだった。そんな悠斗を見て将呉は1人行動を起こしていた。
昼休み……屋上のベンチに座り、1人でAlterFrontierに行く将呉。
シーカーのホームのソファーで座り、早速メサを使いプレイヤーを調べる事にしたSyo。因みにソファーの隣の寝床にはウェルズが寝ていた。
「強いプレイヤー……やっぱりトッププレイヤーだよな~」
トッププレイヤーとは、決闘モードにて勝率ランキングなどで上位にいるプレイヤーである。
「とりあえずアメリカNO1のマイケル・ジューシーに送るか……えぇっと……」
マイケル・ジューシー様へ
お忙しい中、こんな文を見てくれた事を感謝。近々、このAlterFrontier内で大変な事が起きる。骸帝と名乗るヤバイ奴がこの世界を滅ぼしに来る。だから手を貸して欲しいです。カモン‼︎
シーカーより
とりあえずクルメリが言ったことを全て書いてシーカーと名乗って送った。日本語の文章でもこの世界だと英訳されて相手に送られるからとっても楽だ。
本人もご満悦でAlterFrontierがログアウトしようとする。
「これで安心だぜ‼︎」
「本当にそうかな?」
「……ってうわぁぁぁ‼︎」
ソファーの後ろから、髪を1つに括った丸眼鏡をかけた夏を感じさせる水色の涼しげな着物を着た男がニコニコしながらソファーに寄りかかって来た。それに驚き、Syoはソファーから転げ落ちた。
「あっ……あんた確かまさかメルクリ……格好変えた?」
前日に会った時は、髪が長く短パンの夏の少年っぽかったが、急に着物を着て扇を持っている姿にSyoもびっくりした。
「うん‼︎イメチェンってやつかな~ビーチ近いからね~それよりこんな所で何やってるの?」
「そりゃあこっちのセリフだ……ってかビーチに着物合わねぇよ……」
「僕は何となく来ただけさ、でもシーカーさん居ないけど?」
「今あいつは、ちょっとね……」
浮かない顔になるSyoを見たが、メルクリはそのまま表情を崩さずに話を続けた。
「何かあったの?喧嘩?」
「喧嘩って程でもないけど……まぁ色々とね……」
「ふ~ん……で仲間集めは?」
「今強いプレイヤーに呼びかけをしているよ。それよりあんたはどうなんだ?ちゃんと探しているのか?」
「まぁ……僕は僕なりにぃ……ね」
冷や汗を掻き、全然違う方向を眺めるメルクリ。それにSyoは呆れ返り、頭を抑える。
「……はぁ……」
するとメサから1件メールが届いて居た。
「連絡が来たみたいだね」
「マイケル・ジューシーからだ‼︎なになに……」
F○○K‼︎
とだけ書かれていた。2人は何も言わず、沈黙が続いた。
「あぁ……ダメっぽいね」
「簡単には信じてくれないよな……こんな事を……とりあえず手当たり次第送るか……あんたも送るのを手伝っ……あれ⁉︎」
ソファーの後ろを振り返るとそこにはもうメルクリはいなくなっていた。
「はぁ……1人でやるか」
Syoは1人で日本やアメリカ、中国などの多くの国のプレイヤー達に連絡を送った。
ーーーーーーーーーーーーーー
時を同じくして、日本のとある海に面した町。お世辞にも田舎と言わざるを得ないほど、静かでこじんまりとした町。
漁船の汽笛が聞こえ、鳥達が魚を探しに歩いている。そんなのどかな町にある灯台の頂上でAlterLinkを装着した制服のシャツをズボンから出しながら、寝転んでいる青年がいた。
青年がプレイしているAlterFrontierの中では、赤く煮えたぎっているマグマが常に噴き出しており、隕石が常に降り注いでいるAlterFrontier内でもトップレベルで難しく、地面の一部がマグマと化して、まともに歩ける場所も少ない危険なフィールドである火山地帯。
そこで青年は頭に赤いバンダナを巻き、薄着の動きやすい格好で噴火龍 プロメテウスドラゴンと1人で戦っていた。
紹介
噴火龍 プロメテウスドラゴン
火山地帯 討伐難易度☆6/HP100000
赤く、背中には小さな火山を持ち、怒るとそこからマグマが噴出する全身鋼鉄な隕石の鎧で出来ている龍。20mを超え、大きな羽を羽ばたき、高速で動き、炎の羽根をも飛ばして来る。口からはマグマ砲を吐き、当てた相手をも溶かす勢い。背中の火山からは隕石が常に噴出し、寄る者を近づけさせない。
圧倒的な攻撃力、素早い動き、鋼鉄の隕石の鎧、近づく事も困難で圧倒的難易度。
そんなプロメテウスドラゴンに青年は1人二刀流で戦っていた。ドラゴンは傷ついており、青年は一切傷がなかった。だが、ただでさえ地面が少ない中、降り注ぐ隕石を軽々と避け、着実にプロメテウスドラゴンに近づいていく。
そしてプロメテウスドラゴンが飛び、こちらに突進をして来た。青年は真剣な表情ですぐに刀を構えた。
「……ふん‼︎」
目の前に迫ったプロメテウスドラゴンは口から、マグマ砲を吐き出した。隕石やマグマが降り注ぐ中、正面から迫るマグマ砲に対し、青年は眼を細くし、赤く輝いた。そしてジャンプしマグマや隕石をギリギリにかわしながらプロメテウスドラゴンの頭上を超え、刀をX状に構えて背中の火山を切り裂いた。それと同時に羽をも何撃か食らわした。
背中の切り裂かれた火山から大量のマグマが噴き出し、プロメテウスドラゴンは悲痛な叫び声を上げながらマグマの中へと沈んでいった。そして青年はメサを確認した。
「……ちっ……また隕石の破片かよ……赤いクリスタルをくれよな全く……」
更にメサから制服を着たショートヘアの女の子から連絡が入った。頭の血管が浮き出ており、どうやら怒っているご様子だ。
「何学校サボってゲームしてるの⁉︎このバカ柳星‼︎怒られるのアタシなんだからね‼︎後1分以内終わらなかったら……どうなるか分かってわよね……」
「わ、分かったから芽威‼︎すぐ終わるから‼︎」
さっきの真剣な顔とは裏腹に、芽威という女の子から言われた途端、慌ててログアウトしようとする柳星。その瞬間、メサからとある連絡が届いた。
「ん?何だこれ……手を貸して欲しい……?シーカー……何処かで聞いたような……」
不思議に思う柳星、そして柳星のプレイヤーの名は……オーガスター。
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